ゲームマーケット

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ゲームマーケットは、『電源不要ゲーム』のみを対象とした有料[注釈 1]のゲームイベントである。東京では年2回春と秋に開催される。第1回開催は2000年4月2日。現在の会場は東京ビッグサイト。また関西地方でも年1回開催されている。

概要[編集]

「ゲーム系」同人の中でも比較的マイナーなジャンルとされる[1]遊ぶのに電源を必要としないゲーム(アナログゲーム[注釈 2]にジャンルを限定したイベントで、同人系・商業系問わず多数のブースが出展されている。

参加者の年齢層は幅広く、一般参加者には親子連れも多く、低年齢層でも楽しめる専用のブースやフリースペースが設けられている。[注釈 3]入場者数は、第1回の2000年は約400人[注釈 4]であったが、2010年(約2200人)あたりから加速度的に増えており、2016春には初めて入場者が1万人を突破した(約11000人)。[2]2017秋からは、更なる参加者の増加に鑑み、2日間の開催となっている。[3][4]2017秋の入場者数は、1日目が約10000人、2日目が約8500人。[5]ゲームマーケット事務局の責任者である刈谷圭司は、日本におけるアナログゲーム文化を根付かせるために「参加者を5万人くらいにしたい」と語っている。[6]

業界関係者の来場やブース参加も多く、安田均鈴木銀一郎をはじめとした著名な業界人なども来場またはブース参加している。またアークライト直営ゲームショップ「Role&Roll station」、ホビージャパン冒険企画局グループSNEホビーベースイエローサブマリンメビウスゲームズ書泉のほか、名古屋や広島のボードゲームショップなどもブース参加している。

創設者は、ゲーム研究家であり、アナログゲームサークル「なかよし村とゲームの木」の主宰も務めている草場純である。2009年までは、彼を中心とした有志による「ゲームマーケット準備会」が主催・運営していた。参加者の増加に伴い、2010年からは主催がアークライトに変わり、運営システムも「ゲームマーケット事務局」が中心となるなど大きく変更が加えられた。

会場の変遷[編集]

各開催ごとの会場、開催日、入場者数などの詳細は、公式サイトの過去の開催データのページを参照のこと。

2000年:カンダパンセ(閉館)
2001年〜2012年:台東区民会館(→東京都立産業貿易センター台東館[注釈 5]
開催年により開催スペースが異なる。規模の拡大により、2008年からは会場を2階に分け、2009年は開催前日にプレイベントが行われた。当初は春のみの開催だったが、2011年からは秋のテーブルゲームフェスティバル[注釈 6]を置き換え、春と秋の年2回開催となった。
2013年〜:東京ビッグサイト[注釈 7]
開催規模の更なる拡大、および都立産業貿易センターの修繕による休館に伴い、当初2014年からの会場の移転が予告されていたが、2012秋の盛況に鑑みて予定を前倒しし、2013春はブシロードの協力により会場を東京ビッグサイト西3ホールに移して開催された。[注釈 8][7]2017秋は、12月2日、3日の2日間にわたり、東7ホールで開催。[3]2018春は、5月5日、6日の2日間にわたり、西3・4ホールで開催予定。[4]

関西地方での開催[編集]

2012年より、関西地方にて年1回、2月から4月にかけて開催されている。開催規模の拡大に伴い、以下のように会場が変遷している。

2012年〜2014年:『ゲームマーケット大阪』大阪マーチャンダイズ・マートビル
2015年:『ゲームマーケット大阪』花博記念公園鶴見緑地内ハナミズキホール(水の館ホール)
2016年〜2017年:『ゲームマーケット神戸』神戸国際展示場3号館
2018年:『ゲームマーケット大阪』インテックス大阪(開催予定)
4月1日に開催予定。[8]

主に扱われる作品[編集]

上記の通り、電源を使わないゲーム(アナログゲーム)が扱われている。[注釈 9]

