ゴールドシップ

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ゴールドシップ
Gold Ship IMG 6824 20140323.JPG
英字表記 Gold Ship
品種 サラブレッド
性別
毛色 芦毛
生誕 2009年3月6日(5歳)
登録日 2011年6月2日
抹消日 (現役競走馬)
ステイゴールド
ポイントフラッグ
母の父 メジロマックイーン
生国 日本の旗 日本北海道日高町
生産 出口牧場
馬主 小林英一
調教師 須貝尚介栗東
厩務員 今浪隆利
競走成績
生涯成績 17戦10勝
獲得賞金 9億6711万5000
(2014年3月23日現在)
WTRR 124L[1]
勝ち鞍 GI皐月賞菊花賞有馬記念(2012年)
宝塚記念(2013年)
GII神戸新聞杯(2012年)
阪神大賞典(2013年・2014年)
GIII共同通信杯(2012年)
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ゴールドシップ (: Gold Ship) は日本競走馬。 おもな勝ち鞍は2012年皐月賞菊花賞有馬記念2013年宝塚記念。名前の由来は、黄金の船(父名より連想)[2]

経歴[編集]

誕生 - デビュー前[編集]

2009年3月6日北海道日高町の出口牧場で誕生。生産者の出口俊一氏によると、現役時500kgを超える大型馬であった母ポイントフラッグは産駒が皆大きく、常に脚元の不安に悩まされていたため小柄な種馬であるステイゴールドを配合したが、誕生した本馬は想定に反して大きく産まれたとのことである[3]

1歳10月から日高町にある同牧場育成拠点(旧五輪共同育成センター)に移って本格的な育成を始め、2歳1月からは北海道浦河町の吉澤ステーブルで鍛錬された[4]。その後、当時福島県天栄村にあった吉澤ステーブル福島分場に移りデビュー前調整を進めていたが、3月11日に発生した東日本大震災で牧場が被災し、避難のため一旦浦河町に戻り、そこからさらに石川県小松市の小松トレーニングセンターに移動した後、ようやく須貝尚介厩舎に入厩となった[5][6]

2歳(2011年)[編集]

7月9日函館競馬場芝1800メートル新馬戦秋山真一郎を鞍上にデビュー。単勝2番人気となりレースでは後方から徐々に位置を上げて行くと、最後の直線で先に抜け出し2馬身差を付けていたコスモユッカをゴール直前アタマ差で捕え、2歳コースレコードで新馬戦勝ちを飾った。

コスモス賞では単勝1.2倍の圧倒的な1番人気に支持され、道中中団でレースを進め4コーナー付近から徐々に上がって行くと最後の直線で先頭に立ち、そのまま押し切りデビュー2連勝を飾った。

重賞初挑戦となった札幌2歳ステークスでは、騎手が安藤勝己に変更となった。道中後方2番手でレースを進め、後方のまま直線に入り馬群の内を突いて追い込むも、前を行くグランデッツァを捉え切れず2着に敗れた。

ラジオNIKKEI杯2歳ステークスでは前走同様後方からの競馬となり、道中後方3番手追走から4コーナーで外を捲って進出を開始し最後の直線での勝負となったが、坂を上がってからしぶとく伸びを見せるも内から伸びて来たアダムスピークには届かず2着となり、2歳シーズンを4戦2勝で終えた。

3歳(2012年)[編集]

クラシックシーズン緒戦となる共同通信杯からは、内田博幸に乗り替わりとなった。レースでは3、4番手に付け先行し、そのまま最後の直線に向くと先行策からの逃げ切りを図るディープブリランテを残り100mほどで捕え、重賞初制覇となった。これは須貝厩舎にとっても開業4年目で重賞初勝利であった。

共同通信杯から直行した皐月賞では4番人気に推された。レースは、逃げる2頭が競り合い、後続を大きく引き離す展開となった。本馬は最初のコーナーで最後方に位置するとそのまま馬群を追走し、3コーナーでほぼ最後方から内目のコースを選び進出して行った。このレースでは4コーナーでほとんどの馬が、荒れている上に前日の降雨でコンディションの悪い内寄りの馬場を避け、外に進路を取っていた。しかし、鞍上内田の判断により、本馬だけは大きく開いた内へ突き抜けるように走路を取ると、4コーナーで既に6番手付近まで位置を上げ、直線では上がり3ハロンがメンバー最速となる末脚を繰り出し、後続に2馬身半の差を付けての優勝を果たした[注 1][注 2][注 3][注 4]

