サイバーニュウニュウ

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サイバーニュウニュウは、平成元年(1989年)11月4日、11日放送分の『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』に出演したロックバンド。「イカ天年鑑永久保存版」の字幕ではサイバーニューニューと誤記されているが、サイバーニュウニュウが正式な表記である。

概略[編集]

1981年に大阪で結成される。その後86年に上京、都内ライブハウスやホコ天などでライブを展開し、メカニックな衣装やSFXを駆使したパフォーマンスで注目を集める。また、自主レーベルの「高慢レーベル」を主宰し、89年にカセットテープで「未開派野郎」を発売する。ジャケットはメンバー3人の顔写真とサザエボンの4種類が存在し、テープのホールにケースごとネジが刺さっている特殊仕様になっている(スタッフ、メンバーがひとつひとつハンダで手作りしたものであったらしい)。内容は、後にイカ天等で演奏される「ひねりつぶせ!」や「ベガスのエルビスになりたい」、「恋してクルパー」など、インパクトの強い楽曲が並び、"サイバーロック" "バグパンク"などと形容される彼らのイメージが最も色濃く出ている好作品である。なお、高慢レーベルからはこの他に、サザエボンのステッカーやTシャツ、メカエルビスのマスコット人形、お面、レーベルのステッカー、「未開派通信」と呼ばれるバンドの情報が記載された新聞などが販売されていた。

BEGINのグランドイカ天キング達成による正キング不在の状況下、11月4日の放送(イカ天唯一の録画放送回である)で「ひねりつぶせ!」を引っさげエントリーナンバー2番で登場。仮イカ天キングとなっていたカブキロックスとの外見と演奏双方に特徴を有するバンド同士の対決を制して第13代イカ天キングとなる。キャッチフレーズは「チームワークで奏でるバグパンク」だった。勝ち抜き一週目となる翌週は新曲「ベガスのエルビスになりたい」をもって挑んだが、チャレンジャーのたまに審査員投票5対2で敗れてキング在位は一週限りで終わった。

イカ天出演後、ライブの客が増えて減った中、90年5月にイカ天とビッグコミックスピリッツとのコラボ企画「イカスピ」に出演、サイバーニュウニュウは漫画家中川いさみとコラボレートし、「恋してクルパー」、「くまのプー太郎」、「自由」(RCサクセションのカバー)などを演奏した。また、この時期のライブに、同じくイカ天出演バンド使用済みパンティーズのメンバーであったタンバリンダが勝手に参加し、ステージで踊っていた。

8月には4曲入りEP『すいか割り』を発売する。RAMONESの「Beat on The Brat」の日本語カバーである表題曲や、メカエルビスによる「生き神様」など、前作同様独特のねじれたユーモアセンスの光る、パンク色の強い作品になっている。また、アートワークやクレジットなどの細かい箇所にも馬鹿馬鹿しいこだわりを見せており、「個人で楽しむ以外に無断で異物を挿入することは法律で禁じられています。」などと、実に下らない事が書かれている。その他、封入されているレーベルの通販カタログやファンクラブのチラシなど、自主制作特有の手作り感覚が楽しめる。

10月には初のフルアルバム「秘密のバス」を発売。前作までのパンク色と馬鹿馬鹿しさを前面に出した作風とは打って変わり、アルバムを通して変わらない退屈な日常への怒りや苦悩、焦燥感、絶望感、狂気といった鬱蒼とした心情が書き綴られている。曲調もパンクだけでなくアコースティックなものなどもあり、バンドの新しい一面を見せたが、楽曲に勢いがなくなったことや、アマチュアのセルフプロデュースということもあり、アレンジなどの面でやや物足りなさを感じる仕上がりになっている。また、曲中にバスが走る音や停留所に停まる音が効果音として入っており、「退屈な日常からバスに乗って非現実に逃げ出す」というストーリー性を感じさせるコンセプチュアルな作品でもある。同じく10月にはバンダイから発売されたオムニバスCD『バンド・スクランブル-PUNK#ROCKでGO!GO!GO!-』に参加している。当時のアマチュアバンドを紹介したオムニバスであり、同じくイカ天出演バンドの梅ジェラやLOCKSが参加している。サイバーニュウニュウの楽曲は「荒野の女王様」「ロンドンぽくなくっちゃ」の2曲が収録されている。前者はアラバマ辺りを思わせるブルージーな感じが馬鹿馬鹿しく、レプリシンとメカエルビスのツインボーカルが光る秀曲であり、後者も彼らの楽曲の王道を行くパンキッシュな秀曲である。

