コロナ (住宅関連機器メーカー)

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株式会社コロナ
CORONA CORPORATION
本社 左:三条工場 中央:技術開発センター
本社 左:三条工場 中央:技術開発センター
種類 株式会社
市場情報
東証スタンダード 5909
2000年3月1日上場
本社所在地 日本の旗 日本
955-8510
新潟県三条市東新保7番7号
設立 1950年7月3日
業種 金属製品
法人番号 5110001014116 ウィキデータを編集
事業内容 暖房機器、空調・家電機器、住宅設備機器の製造販売
代表者 小林一芳(代表取締役会長
大桃満(代表取締役社長
資本金 74億4,900万円
(2019年3月期)[1]
発行済株式総数 2,934万2,454株
(2019年6月27日現在)[1]
売上高 連結:831億9,500万円
単独:771億2,400万円
(2019年3月期)[1]
営業利益 連結:16億3,900万円
単独:9億7,600万円
(2019年3月期)[1]
経常利益 連結:19億2,600万円
単独:15億7,700万円
(2019年3月期)[1]
純利益 連結:12億4,800万円
単独:11億3,700万円
(2019年3月期)[1]
純資産 連結:728億6,500万円
単独:689億300万円
(2019年3月期)[1]
総資産 連結:993億5,200万円
単独:977億2,200万円
(2019年3月期)[1]
従業員数 連結:2,320[82]名
単独:1,751名
(2019年3月31日現在)[1]
決算期 毎年3月31日
会計監査人 有限責任あずさ監査法人
主要株主 株式会社コロナ興産 37.83%
公益財団法人内田エネルギ-科学振興財団 8.07%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.91%
株式会社第四北越銀行 4.51%
コロナ社員持株会 3.57%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 1.31%
内田 力 1.30%
外山産業株式会社 1.26%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) 1.10%
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社 0.95%
(2023年9月30日現在)
主要子会社 新井コロナ 100%
今町コロナ 100%
栃尾コロナ 100%
コロナサービス 100%
コロナ物流 100%
コロナリビングサービス 100%
コロナファイナンス 100%
関係する人物 内田鐡衛(創業者)
外部リンク https://www.corona.co.jp/
特記事項:経営指標は 2019年3月期 第71期 有価証券報告書
従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載している。
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株式会社コロナ: CORONA CORPORATION)は、新潟県三条市に本社を置く、暖房機器・暖房器具や住宅設備機器などの製造販売を行う電機メーカーである。東京証券取引所スタンダード市場上場。

企業理念は、「あなたと共に夢...新たなライフシーン...を実現しお客様に喜んでいただけるコロナ」。

CIは「つぎの快適をつくろう。」。

概要[編集]

石油ストーブ石油ファンヒーターなどの暖房器具をメインに、エアコン除湿機加湿器を始めとする空調機器、また給湯器温水器など住設機器の製造・販売を行っている。最近では自然冷媒ヒートポンプ式給湯機エコキュート事業にも力を入れており、世界で初めてエコキュートを販売するなどシェアを拡げつつある。同じく新潟県が本社のダイニチ工業とは創業地が同じ三条市であり、石油暖房機器分野でシェア争いを続けている。

暖房機器のイメージが強いが、かつて冷蔵庫電子レンジ洗濯機掃除機、といった家電の製造販売もしていた時期がある。

2005年3月をもって松下電器産業(現・パナソニック)が石油暖房機器製造から撤退したことに伴い、ナショナルショップ(現・パナソニックショップ)にもコロナ製石油暖房機器が供給されるようになった。

社名[編集]

社名である「コロナ」はコンロの青い光がコロナ放電の色と似ていることや太陽の大気であるコロナのイメージから、石油暖房機を象徴的に表現するのに相応しいとして、石油コンロのブランド名として、創業者である内田鐡衛が考案し、命名。1935年(昭和10年)に商標登録した[2][3][4]。その後、独自技術という財産をブランド価値として、さらに高めるために、1992年(平成4年)4月に社名を「株式会社内田製作所」から現在の「株式会社コロナ」に変更した[2]

ところが、2019年以降、新型コロナウイルス(COVID-19)が流行する事態が発生したことで「社名が新型コロナウイルスを連想させる」と言う風評被害を被ることとなった[4][5][6]。これに関し、不安を感じる同社社員やその家族がいるとの報告を受けた小林一芳社長は「そもそもは、コロナは、太陽のコロナなんだと社員や子どもたちに伝えなければならない」と考え、コロナ社長名で「コロナではたらくかぞくをもつ、キミへ」と題して、主に社員の子どもに対して「両親に誇りを持ってほしい」との思いを込めた新聞広告地元紙である新潟日報に出稿し、2020年6月13日付の朝刊に掲載した[4][5][6]。この新聞広告は、以下の文言で締め括られている[7]