ブースは、企業・一般のサークル・個人を問わず出展が可能である。[注釈 10]出展内容も、商業作品や同人(オリジナル)ゲーム、上記のゲームを題材とした解説書や二次創作同人誌、さらにはテーブルトークRPG用のフィギュアや、ダイス、トランプといったゲーム関連グッズなど、幅広く扱われている。ただし、成人向け作品の出展は禁止されている。[9][注釈 11]また、中古のゲームを扱うブースや、後述のオークション、バザールといった企画もあり、絶版となった作品などの掘り出し物を目当てとした参加者も多い。初期の開催では、中古のゲームや海外作品の新作を中心に扱われていたが、一般のサークルの参加が増加したことで、現在は同人ゲームの頒布が多数を占めている。

会場内にはフリースペースもあり、買ったゲームをその場で遊ぶことができる。[注釈 3]出展側はオプションでプレイスペースを申請することもでき、出展ゲームの体験プレイができる。

コミックマーケットの『ゲーム(電源不要)』ジャンルでは、テーブルトークRPGのサークルが多勢を占めるが、ゲームマーケットでは逆にカードゲーム、ボードゲームのサークルの方が多い。[注釈 12]

過去に開催されたイベント[編集]

各ブースの出展以外にも、以下のようなイベントが開催されている。

入札オークション
出品された中古ゲームに、入札者が金額を書いた紙をスタッフに渡して入札する。
公開オークション
オークショニアが出品物を掲げ、参加者のかけ声によって落札者を決定する。いずれのオークションも、主催者側のロイヤリティはない。出品状況によっては開催されないこともある。
バザール
個人参加者が、フリーマーケットに似た形式で品物を販売する。こちらも、出展者ブースの拡大のために開催されないこともある。
こどもゲームコーナー
「世界のボードゲームを広める会ゆうもあ」が企画し、子供向け、家族向けで楽しめるゲームを体験できる。これとは別に、どうぶつしょうぎなどのゲームを体験できるブースもある。
伝統ゲーム体験コーナー
世界の伝統的なゲームを体験できる。これまでにドミノバックギャモンテキサス・ホールデム投扇興キャロムうんすんカルタごいたチェッカー・ドラフツ連珠八八中将棋クリベッジなどの体験会が開かれてきた。
テーブルトークRPG体験コーナー
2015春より、JGC出張版や、TRPGフレッシュフェスなどとして開催。一定の時間内で、テーブルトークRPGのセッションを体験できる。2017秋では、手軽に楽しめる30分卓や、さらにしっかり遊びたい人向けの60分卓、150分卓が用意された。
特設ゲーム体験コーナー
上記以外にも、テーマを定めたゲーム体験ブースが設けられることがある。2013秋は人狼(汝は人狼なりや?)、2016春は世界の名作ゲーム[注釈 13]を体験できた。
ゲームマーケット大賞(シュピレッタ賞)
会場での投票を集計し、もっとも良い非電源ゲームを選出する。シュピレッタ賞とも称され、「シュピレッタちゃん」という女性キャラクターが使われていた。2014年より、後述のゲームマーケット大賞としてリニューアルされている。
韓国企業コーナー
2008年と2009年に開催。韓国のボードゲーム企業が独自にブースを設けて出展した。
スタンプラリー
2011春から2013春まで開催。出展者のゲームを体験プレイすることで、カタログにスタンプを押してもらえる。スタンプ2個ごとに1回抽選に参加でき、景品をもらうことができた。
リアル謎解きゲームマーケット
2014春より開催。多くの謎解きイベントを手掛けている「よだかのレコード」が主催し、会場全体を使った謎解きゲームを行う。入場料とは別に参加費が必要。
キッチンカーコーナー
2014秋より開催。会場の外に数台のキッチンカー(移動厨房車)が設置されており、軽食をとることができる。会場によってはホール内にキッチンカーが設置されたり、開催されなかったりすることもある。
トークショー
2015春に開催。"7Wonders"や"HANABI"などの人気ゲームを手掛けたフランス人ゲームデザイナーのアントワーヌ・ボザへの公開インタビューや、クリエイター向けのアナログゲームの作り方講座が行われた。[10]ボザは、2016春には同じくフランス人ゲームデザイナーのコランタン・ルブラと組んで、出展者として参加した。
2017春では、多数の登壇者が5分間で入れ替わりプレゼンテーションを行う、ライトニングトーク大会が開催された。
ふくびき大会
2016秋に開催。以前開催されていたスタンプラリーをリニューアルしたもの。協賛する出展者のゲームを購入または体験プレイすることで、ふくびき券を1枚もらえる。ふくびき券5枚で1回抽選に参加でき、過去に出展者がサンプルとして主催者に提供したゲームなどをもらうことができた。
2017秋では、会場マップのアンケートのページに記入し、切り取って提出すると抽選に参加できる方式となった。
新作ゲーム展示コーナー
2016秋より開催。会場の拡大に伴い、すべての新作ゲームを把握できなくなったという声に応え、各出展者より提供されたサンプルゲームを展示する。
プレイスペースストリート
2016秋に開催。東京都内にあるアナログゲームを遊べる店舗が出展し、それぞれの店舗が薦めるゲームなどを体験できる。

