コンテンツにスキップ

ゴールキック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゴールキック (Goal kick) とは、サッカーの試合で攻撃側の選手が最後に触れたボールが相手側のゴールラインから外に出て、かつ得点とならなかった場合に、ゴールエリア内からのキックによって試合を再開させるルールである。

ルール上の規定

[編集]

サッカー競技規則」第16条「ゴールキック」(Goal kick)[1]

ゴールキックが行われる場合

[編集]

攻撃側の競技者が最後にボールに触れ、かつボールが相手側ゴールラインを完全に越えた場合で、得点とならなかった場合。なお、ゴールに入っても得点とならない場合については、他のルールにより規定される。

規定

[編集]
  • ボールは静止していなければならない。
  • ゴールキックは、ゴールエリア内の任意の地点から守備側キッカーによって行われる[注釈 1]。(ゴールラインおよびゴールエリアを囲むラインはゴールエリア内である)
  • キックされたボールが明らかに動いたタイミングからインプレーとなる。
  • 相手側競技者は、ゴールキックが命じられてから、ボールがインプレーになるまでの間は、速やかにペナルティーエリアの外に出ようとしなければならず、かつ、ペナルティーエリア内に入ってはならない。
  • ボールがインプレーになるまで、キッカー以外の競技者はボールに触れることはできない。
  • ボールがインプレーになった後に、他の競技者に触れるまで、キッカーは再びボールに触れることはできない。
  • キックされたボールがインプレーになる前に、競技者[注釈 2]がボールに触れ、またはボールが競技者[注釈 2]に当たった場合は、反則ではなくゴールキックのやり直しとなる[注釈 3]
  • また、ゴールキックがされた時に、ペナルティーエリア内に居た相手側競技者、またはインプレーになる前に同エリア内に入った相手側競技者は、インプレーの前後を問わず、他の競技者がボールに触れるよりも以前に、ボールに触れ、または触れようとし、その他有利となる行為をしてはならない。違反した場合、反則ではなくゴールキックのやり直しとなる。悪質な場合は警告または退場処分となる。
  • ボールが正しくインプレーになる前に、諸ルールの違反やその他のファウルがあった場合、悪質な場合は警告または退場処分となり、ゴールキックが再び行われる。
  • キックされたボールがコーナーポスト、ゴールポストまたはクロスバー、審判などに直接に当たったり、風に吹かれても、ルール適用に変更はない。

キッカー

[編集]

任意の守備側競技者がゴールキックを行うことが出来る。一般的にキッカーは主にゴールキーパーの場合が多いが、フィールドプレーヤーが行ってもよい。

反則

[編集]
  • インプレーになった後、他の競技者が触れる前に、キッカーが(手・腕以外で)再びボールに触れ、またはキッカーにボールが当たった場合
  • インプレーになった後、他の競技者が触れる前に、キッカーが意図的に手または腕で再び触れた場合
    • 反則の起きた場所が自陣側ペナルティーエリアの外側の場合、相手側の直接フリーキックで試合が再開される。
    • 反則の起きた場所が自陣側ペナルティーエリア内の場合、キッカーが自陣側ゴールキーパーの場合には相手側の間接フリーキックで試合が再開される。キッカーがそれ以外の場合、相手側にペナルティキックが与えられる。

ゴールに入った場合

[編集]
  • ゴールキックされたボールが、直接、相手側ゴールラインを完全に越えて相手ゴールに入った場合には、得点となる。[注釈 4]
  • ゴールキックされたボールが、直接、自陣側ゴールラインを完全に越えて自陣ゴールに入った場合には、相手側の得点にはならず、インプレーになっていなければゴールキックのやり直し、インプレーになっていれば相手側のコーナーキックとなる[注釈 5]
  • 上2つの規定は、コーナーポスト、ゴールポストまたはクロスバー、審判などに直接に当たったり、風に吹かれても、ルール適用に変更はない。

審判員のシグナル

[編集]

ボールが明白にゴールラインを越えた場合、副審は、旗を水平にしてゴールエリアを指し示す。なお、ボールがゴールラインを越えたかどうか明白でないが、ボールが完全にゴールラインを越えた場合には、プレイが停止するまで、適宜、旗を上に上げる。ゴールキックから正しくインプレーになるまで諸ルールの違反やその他のファウルがあった場合も、プレイが停止するまで、適宜、旗を上に上げる。

主審は笛のあと(ペナルティーマークに駆け寄らずに)腕を下向きにしてゴールエリアを指し示す。

その他

[編集]

ゴールキックから直接ボールを受けた時は、オフサイドの反則は適用されない。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 以前は、ゴールエリアの左右半分のうち、ボールがアウトオブプレーになった側の半分とされていたが改正されてゴールエリア全体の任意の地点となった
  2. ^ a b キッカーを含む
  3. ^ この場合、自陣側ゴールキーパー以外の競技者が意図的に手や腕で触れた場合も、インプレーになっていないので、ゴールキックのやり直しとなる(後述)
  4. ^ 1997年以前は、得点が認められず、間接フリーキック等と同様の扱いであった。
  5. ^ ゴールキック後、インプレーになり、他の競技者がルール違反なく触れた以降は(直接ではないため)適用されない。

出典

[編集]

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]