91年にはバンドブームが下火になり、目立った活動が少なくなるが、8月にイカ天の後番組である『えびぞり巨匠天国』(通称えび天)で斎藤久志が、彼らの楽曲「キリコ」を用いた映像作品を出品する。内容は痴情の果ての男女を描いた極めてグロテスクなものであった。ちなみに斎藤久志監督の映画では、『はいかぶり姫物語』『はじめての夏』をはじめとした多くの作品でメカエルビス(村山竜二名義)が音楽を担当した。また、『サンデイドライブ』『いたいふたり』などの作品でレプリシンが金澤信一名義で音楽を担当している。

10月には東芝映像ソフトよりビデオ映画『ザ・採用マン』が発売されるが、この作品の音楽をメカエルビスが担当しており、サイバーニュウニュウの楽曲である「㋖印」(メカエルビスが作詞作曲・メインボーカルを担当)が主題歌として収められている(この曲が2009年現在確認されている彼らの最後の楽曲であり、このビデオ以外では聴くことができず、また曲の途中でフェードアウトするためフルバージョンで聴くことはできない)。また、この作品の中で使用されている音楽のいくつかはサイバーニュウニュウの演奏によるものと思われる。

11月には東北新社制作・配給による映画『東京の休日』が公開され、この映画の中で三上博史演ずる生物学者ドクター・ノグチの過去の実験台の役としてレプリシンが出演している。衣装はイカ天演奏時に着用していたものであり、脇役ながら台詞が一言存在するが、何を言っているのか全く聞き取れない。

1992年以降はバンドの活動が確認できず、恐らくこの時期に解散したものと思われる。メジャーデビューは確認されていないが、メンバーは現在でも音楽活動を継続している。

2015年2月YOU TUBE上に『CYBER NEWNEW REBOOT』の映像が公開される。同時期にFACE BOOK『CYBER NEWNEW REBOOT』が開設された。

メンバー[編集]

  • 和風メカ・エルビス(G):メンバー中では一番大柄。サイボーグ化されたエルビス・プレスリーのかぶりものをかぶっている。演奏時には生命維持装置風の衣装を装着し、煙吐き、発光のギミックで度肝を抜いた。スタジオ初登場時にはキャラクター設定ゆえか寡黙であり、三宅からツッコミを入れられていた。11月11日放送分では泡と煙が出るギミックを仕込んだ肩当てを装着、顔面の電飾にも発光・点滅機能を加えて派手さを増していたが、肩当てのギミックが壊れて煙が出ず、泡しか出ないというアクシデントに見舞われ三宅に苦笑されていた。関連グッズとして彼のフィギュアが製作されており、11月4日の演奏終了後にレプリシンから三宅にプレゼントされている。現在はJUDO-MANと改名し、ASTRO-B'で活動している。暴飲暴食が原因で糖尿病を患ったが、食事療法により大幅なダイエットに成功。妻は漫画家・イラストレーターのエビ沢キヨミであり、その闘病生活を『糖尿病のダンナが楽しく食べて○×になりました。』というコミックエッセイで綴っている。2015年に再結成した時には衣装のギミックや電飾が派手になっていた。
  • レプリ・シン(Vo):リーダー。ボーカルのほかベースも担当する。父親は発明家であるという。スタジオ初登場時には三宅裕司の尻を触るという悪戯を行いコントじみたトークを展開して笑いを取った。後に本名の一部を芸名として名乗りコンデンスモーンズほかのバンドで活動した。現在は金澤信一名義で作曲家として活動。
  • 真空管飛之助(Dr):ドラマー。ロボコップ風のバイザーを着用する。メンバー中では最も小柄。真面目な話はほとんど彼が担当した。
  • 全員が小学校時代からの同級生である。