キミのじまんのかぞくは、コロナのじまんのしゃいんです。 — かぶしきがいしゃコロナのしゃちょう

これが掲載されるや否や、すぐさま取材の申し入れがあり、6月15日の午前中に民放テレビ4社とNHKの同時取材を受け、さらに全国のメディアが取り上げた。全国から励ましのメッセージが届き、中には小学校の教員や校長がこの題材を取り上げ、子どもたち全員で書いた手紙が届いたりするほど反響があった[7]

2023年5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上における位置づけを5類感染症に移行させることから、厚生労働省は同ウイルスの名称変更を検討。これを受けて、コロナ社長の大桃満はウイルスの名称を世界保健機関(WHO)が制定した「COVID-19」に変更するよう、同省に要望した。しかし、厚生労働省の専門部会は「既に『新型コロナウイルス』の名称が国民に定着している」などとして、引き続き現在の名称を使用することを2023年3月13日に発表した[8]

沿革[編集]

  • 1937年(昭和12年) - 創業者内田鐡衛石油コンロの製造工場として新潟県三条市南新保に内田製作所を設立。
  • 1950年(昭和25年) - 商号を株式会社内田製作所に改組。
  • 1955年(昭和30年) - 加圧式石油ストーブの生産を開始。
  • 1973年(昭和48年) - 石油給湯器市場に参入。
  • 1974年(昭和49年) - 営業部門を分離し、コロナ販売株式会社を設立。
  • 1979年(昭和54年) - エアコンなど空調機器市場に参入、石油ファンヒーターの生産を開始。
  • 1985年(昭和60年) - 白物家電事業に参入。
  • 1992年(平成04年) - 株式会社内田製作所とコロナ販売株式会社が合併し、商号を現在の株式会社コロナに変更。
  • 1996年(平成08年) - 当時の新潟証券取引所に株式上場。
  • 1999年(平成11年) - 本社及び三条工場がISO 9001の認証を取得。
  • 2000年(平成12年) - 東京証券取引所市場第二部に株式上場。証券コード5909。
  • 2000年(平成12年) - 白物家電事業から撤退。
  • 2001年(平成13年) - 東京電力デンソーと共同開発にてエコキュートを世界で初めて販売。
  • 2005年(平成17年) - 松下電器産業(現・パナソニック)の石油暖房機器製造撤退に伴い、ナショナルショップ(現・パナソニックショップ)にもコロナ製石油暖房機器を供給開始。
  • 2006年(平成18年) - 東京証券取引所市場第一部に昇格。
  • 2007年(平成19年) - 東京・横浜・高崎の3支店を統合、再編し、首都圏支店(東京都北区)並びに北関東支店(埼玉県さいたま市)を開設。
  • 2008年(平成20年) - ナノミストサウナを同年8月から発売すると発表。
  • 2015年(平成27年) - 「GeoSIS HYBRID(ジオシスハイブリッド)」が省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞を受賞。
  • 2019年(令和元年) - 「コロナエコ暖クールエアコン」が地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞。
  • 2021年(令和03年) - ブランドアンバサダーに福本莉子を起用。
  • 2023年(令和5年) - アウトドア向けブランド「OUTFIELD(アウトフィールド)」を設立。

主な製品[編集]

