グランツーリスモ2
ジャンル | ドライビングシミュレーター |
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対応機種 | プレイステーション |
開発元 | ポリフォニー・デジタル |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント |
人数 | 1~2人 |
メディア | CD-ROM 2枚 |
発売日 | ![]() 1999年12月11日(アジア) ![]() ![]() ![]() |
対象年齢 | CERO:不明 |
デバイス | DUAL SHOCK、ネジコン、 ハンドルコントローラー |
売上本数 | ![]() ![]() ![]() (上記のほかアジア約2万本) ![]() |
その他 | メモリーカード:4~15ブロック |
『グランツーリスモ2』(GRAN TURISMO 2 、GT2)は、ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPS用のグランツーリスモシリーズの2作目。
目次
概要[編集]
日本では当初1999年(平成11年)9月末に発売予定で開発を進めていて、4月頃にはゲームショップに体験版が置かれていた。しかし、開発が間に合わず11月25日に延期。その11月25日にも間に合わず、最終的には1999年(平成11年)12月11日発売となった。これは前作の『グランツーリスモ』の発売から約2年たったことになる。度重なる発売延期にもかかわらず日本では100万本以上の出荷となり、『グランツーリスモ』シリーズの人気振りを見せた。
ソフトはシリーズ唯一の2枚組ディスクでの構成である。DISC1「アーケードディスク」にはアーケードモード、 DISC2「グランツーリスモディスク」はグランツーリスモモードが収録されている。一方のディスクをプレイしていくことで、もう一方のディスクの要素が解禁されていくなど、相互のリンク性があった。
日本版オープニングムービーにはリアルなCG映像から昔の実際のレースの映像、BGMには前作と同様、T-SQUAREの「MOON OVER THE CASTLE」が使用され充実した内容になっている。アーケードモードのエンディングソングはカーディガンズの「My Favourite Game」(シングルとはバージョンが違う)。
パッケージの絵柄にはプロデューサー山内一典の当時の愛車でもあったホンダ・S2000が描かれている。なお、本作からオートロード機能(ゲーム開始時)が追加され、前作のように起動時にロードせずにセーブすると、前回のデータに初期データが上書きされるような事態は解消された。
リアリティー[編集]
『グランツーリスモ』シリーズでは実車が登場する。『GT2』ではスタッフはその実車のデータを集めるためにアメリカとイギリス、日本で計7回の実車の写真撮影と実音の録音を行った。写真撮影は俯瞰や接写で、ヘッドライトやフェンダーの細部まで撮影。また夜間コースのためにテールランプを点灯させた状態での撮影もあった。実音の録音はエンジン音、排気音、タイヤのスキール音などの録音。エンジン音の録音は、エンジンルーム、車体の前後、室内の複数箇所から1000回転きざみで録音された(ただしアイドリング状態の空ぶかしの音であるため、実際の走行音とは異なる)。
これらの取材から得たデータをもとにして、『グランツーリスモ』シリーズに登場する車は、よりリアリティあるモデリングがされている。クルマの性能をリアルに再現したことが売りのゲームだが、性能設定に実車との相違点があった(例:ホンダ インテグラタイプRのレッドゾーンが8000rpmになっている。本来は8400rpm)。
前作からの「進化」[編集]
登場車種[編集]
登場車種は40社以上、500車種600グレード以上と前作の約5倍に増えた。これは次の点による。
- 前作では少なかった海外車種が大幅に増加(例:メルセデス・ベンツやBMWなど)
- 国内・海外問わず、レーシングモデル(特に全日本GT選手権(現SUPER GT))のレースカーが増加
- WRC等に参戦したダート用のラリーカーの登場(例:フォード・フォーカスやスズキ・エスクードパイクスピーク バージョンなど)
- 1999年(平成11年)モデルの当時の新車種が登場し、同一車種でも年代の幅が広がったこと(例ホンダ・S2000や日産・スカイラインなど)
- 軽自動車の登場(例:ダイハツ・ムーヴやスズキ・ワゴンRなど)
- チューナーによるチューンドカー(チューニングカー)の登場(例:TRDやNISMOなどのメーカー直系チューナー、SPOONやHKSなどのパーツメーカー)
- 往年の名車の登場(例:トヨタ・2000GTやシェルビー・コブラなど)
以上から、車のバリエーションが非常に増えたといえる。プレイヤーは実際によく目にする車を使った後でレースカーや希少度の高い名車に自由に乗り換えることができるようになった。ただし実際にプレーヤーがガレージに収納できる台数は100台までなので、全車種を収納することは不可能である。
パーツ[編集]
前作比130%の挙動プログラムにより、今作からLSDやTCS、YCS(ヨーコントロールシステム)といったアシスト系のパーツが追加された。これによりさまざまな路面状況に応じたセッテングや車の挙動をコントロールすることができるようになった[1]。タイヤコンパウンドも4つとなり、タイヤ装着も前作では4本ともタイヤコンパウンドが同一のタイヤを装着していたが、今作から前後別のセッティングとなった。
グラフィック[編集]
システム側プログラムの高効率化により、前作よりも使用可能なポリゴン数が増加した。また、前述の取材で得た様々な角度からの写真資料も併用した結果として、細部まで車体を表現できるようになった。このグラフィックの進化は日本版のオープニングにおいて顕著に現れた。ゲーム中では車を停止させると、ホイールやヘッドライトが『GT』よりも細かくモデリングされているのが見て取れる。
コース[編集]