楽曲、衣装、その他[編集]

一週限りのキングではあったが、インパクトは他のキングに劣らなかった。特に初登場となった11月4日の放送ではギタリストのメカエルビスの煙吐きギミック付きの衣装は審査員のみならず出場者の度肝をも抜いた。審査員の伊藤銀次は「すごくいい」と評価していた。スタジオ生出演時には三宅が「外見で勝負ってことだね」と語り、相原勇も音が出る被り物のギミックに驚いていた。

しかし、単なる色物バンドとは一線を画し、審査員から高評価を勝ち得るだけの実力も備えていた。演奏が完奏となった後には三宅も「外見に頼っていないね」と評価するポイントを一変させ、他の審査員も「聴きやすい」などとその音楽性を支持した。仮キングとして迎え撃った氏神一番も「かぶく心を持っている」と評しておりタレント性は互角か、ある面では上回っていたと言える。後日の歴代キングを紹介したダイジェストコーナーでも、『アバンギャルドな』と評価されていた。

勝ち抜き一週目となる翌週の曲「ベガスのエルビスになりたい」にも「詞がすごくおもしろい」「メカエルビスのギターフレーズの入れ方は本家エルビスのそれにのっとってやっている」などの高評価がついた。

一週目で敗退したのは前後のキングたちがいずれも強烈な存在、特にたまの存在感が圧倒的であったためであり、相手が悪かったといえる。

ネット上では2007年現在、インディーズ当時のCD「秘密のバス」がショップサイトに高値で売り出される、といった現象が確認されている。

ディスコグラフィー[編集]

  • 『未開派野郎』(1989年発売/高慢レーベル[高慢番号-001])
    A面
    1. ひねりつぶせ!
    2. 鎮痛剤でポン
    3. ベガスのエルビスになりたい
    4. ツイスト・アンド・シャウト
    5. 思いだし後悔
    B面
    1. アドレナリン・ブルース
    2. アナーキー・イン・ザ・ブルーハワイ
    3. 恋してクルパー
    4. しね・バカ・ぶー
  • 『すいか割り』(1990年4月発売/高慢レーベル[高慢番号-008])
    正常位
    1. すいか割り
    2. 生き神様
    後背位
    1. チャラ
    2. ブタがぶーぶー
  • 『秘密のバス』(1990年10月15日発売/高慢レーベル[高慢番号-009])
    1. D.N.A
    2. ソックス
    3. ピノキオ
    4. 朱とグレイ
    5. 四次元コンプレックス
    6. キリコ
    7. 秘密のバス
    8. 四角いメロン
    9. モンキーダンス
    10. 欲望
    11. シューシューシュー
    12. マスクマンダンサー
    13. 昆虫クラブ
    14. せめてつばを吐いて

コンピレーション[編集]

  • 『バンド・スクランブル-PUNK#ROCKでGO!GO!GO!-』(1990年10月21日発売/バンダイ)
    1. モハメット・アズ・イフ/ブレッキーズ
    2. 僕はうすのろ/ブレッキーズ
    3. 荒野の女王様/サイバーNEW NEW
    4. ロンドンぽくなくっちゃ/サイバーNEW NEW
    5. 分かってたまるか/少年PUNK
    6. いんちきくさい/少年PUNK
    7. ボボ・ブラボー/梅ジェラ
    8. ファンキーヒッピー/梅ジェラ
    9. ビート・ウォリアー/THE LOCKS
    10. ミッドナイト・ランナーズ/THE LOCKS

その他[編集]

  • ボーカルでリーダーであるレプリシンの父親はサザエボンの開発者であり同キャラクターの特許を持っていると当時語っていたが、真偽のほどは定かではない。

外部リンク[編集]