グローバルニッチトップ

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グローバルニッチトップ (英: Global Niche Top、英略: GNT) はニッチ分野における世界市場でのトップ企業を指す経済用語。ドイツのハーマン・サイモンによって提唱された概念を元に経済産業省が考案した。経産省はグローバルニッチトップ企業100選なども選定公開している。

概要[編集]

マインツ大学教授など務め、自らのもコンサルタント企業を設立したドイツのハーマン・サイモンが1996年に自著「Hidden champions」で表したのが原型である。これは、「隠れたチャンピオン」と和訳された。この段階では、世界市場で1~3位もしくはアジアやヨーロッパ、北米などの複数国をまたがる広域地域シェアで1位を獲得した企業で、40億ドル未満の企業規模、一般的に知られていない企業だとハーマン・サイモンは定義した。

後に、ハーマン・サイモンにより若干定義は変更され、経産省傘下の独立行政法人経済産業研究所に掲載された同氏による“21世紀の隠れたチャンピオン”の定義については

「世界市場において業種上位3位以内、またはその企業が位置している大陸のトップであり、収益は50億ドル以下、一般にはほとんど無名な企業を指す。」と述べている[1]

これらの論考には「比較的小さな国であるドイツが、なぜこれほど強い輸出力を保っているのだろうか。答えは、世界市場で活躍中の「隠れたチャンピオン」、すなわち無名の中小企業にある。」[1]としており、その企業は「集中と深化」「極めて野心的な目標」「顧客関係を委託せずに、直接、顧客に販売」「従業員1人あたりの特許保有件数は、特許に力を入れる大手企業の5倍」「顧客との近い距離と競争優位性」「忠誠心と非常に有能な従業員」「離職率の低さ」「強いリーダーシップ」[1]なども指摘している。

これらの論考が経産省傘下の独立行政法人経済産業研究所に記載されたのが2012年である。この後の2014年3月17日(2013年度)には経産省においてグローバルニッチトップという概念が発表された。また、「グローバルニッチトップ企業100選」(数字全角は原文のママ)が選ばれた[2]。この際のグローバルニッチトップの定義は以下の通り[2]

  • 大企業:世界市場の規模が100~1000億円程度であって、製品・サービスの20%以上の世界シェアを保有
  • 中堅企業・中小企業:製品・サービスの10%以上の世界シェアを保有

このGNT企業100選の選定について経産省は「我が国産業発展の底上げをはかることを目的とします」と記述している[3]

また、2019年~2020年には、新グローバルニッチトップ企業100選が再選定が開始された[4]。この際の定義は2014年の定義から若干変化し以下の通り。

  • 大企業:特定の商品・サービスの世界市場の規模が100~1,000億円程度であって、過去3年以内において1年でも、概ね20%以上の世界シェアを確保したことがあるもの
  • 中堅企業・中小企業:特定の商品・サービスについて、過去3年以内において1年でも、概ね10%以上の世界シェアを確保したことがあるもの

としている。新グローバルニッチトップ企業100選は、2020年3月1日現在、経産省にて選定中である。

なお、偶然ながら日東電工の経営ポリシーとして同名かつ類似内容の経営方針「ニッチトップ」が掲げられていた[5]関係で、日東電工は商標としてグローバルニッチトップを化学品、加工機械、電気機器などの11の分類において取得しており、経済用語として使用する場合や著作物のタイトルなどでの使用は問題ないものの、企業の商標として掲示する場合は商標権を侵害しないように留意する必要があり、そのため経産省は、グローバルニッチトップに選定された企業は、「経産省認定グローバルニッチトップ企業」などと商標権に配慮した掲示を、企業として掲示する際は行うように経産省は配慮求めている[6]

グローバルニッチトップ企業100選[編集]

2014年3月17日に経産省が選定したグローバルニッチトップ企業100社である。

選定された以下の企業は以下の通り[7]

また、別途、次のグローバルニッチトップとしてネクストGNTも選定された。選定されたのは以下の7社。

新グローバルニッチトップ企業100選[編集]

2019年、前回の策定から5年が経過し、日本企業を取り巻く事業環境は変化した事もあり、新グローバルニッチトップ企業100選の選定が開始された[4]。自薦他薦含めて募集を行い、審査の後に選定企業を公開するとしている[4]。2020年6月に発表された[8]

脚注[編集]

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出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]