サウジアラビア空軍

サウジアラビア空軍; القوات الجوية الملكية السعودية
創設	1925年
国籍	サウジアラビア
軍種	空軍
タイプ	軍事航空
任務	航空戦闘
兵力	81,000名
上級部隊	サウジアラビア軍
渾名	RSAF
作戦機	844機
主な戦歴	湾岸戦争; ISILに対する国際軍事介入（英語版）; 2015年イエメン内戦
指揮
空軍司令官	中将トゥルキ・ビン・バンダル
著名な司令官	Sultan bin Salman
識別
国籍識別標
フィンフラッシュ
エンブレム
空軍旗
使用作戦機
攻撃機	パナビアトーネード IDS; ユーロファイタータイフーンF.2
爆撃機	ボーイング F-15S/SA; パナビアトーネード IDS
電子戦機	ボーイング RE-3A; ボーイング E-3A
戦闘機	ボーイング F-15C/S/SA; ユーロファイタータイフーンF.2
偵察機	パナビアトーネード IDS
練習機	ピラタス PC-21; BAe ホーク Mk.65/65A
輸送機	ロッキード C-130H
	表・話・編・歴

サウジアラビア空軍（サウジアラビアくうぐん、アラビア語: القوات الجوية الملكية السعودية‎, al-quwwāt al-ğawwiyyah al-malakiyyah as-suʿūdiyyah）とはサウジアラビアの空軍組織である。

歴史[編集]

1925年にイギリスの支援を受けて設立された。1950年代からはアメリカ合衆国からの支援を受けるようになり、現在では多数のアメリカ空軍と同じ兵器を装備している。特にF-15戦闘機は、アメリカ空軍と航空自衛隊に次いで多数の機体を保有している。

何度か実戦参加したこともあり、イラン・イラク戦争中の1984年6月5日にサウジアラビア空軍のF-15戦闘機がタンカーを攻撃中のイランのF-4E戦闘機をスパローで2機撃墜している。湾岸戦争では、砂漠の嵐作戦に参加したF-15C戦闘機がイラクのミラージュF1戦闘機をサイドワインダー (ミサイル)で2機撃墜している。

組織[編集]

