コールアウト・カルチャー

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コールアウト・カルチャー英語: call-out culture)または アウトレイジ・カルチャー英語: outrage culture[1]とは、の形式のひとつである[2]。あるコミュニティの成員が犯した悪事を特定し、その人物を公的に呼び出して、恥じ入らせたり罰したりする行為を指す[2]

概要[編集]

フェミニズムにおけるコールアウト・カルチャーの狙いは、問題があると思われる言動(通常は、性差別ミソジニーなどに基づく日常の行為)への注意を喚起することによって、個人や集団に説明責任を負わせることである[3][4]。これは2021年の日本でも起きた[5]

ジョナサン・ハイトグレッグ・ルキアノフ英語版は、コールアウト・カルチャーは「セーフティイズム」(英語: saftyism)と彼らが名づけた概念に起源を持つ、と述べている[2]。この概念は、「言葉を暴力として捉えたり、正しいか間違っているかでなく安全か危険かで意見や話者を判断したりすることを学生たちに教えるもの」である、という[2]。ハイトとルキアノフは、アメリカ合衆国の学生たちの大半がコールアウト・カルチャーを嫌悪している、と主張している[6]。一方、モイラ・ウィーゲルは、2人が導きだした結論は高校生や大学生との対話に基づいているだけのものである、と指摘している[6]

マイケル・ベルーベ英語版は「『コールアウト・カルチャー』や、傷つきやすい集団の味方として人々が善意を示す『アライ・シアター』(英語: ally theater)と呼ばれる事象は、大抵の場合、ソーシャルメディアでの投稿やツイートを撤回したり削除したりすることを要求するような怒りの感情を増幅させている」と述べている[7]

バラク・オバマは、2019年10月29日に行われたオバマ財団のサミットのスピーチにおいて、コールアウト・カルチャーを批判した[8]。オバマはコールアウト・カルチャーが一部の若者にしばしば用いられ、それがSNSで加速することを取り上げて、これは変化をもたらすものではないことを指摘した[8]。また、「絶対に妥協しない、常に政治的・社会的な正しさに対する意識を高くといったこの純粋な考え方…… これを一刻も早く乗り越えるべきだ」と述べた[8]

脚注[編集]

  1. ^ DiManno, Rosie (2019年11月1日). “If you're angry at Obama's criticism of outrage culture, you're missing the point”. Toronto Star. 2019年11月8日閲覧。
  2. ^ a b c d Haidt, Jonathan; Lukianoff, Greg (2018). The Coddling of the American Mind: How Good Intentions and Bad Ideas Are Setting Up a Generation for Failure. New York City: Penguin Press. ISBN 978-0-73522489-6. OCLC 1007552624 
  3. ^ Sills, Sophie; Pickens, Chelsea; Beach, Karishma; Jones, Lloyd; Calder-Dawe, Octavia; Benton-Greig, Paulette; Gavey, Nicola (2016-11-01). “Rape culture and social media: young critics and a feminist counterpublic”. Feminist Media Studies 16 (6): 935–951. doi:10.1080/14680777.2015.1137962. ISSN 1468-0777. https://doi.org/10.1080/14680777.2015.1137962. 
  4. ^ Munro, Ealasaid (2013-09-01). “Feminism: A Fourth Wave?”. Political Insight 4 (2): 22–25. doi:10.1111/2041-9066.12021. ISSN 2041-9058. https://doi.org/10.1111/2041-9066.12021. 
  5. ^ 高学歴の専業主婦がセレブバイト?大学教授のツイート炎上から学ぶ現実”. dot.asahi.com. dot.asahi.com. 2021年8月21日閲覧。
  6. ^ a b Weigel, Moira (2018年9月20日). “The Coddling of the American Mind review – how elite US liberals have turned rightwards”. The Guardian. 2019年11月8日閲覧。
  7. ^ Bérubé, Michael (January 2018). “The Way We Review Now”. Publications of the Modern Language Association of America 133 (1): 132–138. doi:10.1632/pmla.2018.133.1.132. 
  8. ^ a b c Bostock, Bill (2019年11月1日). “「できるだけ他者に手厳しく」という風潮は、本当の変化をもたらさない —— オバマ前大統領が警鐘” (日本語). www.businessinsider.jp. 2020年7月3日閲覧。

関連文献[編集]

関連項目[編集]