日本ダービー

東京優駿は皐月賞で大外から追い込み2着となったワールドエースに次ぎ、2番人気での出走となった。スタート後、鞍上が押して出るも1コーナーでインコース後方の位置取りとなり、向こう正面では外に持ち出し馬群後方に付ける展開となった。そのまま直線に向いて後方8番手付近の位置取りから、大外を追い込むも前に届かず5着に終わり、初めて連を外すこととなった。

クラシック最後の一冠に向けて秋初戦は神戸新聞杯から始動し、僅差ながら1番人気に推された。後方待機から3、4コーナー中間過ぎで追い出しにかかり、追い通しのまま直線半ばまでに先頭に立つとその後は楽な手応えで、2着以下を2馬身半差突き放し勝利した。

菊花賞では東京優駿馬のディープブリランテとの再戦が注目されたが、同馬が直前で屈腱炎を発症し出走を回避したため(同馬はそのまま引退)、本番では単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推された。レースはスタートで一旦気合いを付けてから下げ、2周目向こう上面まで後方2番手で待機策を取った。坂の手前、残り1200m付近から進出を開始し、2周目3コーナーの坂頂上付近で先頭集団に取り付き、4コーナーから直線入り口では持ったまま先頭に立った。直線で追い始めると、後続を寄せ付けずそのまま押し切って勝利し、皐月賞に続いてクラシック二冠目を獲得した。皐月賞、菊花賞の二冠制覇は2000年エアシャカール以来12年ぶり史上8頭目となった。

有馬記念

菊花賞の後はジャパンカップへの出走を見送って年末のグランプリ有馬記念へ直行した。ファン投票では6位に推され、前年の3冠馬オルフェーヴル(ファン投票1位)と3歳ながらジャパンカップを制した3冠牝馬ジェンティルドンナ(ファン投票4位)が回避したこともあり、単勝1番人気(2.8倍)に推された。レースはスタートから最後方を追走し、2周目の3コーナー過ぎから外を進出し、直線で先に抜け出したエイシンフラッシュを捉えて先頭に立つと、追い込んできたオーシャンブルーに1馬身半差をつけて勝利した。同年のクラシック2冠馬がグランプリを制するのは史上初であり、また芦毛馬の制覇も1990年オグリキャップ以来、2頭目(3回目)となった[注 5]

当年はGI3勝を含む6戦5勝の好成績を収め、年度代表馬牝馬三冠ジャパンカップに優勝したジェンティルドンナに譲ったものの、満票で最優秀3歳牡馬に選出された[7]。陣営からは2013年シーズンは国内に専念し、春は阪神大賞典〜天皇賞(春)〜宝塚記念のローテーションで臨むことが発表された[8]

4歳(2013年)[編集]

古馬緒戦となる阪神大賞典は少頭数9頭立てとなった。ゆったりとしたスタートから道中後方を追走し、2周目の3、4コーナーからベールドインパクトと併せる形で徐々に位置を押し上げて最後の直線で早々と先頭に立つと、追い込んでくる他馬を問題にせず、単勝1.1倍の圧倒的支持に応えた。

続く天皇賞(春)も単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に推された。スタートから2周目の3コーナーまでは15番手前後で後方待機し、3コーナー坂の途中付近から鞍上内田が手を動かして、前を捲りに進出して行った。しかし伸びが悪く、4コーナーで既にムチが入り5、6番手で直線を迎えたものの、直線半ばで進路がとれず外に持ち出して体勢を立て直すなど直線で伸びを欠き、フェノーメノの5着に敗れた。レース後は滋賀県信楽町にある吉澤ステーブルWESTへ放牧に出された。