  • 暖房器具
    • 石油ファンヒーター
    • FF式石油暖房機
    • ポット式石油ストーブ
    • 芯式石油ストーブ
      • 反射式の品番は「SX」で、対流式の品番は「SL」でそれぞれ始まっており、高圧放電点火採用機種は品番数字に「E」を冠して「SX-Eシリーズ」としている。反射式ストーブ現行モデルは(ヒーター切れの心配がなく確実に着火する)高圧放電点火(単2乾電池4本使用・アルカリ乾電池を推奨)が主流となっており、(単1乾電池を2本用いる)従来型フィラメント点火ヒーター採用機種のラインナップは大幅に縮小(対流式ストーブ「SLシリーズ」は2018年現在も全機種が「従来型フィラメント点火ヒーター」を採用・単1乾電池を2本入れるケースはカバー付き)。芯調節つまみは(従来の上下式を全廃し)回転式に統一され、従来型よりサイズ(直径)が大きくなり回しやすくなっている。反射式ストーブの灯油タンクは全機種「カートリッジ式」に統一され、給油時に手が汚れない「よごれま栓」・万一タンクが倒れても灯油がこぼれない「こぼれま栓」・燃焼中にタンクを抜くと瞬時に芯を下げて強制消火すると共に、タンク未装着時は芯が上がらず点火できなくすることで(灯油漏れによる)火災を未然に防ぐ「給油時自動消火装置」をそれぞれ採用して安全性を高めている(燃焼中にタンクを抜いての強制消火は「緊急消火」モードになるため、芯調節つまみを「臭いセーブ消火」位置まで手動で動かす通常消火に比べ消火時の臭いが強くなる。対流式ストーブの灯油タンクは本体内蔵式で給油時自動消火装置非搭載)。カートリッジタンク蓋は(従来のねじ式を全廃し)「つまみで固定するばね式」に統一され、蓋がきちんと閉まったか否かを目視で確認可能な「カラーサイン」が搭載されている(蓋がきちんと閉まれば「青」を表示。つまみを手前に引けば蓋は瞬時に全開。蓋は紛失防止のため軸となる片側を常にタンク本体へ固定する「落ちない灯油蓋」を採用。強い衝撃などにより蓋が変形して閉まらなくなった場合はタンク本体の交換が必要)。灯油残量が半分以下になると(油切れの約2時間前より)表示される「給油サイン」は全機種「カラーサイン式」を採用している(灯油が多い時は本体キャビネットと同じ色で、少なくなると赤色表示。カートリッジタンクには灯油を溢れさせないための「満量サイン」があり、油が入ると黒く変化。本体内蔵タンク式機種は油量計による直接表示)。
    • サロンヒーター
    • 加湿器
  • 空調機器
    • エアコン 
      • 現在も家庭用エアコンで冷房専用モデルを販売しており、暖房はストーブ等を使う者から根強い人気がある。
    • 冷風機
    • 除湿機
  • 住宅設備機器

過去[編集]

CMに起用された著名人等[編集]

  • 田中邦衛 - かつて石油ファンヒーターのCMに出演した俳優
  • ポール牧 - かつて小型石油ファンヒーター「よごれま栓」シリーズのCMに出演した俳優
  • 佐藤藍子 - 1997年にエアコンのCMに出演した女優
  • 初音映莉子 - 1999年〜2001年にかけてエアコン「異風人」、寒冷地用大型ストーブ「スペース21」、石油ファンヒーター「よごれま栓」シリーズのCMに出演した女優
  • ウルトラマン - 1999年〜2009年頃にかけて石油ファンヒーター「ウルトラサイン」シリーズのCMに出演したキャラクター
  • 野口五郎 - 2000年にエアコン「異風人」のCMに出演した歌手
  • 長澤まさみ - 2002年に石油ファンヒーターのCMに出演した女優
  • 山本美月 - 2013年〜2014年にかけて「ナノリフレ」のCMに出演した女優
  • 福本莉子 - 2021年からエアコン「ReLaLa(リララ)」、オイルレスヒーター「NOILHEAT(ノイルヒート)」のCMに出演している女優(2023年3月現在)

提供番組[編集]

2023年令和5年)8月現在
過去

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 両社のカタログの構成もコロナとほとんど同じ。前者は延長保証はコロナのサービスがそのまま、後者は一部にコロナの機種がそのまま。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 株式会社コロナ 第71期 有価証券報告書”. EDINET (2019年6月27日). 2019年6月29日閲覧。
  2. ^ a b コロナの歴史”. 株式会社コロナ. 2020年7月14日閲覧。
  3. ^ コロナの由来”. 株式会社コロナ. 2020年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c 長橋亮文 (2020年6月13日). “コロナではたらくかぞくをもつキミへ コロナ社長が広告”. https://www.asahi.com/articles/ASN6D7X9FN6CUOHB018.html 2020年7月14日閲覧。 
  5. ^ a b コロナではたらくかぞくをもつ、キミへ株式会社コロナ 社長から社員とその家族にエール”. PR TIMES (2020年6月13日). 2020年7月14日閲覧。
  6. ^ a b コロナ、社員家族に広告でエール”. 新潟日報 (2020年6月13日). 2020年7月14日閲覧。
  7. ^ a b NIIKEI【インタビュー】(株)コロナ(新潟県三条市)代表取締役社長 小林一芳氏「励ましの手紙全国から」2020-10-09”. 2022年1月2日閲覧。
  8. ^ 日本テレビ (2023年3月15日). “社名が「コロナ」暖房器メーカー 「新型コロナ」名称変更を要請 厚生労働省は…”. 日テレNEWS. 2023年3月18日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]