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ケルコープス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケルコープスたちを担ぐヘーラクレース。パレルモ博物館所蔵。[1]
ケルコープスたちが縛られた棒を担ぐヘーラクレース。紀元前530-500年。アンフォラ

ケルコープス[2]古希: Κέρκωψ, Kerkops, ラテン語: Cercops)はギリシア神話に登場する2人の山賊兄弟[2]。複数形はケルコーペス古希: Κέρκωπες, Kerkopes, ラテン語: Cercopes[2]。日本語では長母音を省略してケルコプスケルコペスとも表記する[3]

概要

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オーケアノスの娘のテイアーの子供たちである[2]エペソスの近くまたは、テッサリアに住む[3]、力の強い巨漢(または小人)で[2]、猿の様な顔をしている[4]。その名は「尾の付いた者」の意で、彼らには尻尾があった[5]。2人の名は、エウリュバテース (Eurybates) とプリューノーンダース (Phrynondas) または、シロス(Sillos, 「すが目」または「揶揄」の意)とトリバロス(Triballos, 「やくざ者」の意)だった[4]

神話

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通行人を殺しては盗みを働いていたが、ある日、道端で眠っていたヘーラクレースを襲って逆に捕まり、棒の両端に逆さ吊りにされた[2]。ヘーラクレースがその棒を担いで歩くと、彼らは英雄の尻が毛で真っ黒になっているのを見て、かつて母から「メランピュゴス(Melampygos, 黒い尻)に気を付けよ」と警告されていた言葉を思い出し、大笑いした[2]。彼らはその黒尻を盛んに面白く揶揄したため、ヘーラクレースも面白がって彼らを許してやった[4]

後に、ゼウスは彼らの悪行に怒って(際限無い悪さのためともゼウスを騙そうとしたともいわれる[1]に変身させて、ネアーポリス湾頭の2つの島ピテークーサイ(「猿島」の意)へ送ったという[2]。彼らの子孫がここに住んでいるとされる[4]。別伝によれば彼らは石に変えられたとも、ヘーラクレースからオムパレーに贈られたとも、ヘーラクレースに殺されたともいう[2]。また、ヘーラクレースが彼らを捕らえたのはオムパレーが命じた仕事だったともいわれる[5]

この話は本来、民間説話が変形したもので、小人の記憶や多毛の強い男の話がヘーラクレースと結び付けられたと考えられる[1]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c 呉茂一『ギリシア神話』新潮社、1994年、582,583頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、563頁。 
  3. ^ a b マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシア・ローマ神話事典』大修館書店、1988年、253頁。 
  4. ^ a b c d 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、123頁。 
  5. ^ a b カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 英雄の時代』植田兼義 訳、中公文庫、1985年、237頁。