コンテンポラリー・ワーシップ・ミュージック

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コンテンポラリー・ワーシップ・ミュージック日本語で「現代的礼拝音楽」の意味、英語: Contemporary worship music, 略称CWM)は過去60年間で発展した、ポップ・ミュージックと同様のスタイルのキリスト教音楽のジャンルである。プレイズソング(praise songs)ワーシップソング(worship songs)とも言及され、日本ではゴスペルソングとも言われる。典型的に、ギター奏者リードのワーシップバンドによって導かれる。今日、教会で歌われる一般的な音楽のジャンルの一つである。最初に教派的と非教派的のプロテスタント教会で用いられた。ある曲はもっと伝統的な讃美歌の特徴を持っている。

概要・歴史[編集]

1950年代と60年代に教会は、若者に対する伝道を特別に強調するようになった。大学生のキリスト者連合が、福音的話と聖書の教えをメンバーに提供した。クリスチャン喫茶店が福音的な目的のために、開かれて教会の若者のグループが作られた。

あるクリスチャンは教会の構造の典型的な姿、形式的で若い世代ににぶいアピールなどからの打破が必要と考えた。無神論の典型的な、ポピュラーソングの習慣を借りることによって、クリスチャンの詩を通してなされる聖書の主張を言い直した。このように、キリスト教は時代錯誤でも関係でもないというメッセージを発信した。ザ・ジョンストリングは、救世軍の制服を着て、クリスチャンのビート音楽を演奏した、テレビに登場した最初のクリスチャン・ポップ・グループである。アメリカのジーザス・ピープルは、特別な影響を与えた。ジーザス・ミュージックとして言及される、クリスチャンの詩のスタイルでの、独自の音楽カルチャーを創造した。その後、多くのクリスチャン・ロックが発生し、世界規模に発展したクリスチャン音楽のビジネスも存在する。

詳細・神学と歌詞[編集]

CWMはカリスマ運動と密接な関係にあり、歌詞の内容や、時には音楽的な要素もその神学を反映している。カリスマ運動は特に聖霊、神との個人的な邂逅や関係、およびアガペーの愛を重視することが特徴である。

歌詞では、関係を表す表現に口語や親称表現が用いられる。「私達」"we" や「神」"God" に代わって「私」"I"「あなた」"You" といった語彙が用いられることが多く、ポップスのラブソングと似たような歌詞をもつものもある。俗語や命令形なども使用されており、こうしたくだけた表現は神との個人的関係を強調するカリスマ運動の神学の現れである。また「両手をあげる」「踊る」「歌う」といった身体の動作を表す歌詞も多く、ドラムスによりポップスのリズムが加わることで全身での礼拝を促す曲が構成される。歌詞の隠喩表現は主観的で誤解される危険性があり、上記のような神との個人的関係の強調は、必ずしも知的な理解と同等なものではない。

CWMは会衆で歌われる故に、近づきやすさには実践的、神学的な強調がある。すべての会衆が音楽の創造に全体的に貢献するために、彼らの個人的な神への讃美を表現する場として歌を使う。

ワーシップ音楽の種類[編集]