サウジアラビア空軍は、空軍基地ごとに航空団を編制し、隷下に複数個の飛行隊を配置している^[1]。

第1航空団（No.1 Wing キング・ハーリド軍事都市空港（英語版））
- 第12飛行隊（No.12 Sqn） - AB 212
第2航空団（No.2 Wing キング・ファハド空軍基地（英語版））
- 第3飛行隊（No.3 Sqn） - タイフーンF.2/T.3
- 第5飛行隊（No.5 Sqn） - F-15C/D
- 第10飛行隊（No.10 Sqn） - タイフーンF.2/T.3
- 第14飛行隊（No.14 Sqn） - AB 212、ベル 412EP
- 第34飛行隊（No.34 Sqn） - F-15C/D
第3航空団（No.3 Wing キング・アブドラアジズ空軍基地）
- 第13飛行隊（No.13 Sqn） - F-15C/D
- 第44飛行隊（No.44 Sqn） - ベル 412EP
- 第92飛行隊（No.92 Sqn） - F-15S
第4航空団（No.4 Wing キング・ハーリド国際空港）
- 第1飛行隊（No.1 Sqn） - A340-213/-213X、B737-7DP BBJ/-8DP BBJ2、B747SP-68、B747-3G1、B747-468、MD-11、VC-130H、L-100-30、CN235-100、サイテーションブラボー（英語版）、BAe 125-800A/B、ガルフストリーム IV、AS-61A-4
第5航空団（No.5 Wing キング・ハーリド空軍基地）
- 第6飛行隊（No.6 Sqn） - F-15S
- 第55飛行隊（No.55 Sqn） - F-15S
- 第99飛行隊（No.99 Sqn） - AS 532M
- 第14飛行隊分遣隊（No.14 Sqn Det.） - AB 212、ベル 412EP
第6航空団（No.6 Wing プリンス・スルタン空軍基地（英語版））
- 第18飛行隊（No.18 Sqn） - E-3A、KE-3A
- 第19飛行隊（No.19 Sqn） - RE-3A/B、キングエア 350
- 第23飛行隊（No.23 Sqn） - E-3A
- 第24飛行隊（No.24 Sqn） - KC-30A
- 第32飛行隊（No.32 Sqn） - KC-130H/J
- 第60飛行隊（No.60 SQN） - サーブ 2000 AEW&C
第7航空団（No.7 Wing キング・ファイサル空軍基地（英語版））
- 第2飛行隊（No.2 Sqn） - F-15C/D
- 第21飛行隊（No.21 Sqn） - ホーク Mk.165
- 第29飛行隊（No.29 Sqn） - F-15SA
- 第37飛行隊（No.37 Sqn） - ホーク Mk.65
- 第79飛行隊（No.79 Sqn） - ホーク Mk.165
- 第88飛行隊（No.88 Sqn） - ホーク Mk.65/65A
第8航空団（No.8 Wing キング・アブドゥッラー空軍基地）
- 第4飛行隊（No.4 Sqn） - C-130H
- 第16飛行隊（No.16 Sqn） - C-130H/H-30
- 第20飛行隊（No.20 Sqn） - C-130H
第11航空団（No.11 Wing キング・アブドラアジズ空軍基地）
- 第7飛行隊（No.7 Sqn） - トーネード IDS
- 第35飛行隊（No.35 Sqn） - ジェットストリーム 31
- 第75飛行隊（No.75 Sqn） - トーネード IDS
- 第83飛行隊（No.83 Sqn） - トーネード IDS
キング・ファイサル航空学校（King Faisal Air Academy リヤド空軍基地（英語版））
- 第8飛行隊（No.8 Sqn） - SR22T、MFI-17（英語版）
- 第9飛行隊（No.9 Sqn） - PC-21
- 第22飛行隊（No.22 Sqn） - PC-21
- 第77飛行隊（No.77 Sqn） - PC-21
サウジアラビア王室国防軍医療サービス（RSAFMS キング・ハーリド国際空港）
- 第33飛行隊（No.33 Sqn） - B757-23A、ガルフストリーム II、ガルフストリーム IV SP、G450、ガルフストリーム V、リアジェット60XR、キングエア 350、C-130H、L-100-30、S-70A-1L、AS 365N

基地[編集]

タブーク（英語版）

リヤド（英語版）

キング・ハーリドIAP

サウジアラビア空軍基地（

：軍民共用）

基地名	所在地	備考
プリンス・スルタン空軍基地（英語版）	リヤード州アル・カルジ（英語版）
リヤド空軍基地（英語版）	リヤード州リヤド
キング・ハーリド国際空港	リヤード州リヤド
キング・アブドラアジズ空軍基地	東部州ダーラン
キング・ハーリド軍事都市空港（英語版）	東部州キング・ハリド軍事都市
キング・ハーリド空軍基地	アスィール州ハミース・ムシャイト
キング・ファハド空軍基地（英語版）	マッカ州ターイフ
キング・アブドゥッラー空軍基地	マッカ州ジッダ	キング・アブドゥルアズィーズ国際空港と共用
キング・ファイサル空軍基地（英語版）	タブーク州タブーク	タブーク地域空港と共用

装備[編集]

固定翼機[編集]