ゲームマーケット大賞[編集]

ゲームマーケット初期に行われていた同名の賞をリニューアルし、2014秋から創設された賞で、1年に1回のサイクルで大賞を決定する。アナログゲームの専門家が審査を行い、一次審査、ニ次審査、優秀作品選出(三次審査)、大賞作品選出(最終審査)と、順次作品を絞っていく。審査員長は、ゲームマーケットの創設者である草場純が務める。[11]

  • 対象年の前年の秋開催、対象年の関西開催と春開催で発売実績のあるアナログゲームが対象となる。対象年の秋開催で、大賞作品を発表する。
  • 版権テーマの作品、テーブルトークRPG(テーブルトークRPG風ゲームなら対象となる。以下同様)、トレーディングカードゲーム、ウォーシミュレーションゲーム、伝統ゲームおよび主宰のアークライトが発売した作品は対象外となる。
  • 選定方針として「一年間のゲームマーケットで最も面白いゲーム」「あまりゲームを遊んだことがない人が『大賞だから遊んでみよう』と思える作品」が挙げられている。[12]
  • 第3回(2017年発表)までは、公式サイトで行われる新作評価アンケート[注釈 14]で上位に入った作品も、自動的に一次審査通過となった。第4回(2018年発表)からは、アンケートの結果は専門家による審査の参考データとして使われる。
  • 選考からは漏れたが、審査員から選定方針以外の観点で優秀作品に値すると評価された作品には特別賞が授与される。
  • 第3回からは、大賞のほかにキッズ賞やエキスパート賞が選出される。
  • 副賞として、大賞作品の出展者には企業ブースの無償出展権、優秀作品の出展者には一般ブースの無償出展権、二次審査通過作品の出展者には出展申し込みが抽選になった場合の優先出展権が贈られる。これらの権利は、受賞以降1年間のゲームマーケットにおいて一度のみ有効。

大賞作品[編集]

回数 発表年 作品名 発行元 作者 備考
第1回 2015年 海底探険 オインクゲームズ 佐々木隼、佐々木吾朗 優秀作品:公式サイトの発表ページを参照
特別賞:枯山水(ニューゲームズオーダー)
第2回 2016年 ビンジョー×コウジョー すまいる120円工房 すまいる120円 優秀作品:公式サイトの発表ページを参照
特別賞:アニュビスの仮面(ギフトテンインダストリ)
第3回 2017年 8ビットモックアップ さとーふぁみりあ 佐藤敏樹 優秀作品:公式サイトの発表ページを参照
キッズ賞:KITTYS(リトルフューチャー)
エキスパート賞:エンデの建国者(imagine GAMES)
特別賞:クフ(るりるりゲームズ)

エピソード[編集]