宝塚記念ではファン投票2位に推された。投票1位のオルフェーヴルはアクシデントで回避し、同世代のジェンティルドンナ(ファン投票3位)、フェノーメノ(同4位)が参戦。ゴールドシップが単勝2.9倍、ジェンティルドンナが単勝2.4倍、フェノーメノが単勝3.2倍と人気を占め、「3強」の一角と位置づけられての出走となった。11頭立てでの発走となったレースは、スタート後に後方待機せず押して4番手に付け1コーナーを迎えた。シルポートがハイペースで大逃げし、各馬の位置取りが3コーナーまでほとんど変わらない展開の中、4番手のまま道中を進んだ。残り800メートル付近で仕掛け始め、3、4コーナーから直線にかけジェンティルドンナと併せて上がっていき、直線中程までの叩き合いから残り200メートル手前で一気に伸びてジェンティルドンナを突き放すと、前で粘るダノンバラードも捉え、そのまま3馬身半差をつけて勝利し、GI4勝目を挙げた。

秋は京都大賞典から始動し、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に推された。スタートは余り良くなかったものの押して5番手付近を確保し道中を進むと、3、4コーナーでさらに位置を押し上げ最後の直線で抜け出しを図るも、後ろから追い込んで来たヒットザターゲット等に交わされ天皇賞(春)と同じく5着に敗れた。

その後天皇賞(秋)は回避し、5着に敗れたダービーと同じコースのジャパンカップに参戦した。ジェンティルドンナに次ぐ2番人気に推されたレースでは、ダービーとは異なり最後方から早めに動きロングスパートをかけるが、直線でまったく伸びずジェンティルドンナの優勝を尻目に15着と二桁着順の大敗を喫し、初めて掲示板を外すこととなった。

ジャパンカップの結果を受け、調教師とオーナーサイドの協議の結果、有馬記念では騎手がライアン・ムーアに乗り替わり[9]、更にはブリンカーを着用することとなった。レースでは後方5番手付近を追走し3、4コーナーから徐々に進出を開始するも、後ろから大外を捲って来たオルフェーヴルに軽くかわされると、直線入口ではさらに後ろからウインバリアシオンにも前に入られ、そこから着差を詰めることが出来ず、1着に9馬身半差、2着に1馬身半差の3着に敗れた。

結局春は2勝を挙げたものの秋は3戦全敗となり、当年を6戦2勝で終えた。大敗を喫したジャパンカップから短期間での立て直しにはある程度成功したものの、海外挑戦を明言している来年以降に向けて課題を残す一年となった。

5歳(2014年)[編集]

年明けしばらくは次走の予定、鞍上とも発表されなかったが、前年と同じく阪神大賞典〜天皇賞(春)のローテーションで臨むことが発表され、このうち阪神大賞典では岩田康誠と初コンビを組むこととなった[10]

前年秋未勝利とは言え、実績の違いから阪神大賞典では単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推された。前走同様にブリンカー着用で臨んだこのレースでは、まずまずのスタートから前目の位置を取りに行こうと押して促すと、珍しく行きたがる素振りを見せたが、逃げるバンデの後ろで落ち着かせ道中2番手で追走する。先頭から縦長の隊列のままレースは進み、2周目の3、4コーナー中間付近で後続が一気に差を詰めて来るとそれに合わせて先頭との距離を詰め、その勢いのまま直線入口で早々と先頭に立つと後続との差を更に広げ、2着に3馬身半差を付ける完勝で区切りの10勝目を飾った。