前作からのコースに、実在するコース「ラグナ・セカ・レースウェイ」(現ラグナ・セカ)と今作から追加された市街地コース、ダートコースを含む全30コース(リバースは含まず)と増大した。ただし実在コースは前述のラグナ・セカのみで、ほかはオリジナルコースである。これは、プレイステーションの能力ではリアルなシミュレートに限界があり、ゲーム内のラップタイムと現実のラップタイムを比較したときに大きな差が出てしまう恐れがあることが理由であると、後に明かされた[2]。実在コースの大量追加は、グランツーリスモ4を待つことになる。またコース上の広告も大幅に進化しており、レースの回数毎にスポンサーが変わる(例:ミッドフィールド・レースウェイにおいて、最終コーナーにある看板が、一回目参戦時では「BP」だったのが、二回目では「MICHELIN」に変わっている、など)仕様となっていた。
ワンメイクレース[編集]
今作から登場。メーカーによって出走できるクルマが決められている。但し、ワンメイクレースがないメーカーもある。
ライセンス[編集]
前作のライセンスは国内B級・国内A級・国際A級の3つだったが、今作には国際C級・国際B級・スーパー(スーパーは隠しライセンスで、国際A級を取得すれば出現)が追加された。スーパーライセンスを取得した場合は隠しレースとして「グランツーリスモ・イベントシンセサイザー」に出場する事が出来る。「イベントシンセサイザー」ではコースはランダムに設定される他[3]、敵車はアーケードモード同様に自車のチューンの度合いによって決められる。また、ある一定の条件で失格を繰り返した場合は救済処置としてGT.BRONZEの下に当たるGT.KIDSが与えられ一応合格扱いとなる。また、ライセンスの進行具合によってアーケードモードのコースが追加される。
ホイールショップ[編集]
今作から登場。国内外有名メーカー(BBS、エンケイなど)のホイールが揃っており、好みのホイールに交換する事が出来る。但し、交換後は標準装備のホイールに復元することはできない。
前作からの変更点[編集]
アーケードモード[編集]
グランツーリスモモードのマイガレージからも使用可能になった。また、ライセンスの進行でコースが追加される。
2人プレイの対戦[編集]
グランツーリスモモードの車に関しては前作ではグランツーリスモモードのレースから対戦を行う必要がありメモリーカードが2枚必要だったが、今作からはアーケードモードのマイガレージとゲストガレージから選ぶ形に変更された(それに伴いゲストガレージのデータのロードも追加された)。
馬力制限・過給器制限[編集]
前作での出場制限はライセンス、チューニングの有無、車種および車種の国籍のみだったが、今作はそれらに馬力によって出場を制限される馬力制限とターボの有無による制限が追加されたがチューニングの有無、車種の国籍による制限によるレースがなくなった。
登場メーカー(国別)[編集]
基本はABC順だが、メーカー直系のチューナーはそのメーカーの下に続き、他のチューナーはメーカーの後に置いた。またGT用レースカーはメーカー別に入らない。
日本[編集]
イギリス[編集]
フランス[編集]
ドイツ[編集]
イタリア[編集]
アメリカ[編集]
登場サーキット・コース[編集]
太字はGT2で新しく登場したもの。
ロードコース[編集]
- タヒチ・ロード
- ミッドフィールド・レースウェイ
- スーパースピードウェイ(実際は、ツインリンクもてぎ スーパースピードウェイそのもの)
- シアトル・ショートコース
- ローマ・ショートコース
- レッドロックバレー・スピードウェイ
- シアトル・サーキット
- ローマ・サーキット
- グリンデルワルド
- ラグナセカ・レースウェイ
- アプリコットヒル・スピードウェイ
- オータムリンク
- オータムリンク・ミニ
- ハイスピードリンク
- トライアルマウンテン・サーキット
- グランバレー・スピードウェイ
- グランバレー・イーストセレクション
- スペシャルステージ・ルート5
- クラブマンステージ・ルート5
- テストコース
- ディープフォレスト・レースウェイ
- ローマ-ナイト
- モータースポーツランド
ダートコース[編集]
- タヒチダート・ルート3
- スモーキーマウンテン・サウス
- グリーンフォレスト・ロードウェイ
- スモーキーマウンテン・ノース
- タヒチ・メイズ
- パイクスピーク・ヒルクライム
- パイクスピーク・ダウンヒル
登場しなかったコース[編集]
体験版にはデータとして収録されていたコースがあったが、製品版では完全にデータから削除されたコースがいくつかある。
- モンテカルロ(コートダジュール)
- インディ(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
- シアトル2000(おそらく新規の試作コースだと思われるが、詳細は不明。)
車種について[編集]
国内版と海外版では、登場車種に違いがある。例として、
- 180SX→240SX
- シルビア(S14)→200SX
と、このように車種名が違う車種が存在する。
また、国内版の説明書の車種リストに<Mercedes-Benz CLK DTM2000>と書かれているが、この車は開発中に削除され、国内版には登場していない。さらに、<NISSAN ニスモGT-R LMロードカー(R33)>も海外版では日産のスペシャルカーとして購入が可能なのだが、国内版には登場しない。<Mercedes-Benz CLK-GTR>はル・マンのCLRの事故の影響か、削除された。事前に配布されたプレス用資料には写真がある。
今作に登場する全日本GT選手権のスカイラインGT-Rのレースカーの駆動方式は4WDであるが、実車はFRである[4]。
その他[編集]
2002年(平成14年)に「PS one Books(廉価版)」として再発売されたが、その際にはジャケットの「GT」のロゴが次作「GT3」以降のものに変更された。
参考文献[編集]
- GRAN TURISMO 2 OFFICIAL FAN BOOK "The world of Gran Turismo 2" - ソニー・マガジンズ
脚注[編集]
外部リンク[編集]
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