名称	製造国	種別	調達数現用数	備考
F-15C/D	アメリカ合衆国	戦闘機	F-15C（67）^[2] F-15D（31）^[2] F-15C（61）^[3] F-15D（21）^[4]
F-15S/SA	アメリカ合衆国	戦闘爆撃機	F-15S（72）^[2] F-15SA（84）※調達予定数^[2] F-15S（70）^[1] F-15SA（84）^[2]	F-15SA 25機を追加発注中^[4]
タイフーンF.2/T.3	イギリスドイツイタリアスペイン	戦闘機	※調達予定数72^[5] 53^[4]
トーネード IDS	イギリスドイツイタリア	攻撃機	96 81^[4]
E-3A	アメリカ合衆国	早期警戒管制機	5^[1] 5^[1]
サーブ 2000 AEW&C	スウェーデン	早期警戒・管制機	2 2^[4]
RE-3A	アメリカ合衆国	電子情報収集機	1^[1] 1^[1]
キングエア 350	アメリカ合衆国	電子情報収集機	2 2^[4]
KE-3A	アメリカ合衆国	空中給油機	7^[1] 7^[1]
KC-30A	フランスドイツイギリススペイン	空中給油機	6^[1] 6^[4]
KC-130H/J	アメリカ合衆国	空中給油機	KC-130H（9）^[1] KC-130J（2）^[4] KC-130H（7）^[1] KC-130J（2）^[4]
C-130H/H-30	アメリカ合衆国	輸送機	C-130H（34）^[1] C-130H-30（3）^[1] C-130H（27）^[1] C-130H-30（3）^[1]
キングエア 350	アメリカ合衆国	輸送機	10 10^[4]
An-132（英語版）	ウクライナサウジアラビア	輸送機	※調達予定数6^[6] 0
An-178	ウクライナ	輸送機	※調達予定数30^[7] 0
リアジェット60XR	カナダ	患者輸送機	2 2
ガルフストリーム II	アメリカ合衆国	患者輸送機	4^[1] 1^[1]
ガルフストリーム V	アメリカ合衆国	患者輸送機	1^[1] 1^[1]
B757-23A	アメリカ合衆国	患者輸送機	1^[1] 1^[1]
ジェットストリーム 31	イギリス	要人輸送機	2^[1] 1^[1]
BAe 125-800A/B	イギリス	要人輸送機	800A（2）^[1] 800B（3）^[1] 800A（1）^[1] 800B（3）^[1]
サイテーションブラボー（英語版）	アメリカ合衆国	要人輸送機	4^[1] 4^[1]
ガルフストリーム IV/IV SP	アメリカ合衆国	要人輸送機	3^[1] 3^[1]
CN235-100	スペインインドネシア	要人輸送機	4^[1] 4^[1]
L-100-30	アメリカ合衆国	要人輸送機	7^[1] 5^[1]
VC-130H	アメリカ合衆国	要人輸送機	5^[1] 5^[1]
MD-11	アメリカ合衆国	要人輸送機	1^[1] 1^[1]
B737-7DP BBJ/-8DP BBJ2	アメリカ合衆国	要人輸送機	B737-7DP BBJ（1） B737-8DP BBJ2（1）^[1] B737-7DP BBJ（1） B737-8DP BBJ2（1）^[1]
B747SP-68	アメリカ合衆国	要人輸送機	2^[1] 2^[1]
B747-3G1	アメリカ合衆国	要人輸送機	1^[1] 1^[1]
B747-468	アメリカ合衆国	要人輸送機	1^[8] 1^[8]
A340-213/-213X	フランスドイツイギリススペイン	要人輸送機	2^[1] 2^[1]
SR22T	アメリカ合衆国	練習機	25 25^[4]
MFI-17（英語版）	パキスタン	練習機	40 40^[4]
PC-21	スイス	練習機	55 55^[4]
ホーク Mk.65/65A	イギリス	練習機	ホーク Mk.65（30）^[1] ホーク Mk.65A（20）^[1] ホーク Mk.65（22）^[1] ホーク Mk.65A（13）^[1]
ホーク Mk.165	イギリス	練習機	※調達予定数22^[9] 1

回転翼機[編集]

名称	製造国	種別	調達数現用数
AB 212	イタリア	汎用ヘリコプター	32^[1] 20^[1]
ベル 412EP	アメリカ合衆国	汎用ヘリコプター	16^[1] 12^[1]
AS 532M	フランス	捜索救難ヘリコプター	12^[1] 9^[1]
AS 365N	フランス	急患輸送ヘリコプター	6^[1] 5^[1]
S-70A-1L	アメリカ合衆国	急患輸送ヘリコプター	4^[1] 2^[1]
AS-61A-4	アメリカ合衆国	要人輸送ヘリコプター	4^[1] 2^[1]

階級[編集]