  • 2000年の第1回開催時は予想を超える来場者数にカタログが売り切れてしまい、やむなく「カタログを持たない人の入場禁止」という決断が取られた。
  • 2013春は開催前の待機列が長くなったため、会場管理者の要請により開場時間が10分早められて9時50分の開場となった。また13時頃、会場の主な照明が消えるアクシデントが発生したが、主催者側の「ただいま会場の照明が落ちておりますが、当イベントは電源不要のイベントですのでご安心下さい」との放送により会場内で喝采が起きた。なお照明はその直後に回復した。さらに、アークライト直営ゲームショップでの店頭販売分カタログが開催前日に売り切れ、当日分も15時頃に完売したため、15時30分以降閉会の17時までは入場無料となった。
  • 2013秋はニコニコ動画に「ゲームマーケットチャンネル」を開設し、開催日までアナログゲームのプレイ動画などを配信した他、[13]「ニコニコ自作ゲームフェス2」に「ゲームマーケット賞」を設立し、ゲームマーケット2013秋の会場内で授賞式の生放送を行った。[14]
  • 2014春は、ゲームマーケット開催15周年の節目として、イラストレーターの平尾リョウによるマスコットキャラクター「コロ」「チップ」「バン」が登場した。おとぎ話の「桃太郎」に登場するイヌ、キジ、サルと、アナログゲームでよく扱われるサイコロ(ダイス)、チップ、ゲーム盤(ボード)をそれぞれ組み合わせたキャラクターである。これらのキャラクターは、自作ゲームや動画などへの自由な使用が可能となっている。[15]
  • 2015春は、当初は16時から入場無料とする予定だったが、当日分の入場チケットが完売したため、1時間繰り上げて15時から入場無料となった。同様に、2015秋は15時から、2016春は16時から入場無料となった。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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注釈
  1. ^ 前売りまたは当日販売のチケットを購入し、入場時に見せる形式である。2011春からは、カタログや会場マップがチケットを兼ねている(開催によって形式には変更有り)。小学生は保護者同伴、中学生・高校生は学生証の提示で入場無料となる(カタログ代別)。
  2. ^ コミックマーケットのジャンル分けではゲーム(電源不要)と呼ばれる。
  3. ^ a b 2013秋以降の開催では、出展者ブースの拡大のためフリースペースは設けられない場合もある。
  4. ^ ただしエピソード節にも記述した通り、主催者の想定を越える人数であった。
  5. ^ 同じビルではあるがフロアによって管理者が違い名称が違う。
  6. ^ 2004年から2010年まで秋期に開催されていたアナログゲームのイベント。初期は企業のみの出展だったが次第にサークル参加も増え、ゲームマーケットと同形態のイベントとなった。
  7. ^ 開催年によりホールが異なる。
  8. ^ ブシロード主催の「大ヴァンガ祭」と共催。互いのカタログ購入者に値引きサービスが行われた。
  9. ^ 電源を使った作品を排除しているわけではなく、アナログゲームを題材にしたものであれば、スマートフォンやタブレットPCのゲームタイトルの出展も可能である。また、ゲーム進行を補助するものとしてスマートフォンなどが使われる作品も頒布されている。
  10. ^ 出展希望者が規定数を越えた場合は抽選、下回った場合は二次募集がある。出展料は、2017秋の場合、一般ブースは6480円から、企業ブースは43200円から。[1]
  11. ^ 第1回のみ、成人指定のテーブルトークRPGのサークルがあった。
  12. ^ 2014秋の出展者は、公式フライヤーによると、ボードゲーム107ブース、カードゲーム168ブース、テーブルトークRPG19ブース、シミュレーションゲーム17ブース、グッズ・アイテム関係などが15ブース、その他17ブースという陣容だった。
  13. ^ ガイスターカタンの開拓者たちニムトドミニオンカルカソンヌハゲタカのえじきパンデミック:新たなる試練ブロックスチケット・トゥ・ライドなどの作品が用意され、30分の体験プレイができた。
  14. ^ 第1回(2015年発表)のみ、外部のアナログゲームサイトで行われていた。
出典

外部リンク[編集]