プレイズ・ソング(Praise Song)[1]
プレイズは賛美、賞賛などの意味がある。主には礼拝の最初に置かれる。早いビートや躍動的なビートで、多くのケースではクラップ(手拍子)を伴って歌われ、礼拝の開始を華やかに盛り上げる機能を担う。一人〜数人のシンガーによってリードされ、会衆が追いかける形が一般的。クワイアーによってではなく会衆によって歌われるので、曲は単純なフレーズの繰り返しか、アフリカ系アメリカ人クリスチャンの間で良く知られた曲である。「さあ共に賛美しよう(感謝しよう、喜ぼう)」と言った内容の多い歌詞の中で、神は「彼(He)」として三人称で歌われる事が多い。代表曲に「Oh Magnify The Lord」, 「Glory Glory」等がある。
ワーシップソング(Worship Song)[2]
ワーシップは礼拝、崇拝、尊敬などの意味を持つ。通常はプレイズの直後におかれるセクションで、会衆はより内向的になる。この時会衆がめいめいに手を広げたり、祈るように手を合わせたり、目を閉じたり、天を見上げたりしながら歌う姿が多く見られる。ゆったりとした曲調で、やはり単純なフレーズが繰り返される事が多い。多くのケースで神はYou, Lord, など、二人称で扱われる。代表曲は 「Thank You Lord」, 「Halleluja」 等
インスピレーショナル(Inspirational)・ミュージック
牧師による説教の直前に置かれる事が一般的で、会衆ではなくクワイアーで歌われるのは主にこのセクション。聖書の内容に基づいて他者を励ますようなメッセージを歌ったりする。プレイズ的な内容、ワーシップ的な内容のインスピレーショナルソングもあり、また、スピリチュアルとして良く知られた歌詞を現代的にアレンジした曲等もある。会衆ではなくリハーサルを積んだクワイアーによって歌われ、今日では多くの著名なソングライターが作曲、出版もされている。
オルターコール(Altar Call)
オルターコールは1880年代にフランスで生まれた。「Just as I am」という曲が有名である。キリスト教に入信していないが入信に関心のある人や、信者の中でも精神的ストレスを抱えた人を牧師が祭壇(オルター)へ呼ぶ。ここで歌われる歌の内容は、「神にすべてを捧げます」、「神よ、私はクリスチャンになりたいです」と言ったものが代表的。曲調は穏やかだが、オルターは20世紀には、アメリカのキリスト教右派・保守派のビリー・グレアムによって利用された。
オファリング/自由献金(Offering)
礼拝の中間部に置かれ、会衆に教会への寄付を求める。「祝福を求めるなら貧しきに与えねば」と寄付の価値を強調したり、「神はいかに私の人生に良くしてくれた事か」、等、神の恩恵を思い起こさせる内容の曲がここで好んで歌われる。
コミュニオン/聖餐(Communion)
聖餐については別項目参照。キリストの血の価値について語られる歌をもちいる。ここで歌われる事のある曲目は機能が限定されているため通常は礼拝の他のセクションでは用いられない。教会の宗派、牧師ごとのスタイルによって、明るい曲調も、ゆったりとした曲調もある。

ワーシップ・バンド[編集]

リード歌手と、リード・ギタリストまたはオルガンなどのキーボード演奏者がいれば、バンドを必要としない。彼らの役目は、ワーシップ音楽にサウンドを提供する事であり、礼拝をサポート役である。大きな教会では、ワーシップ・リーダーを雇うこともある。

CWMの批判[編集]

ワーシップ音楽への批判としては、ゲイリー・パレットによる音楽の音量が会衆の参加を減退させ、パフォーマンスになってしまうという意見がある。 その一方で、コンテンポラリー・クリスチャンミュージックの使用は、世界の教会においても見られる。

世界の著名な音楽家[編集]

日本の著名な音楽家[編集]

グループ[編集]

ソロ歌手[編集]

歌集[編集]

  • 『プレイズアワー』ミクタム(1983年)
  • 『プレイズアワーⅡ』ミクタム(1988年)
  • プレイズ&ワーシップ」ミクタム
  • 友よ歌おう」、山内修一
  • プレイズワールド」いのちのことば社(1992年)
  • 『ゴスペル・ミュージック』
  • 『喜び歌おう』
  • 『ハレルヤ賛美しよう』いのちのことば社(1988年)
  • 「Exalt Him!」ゴスペル・ミュージック・エクスプレス(1992年) 
  • 「魂歌 -TAMAUTA-」Growing Up
  • 「永久歌 -TOWAUTA-」Growing Up
  • 「心から」Praise Station
  • 「僕らのすべて」Acts 2:44
  • 「To the King」Acts 2:44
  • 「声」C.H.O.P.
  • 「都/旗」C.H.O.P.

参考文献[編集]

  • ロビン・シェルドン編集(Sheldon, Robin (ed.)), 『In Spirit and in Truth: Exploring Directions in Music in Worship Today(霊にあって、真理にあって、今日の礼拝の音楽の方向の探求)』, ロンドン, 1989年
  • アンドリュー・ウィルソン=ディクソン(Wilson-Dickson, Andrew,)『A Brief History of Christian Music(キリスト教音楽の簡略史)』, オックスフォード, 1997年

関連項目[編集]

脚注[編集]