グリヴナ (装身具)

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12世紀、銀製のグリヴナ

グリヴナ古東スラヴ語: гривьна)は金または銀でできたキエフ・ルーシ期の首飾りである。

キエフ・ルーシ期のグリヴナは、装飾品であるとともに、勲功章、識別章(ru)の役割を担っていた。たとえば10 - 11世紀のドルジーナクニャージ(公)に直属する軍人階級)は、褒賞としてグリヴナを授与された。しかし12 - 14世紀には、これらの首飾りは、専ら、富裕層の女性の装身具として用いられるようになった。また16世紀には、結婚式の儀式の一部に用いられていた。言葉の意味としても、グリヴナは、当初は本項のような首飾りあるいは腕輪を指していたが[1]、次第に通貨単位(グリヴナ)を指す言葉となった[2][3]

出典[編集]

  1. ^ История гривны
  2. ^ Гривна // Толковый словарь живого великорусского языка : в 4 т. / авт.-сост. В. И. Даль. — 2-е изд. — СПб. : Типография М. О. Вольфа, 1880—1882.
  3. ^ 「補説9 貨幣」 // 『世界歴史大系 ロシア史 1 -9世紀~17世紀-』、田中陽兒・倉持俊一・和田春樹編、山川出版社、1995年。p88