競走成績[編集]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2011.07.09 函館 2歳新馬 芝1800m(良) 10 5 05 07.0(2人) 01着 R1:51.2 (34.9) -0.0 秋山真一郎 54kg (コスモユッカ)
0000.09.10 札幌 コスモス賞 OP 芝1800m(良) 08 4 04 01.2(1人) 01着 R1:53.6 (36.5) -0.1 秋山真一郎 54kg (ニシノカチヅクシ)
0000.10.01 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(稍) 13 5 06 04.5(2人) 02着 R1:50.9 (35.6) -0.1 安藤勝己 55kg グランデッツァ
0000.12.24 阪神 ラジオNIKKEI杯2歳S GIII 芝2000m(良) 16 2 03 05.9(3人) 02着 R2:02.6 (35.3) -0.2 安藤勝己 55kg アダムスピーク
2012.02.12 東京 共同通信杯 GIII 芝1800m(良) 11 3 03 04.1(2人) 01着 R1:48.3 (33.3) -0.3 内田博幸 57kg ディープブリランテ
0000.04.15 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 7 14 07.1(4人) 01着 R2:01.3 (34.6) -0.4 内田博幸 57kg ワールドエース
0000.05.27 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 3 06 03.1(2人) 05着 R2:24.0 (33.8) -0.2 内田博幸 57kg ディープブリランテ
0000.09.23 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400m(良) 15 8 14 02.3(1人) 01着 R2:25.2 (34.5) -0.4 内田博幸 56kg ロードアクレイム
0000.10.21 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 1 01 01.4(1人) 01着 R3:02.9 (35.9) -0.3 内田博幸 57kg スカイディグニティ
0000.12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 7 13 02.8(1人) 01着 R2:31.9 (34.9) -0.2 内田博幸 55kg オーシャンブルー
2013.03.17 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 09 7 07 01.1(1人) 01着 R3:05.0 (36.8) -0.3 内田博幸 57kg (デスペラード)
0000.04.28 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 18 4 08 01.3(1人) 05着 R3:15.1 (37.0) -0.9 内田博幸 58kg フェノーメノ
0000.06.23 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 11 8 10 02.9(2人) 01着 R2:13.2 (35.2) -0.6 内田博幸 58kg ダノンバラード
0000.10.06 京都 京都大賞典 GII 芝2400m(良) 13 8 12 01.2(1人) 05着 R2:23.2 (34.8) -0.3 内田博幸 58kg ヒットザターゲット
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 17 7 13 03.4(2人) 15着 R2:27.5 (34.7) -1.4 内田博幸 57kg ジェンティルドンナ
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 7 14 04.4(2人) 03着 R2:33.8 (37.8) -1.5 R.ムーア 57kg オルフェーヴル
2014.03.23 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 09 1 01 01.7(1人) 01着 R3:06.6 (34.5) -0.6 岩田康誠 58kg (アドマイヤラクティ)
  • 競走成績は2013年3月23日現在

血統表[編集]

ゴールドシップ血統サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系)/Northern Dancer 6.25% 5 x 5、Princely Gift 6.25% 5x5)

ステイゴールド 1994
黒鹿毛 北海道白老町
*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ゴールデンサッシュ 1988
栗毛 北海道白老町
*ディクタス
Dictus
Sanctus
Dronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ

ポイントフラッグ 1998
芦毛 北海道門別町
メジロマックイーン 1987
芦毛 北海道浦河町
メジロティターン
メジロアサマ
*シェリル
メジロオーロラ *リマンド
メジロアイリス
パストラリズム 1987
黒鹿毛 北海道静内町
*プルラリズム
Pluralisme
The Minstrel
Cambretta
トクノエイティー *トライバルチーフ
アイアンルビー F-No.16-h

主な近親[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 共同通信杯勝ち馬が皐月賞を制したのは1994年のナリタブライアン以来、共同通信杯から直行しての勝利は本馬が史上初となった。
  2. ^ 鞍上の内田は菊花賞オウケンブルースリ)、東京優駿エイシンフラッシュ)を過去に制覇しており、この皐月賞制覇によってJRA牡馬クラシック三冠競走の完全制覇を達成した。
  3. ^ 管理調教師の須貝尚介は騎手時代も通じて初のGI制覇となった。
  4. ^ 前年のオルフェーヴルに続き、2年連続で父ステイゴールド、母父メジロマックイーンという血統の馬が優勝した。
  5. ^ オグリキャップは1988年の4歳(現3歳)時にも有馬記念を制覇している。
  6. ^ 須貝彦三厩舎所属で、所有は本馬と同じく小林英一。当時騎手だった須貝尚介にも騎乗経験があり、唯一の勝利はこの須貝が挙げたものである。
  7. ^ 祖母パストラリズムも本馬と同じく小林英一が所有していた。

出典[編集]

外部リンク[編集]