ケルコープス


ケルコープス[2](古希: Κέρκωψ, Kerkops, ラテン語: Cercops)はギリシア神話に登場する2人の山賊兄弟[2]。複数形はケルコーペス(古希: Κέρκωπες, Kerkopes, ラテン語: Cercopes)[2]。日本語では長母音を省略してケルコプス、ケルコペスとも表記する[3]。
概要
[編集]オーケアノスの娘のテイアーの子供たちである[2]。エペソスの近くまたは、テッサリアに住む[3]、力の強い巨漢(または小人)で[2]、猿の様な顔をしている[4]。その名は「尾の付いた者」の意で、彼らには尻尾があった[5]。2人の名は、エウリュバテース (Eurybates) とプリューノーンダース (Phrynondas) または、シロス(Sillos, 「すが目」または「揶揄」の意)とトリバロス(Triballos, 「やくざ者」の意)だった[4]。
神話
[編集]通行人を殺しては盗みを働いていたが、ある日、道端で眠っていたヘーラクレースを襲って逆に捕まり、棒の両端に逆さ吊りにされた[2]。ヘーラクレースがその棒を担いで歩くと、彼らは英雄の尻が毛で真っ黒になっているのを見て、かつて母から「メランピュゴス(Melampygos, 黒い尻)に気を付けよ」と警告されていた言葉を思い出し、大笑いした[2]。彼らはその黒尻を盛んに面白く揶揄したため、ヘーラクレースも面白がって彼らを許してやった[4]。
後に、ゼウスは彼らの悪行に怒って(際限無い悪さのためともゼウスを騙そうとしたともいわれる[1])猿に変身させて、ネアーポリス湾頭の2つの島ピテークーサイ(「猿島」の意)へ送ったという[2]。彼らの子孫がここに住んでいるとされる[4]。別伝によれば彼らは石に変えられたとも、ヘーラクレースからオムパレーに贈られたとも、ヘーラクレースに殺されたともいう[2]。また、ヘーラクレースが彼らを捕らえたのはオムパレーが命じた仕事だったともいわれる[5]。
この話は本来、民間説話が変形したもので、小人の記憶や多毛の強い男の話がヘーラクレースと結び付けられたと考えられる[1]。