日本語	アラビア語	NATO階級符号
空軍大将	فريق أول	OF-9
空軍中将	فريق	OF-8
空軍少将	لواء	OF-7
空軍上級大佐	عميد	OF-6
空軍大佐	عقيد	OF-5
空軍中佐	مقدم	OF-4
空軍少佐	رائد	OF-3
空軍大尉	نقيب	OF-2
空軍中尉	ملازم أول	OF-1a
空軍少尉	ملازم	OF-1
空軍曹長	رئيس رقباء	OR-7
空軍一等軍曹	رقيب أول	OR-6
空軍二等軍曹	رقيب	OR-5
空軍三等軍曹	وكيل رقيب	OR-4
空軍伍長	عريف	OR-3
空軍上等兵	جندي أول	OR-2
空軍二等兵	الجندي	OR-1

脚注・出典[編集]

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r ^s ^t ^u ^v ^w ^x ^y ^z ^aa ^ab ^ac ^ad ^ae ^af ^ag ^ah ^ai ^aj ^ak ^al ^am ^an ^ao ^ap ^aq ^ar ^as ^at ^au ^av ^aw ^ax ^ay ^az ^ba ^bb ^bc ^bd ^be ^bf ^bg ^bh ^bi ^bj ^bk イカロス出版 Jwing No.149 2011年1月号 102頁-105頁「知りたい世界の空軍! 第49回サウジアラビア空軍」石川潤一
^ ^a ^b ^c ^d ^e イカロス出版世界の名機シリーズ F-15イーグル増補改訂版 59頁-74頁「世界のF-15 さまざまなバリエーション」
^ “World Air forces 2004 pg. 83”. Flightglobal Insight (2017年). 2016年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月20日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m “World Air Forces 2018”. Flightglobal Insight (2018年). 2017年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月12日閲覧。
^ イカロス出版世界の名機シリーズユーロファイタータイフーン増補改訂版 72頁「世界のタイフーン基礎知識サウジアラビア」
^ Isby, David C. (September 2016). “Ukraine/Saudi An-132D Plans”. Air International 91 (3): 19. ISSN 0306-5634.
^ Flight Global Royal Saudi Air Force to acquire 30 An-178 transports
^ ^a ^b Fly Team サウジアラビア王国政府機材一覧 2019年8月4日閲覧
^ Saudi Arabia unveils its first Hawk Mk 165 trainer jet, Air Force Technology, (3 April 2019)

外部リンク[編集]

サウジアラビア空軍公式ホームページ (アラビア語)
Order of Battle at Scramble

[Jwing_No149-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o ^p ^q ^r ^s ^t ^u ^v ^w ^x ^y ^z ^aa ^ab ^ac ^ad ^ae ^af ^ag ^ah ^ai ^aj ^ak ^al ^am ^an ^ao ^ap ^aq ^ar ^as ^at ^au ^av ^aw ^ax ^ay ^az ^ba ^bb ^bc ^bd ^be ^bf ^bg ^bh ^bi ^bj ^bk イカロス出版 Jwing No.149 2011年1月号 102頁-105頁「知りたい世界の空軍! 第49回サウジアラビア空軍」石川潤一

[F-15_Eagle-2] イカロス出版世界の名機シリーズ F-15イーグル増補改訂版 59頁-74頁「世界のF-15 さまざまなバリエーション」

[World_Air_forces_2004_pg._83-3] “World Air forces 2004 pg. 83”. Flightglobal Insight (2017年). 2016年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月20日閲覧。

[World_Air_Forces_2018-4] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m “World Air Forces 2018”. Flightglobal Insight (2018年). 2017年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月12日閲覧。

[Typhoon-5] イカロス出版世界の名機シリーズユーロファイタータイフーン増補改訂版 72頁「世界のタイフーン基礎知識サウジアラビア」

[ai916p19-6] Isby, David C. (September 2016). “Ukraine/Saudi An-132D Plans”. Air International 91 (3): 19. ISSN 0306-5634.

[7] Flight Global Royal Saudi Air Force to acquire 30 An-178 transports

[Fly_team-8] Fly Team サウジアラビア王国政府機材一覧 2019年8月4日閲覧

[9] Saudi Arabia unveils its first Hawk Mk 165 trainer jet, Air Force Technology, (3 April 2019)

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