コールド・ターキー
「コールド・ターキー」 | ||||
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プラスティック・オノ・バンド の シングル | ||||
初出アルバム『シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡』 | ||||
B面 |
京子ちゃん心配しないで (Don't Worry Kyoko (Mummy's Only Looking for a Hand in the Snow)) | |||
リリース | ||||
録音 |
1969年9月30日![]() アビー・ロード・スタジオ2 | |||
ジャンル |
ハードロック[1] ブルースロック[2][3] | |||
時間 | ||||
レーベル | アップル | |||
作詞・作曲 | ジョン・レノン | |||
プロデュース |
ジョン・レノン オノ・ヨーコ | |||
チャート最高順位 | ||||
プラスティック・オノ・バンド シングル 年表 | ||||
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「コールド・ターキー」(Cold Turkey、邦題:冷たい七面鳥)は1969年にジョン・レノン率いるプラスティック・オノ・バンドの第2弾シングルとして発表した曲である。
解説[編集]
前作の「平和を我等に」では作詞・作曲をビートルズ時代から使用していたレノン=マッカートニー名義で発表していたが、本作でジョン・レノンは作詞・作曲をジョン・レノン個人名義で発表した。以降個人名義で発表しており本作はジョン・レノン個人名義でのデビュー作品にあたる。B面はオノ・ヨーコ作の曲「ドント・ウォーリー・キョーコ」(邦題は「京子ちゃん心配しないで」)。ジャケットはジョン(表)とヨーコ(裏)の頭部レントゲン写真。
本作は1969年9月13日、カナダ・トロントで行われたロック・フェスティヴァルにエリック・クラプトンらとザ・プラスティック・オノ・バンドとして参加したステージで初めて披露され、ライヴ・アルバム『平和の祈りをこめて』にも収録された。本作に対する聴衆の受けは悪く演奏後にジョンは悪態をついているが、アルバムからはカットされている。9月30日、同じくエリック・クラプトンやリンゴ・スターらとともにスタジオ録音が行われた[7]。自然発生的に演奏されて完成されたように聞こえるが、実際のところは50回以上ものテイクを繰り返した末に完成されている。
本作のタイトルは直訳すれば邦題通り「冷たい七面鳥」という意味であるが、スラングでは「(ヘロインなど薬物中毒の)禁断症状」 といった意味合いになる。ジョンはこの曲をビートルズの曲として発表しようと考え、他のメンバーに提案したがポール・マッカートニーを始めとして、ジョージ・ハリスンやリンゴ・スターにも「冗談じゃない」と反対され[8]、結局プラスティック・オノ・バンドの曲として発表せざるを得なかったと語っている[9]。本作は麻薬の効果が切れた際に生じる苦しみや呻き声が描かれたものであるが、ジョン以外の3人はこの曲を単なるドラッグ・ソングだと解釈して反対したとされている。このような誤解は放送関係者にもあって、楽曲が発表された際に「ドラッグ・ソングであること」を理由にBBCなど英米の放送局で放送禁止指定を受けてしまった。しかし、そうした放送禁止指定を受けながらも本作は英米のチャートで最高14位に入るヒット作品となった。
なおジョンは発表された年にMBE勲章を英国王室に返上しているが、その理由のひとつに、この曲のチャート順位が下がりつつある事を挙げている。
演奏ミュージシャン[編集]
- ジョン・レノン - ボーカル、リードギター、リズムギター
- エリック・クラプトン - リードギター
- クラウス・フォアマン - ベース
- リンゴ・スター - ドラムス
収録アルバム等[編集]
- 平和の祈りをこめて
- スウィート・トロント (DVD)
- サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ
- 決定盤ジョン・レノン〜ワーキング・クラス・ヒーロー
- シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡
- ラヴ〜アコースティック
- レノン・レジェンド〜ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジョン・レノン
カバー[編集]
チープ・トリックは、1994年に2回カバーしている。1回目の音源はトリビュート・アルバム『Working Class Hero: A Tribute to John Lennon』、2回目の音源は『Bun E.'s Basement Bootleg albums』に収録されている。
アリス・クーパーが率いるバンド「Hollywood Vampires」は、2015年9月11日に発売したデビューアルバムで、この楽曲をカバーしている[10]。
脚注[編集]
- ^ David Luhrssen; Michael Larson (2017-02-24). Encyclopedia of Classic Rock. ABC-CLIO. p. 209. ISBN 978-1-4408-3514-8
- ^ Richie Unterberger (25 October 2014). The Unreleased Beatles: Music and Film (Revised & Expanded Ebook Edition). BookBaby. p. 919. ISBN 978-0-9915892-6-5
- ^ Doyle Greene (2016-03-02). Rock, Counterculture and the Avant-Garde, 1966–1970: How the Beatles, Frank Zappa and the Velvet Underground Defined an Era. McFarland. p. 63. ISBN 978-1-4766-2403-7
- ^ “JOHN LENNON | Artist”. Official Charts. 2019年1月1日閲覧。
- ^ “Allmusic - John Lennon - Billboard Singles”. 2019年1月1日閲覧。
- ^ “De Nederlandse Top 40, week 50, 1969”. 2019年1月1日閲覧。
- ^ 録音日は9月25日とするものや、ドラムスはアラン・ホワイトとする説もある。
- ^ Noyer, Paul Du (2010). “John Lennon/Plastic Ono Band”. John Lennon: The Stories Behind Every Song 1970–1980 (Rev. ed.). London: Carlton Books Ltd.. p. 27. ISBN 978-1-84732-665-2
- ^ Brown, Peter. The Love You Make: An Insider's Story of The Beatles. McGraw-Hill, 1983. New American Library, 2002. 331.
- ^ Murphy, Kevin: "The vampire diaries"; Classic Rock #216, November 2015, p33