クワイエットルームにようこそ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
クワイエットルームにようこそ
著者 松尾スズキ
イラスト 近藤達弥
発行日 2005年12月15日
発行元 文藝春秋
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製カバー装
ページ数 144
公式サイト 『クワイエットルームにようこそ』松尾スズキ|単行本 - 文藝春秋BOOKS
コード ISBN 978-4-16-324520-1
Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

クワイエットルームにようこそ』は、松尾スズキの小説。初出は『文學界2005年7月号[1]。2005年の芥川賞候補作品にもなった。

同じく松尾スズキ自身の脚本・監督で2007年に映画化された。

ストーリー[編集]

28歳のフリーライター・佐倉明日香は、ある朝目覚めると見知らぬ白い部屋にいた。そこは「クワイエットルーム」と呼ばれる、女子専用の精神病院閉鎖病棟。ストレスの捌け口として大量摂取した睡眠薬が原因で意識を失い、オーバードースを患った自殺志願者とされてしまったのだ。突如として放り込まれた異質な環境に戸惑う明日香であったが、尊大な看護師・江口や入院初日に出会った少女・ミキ、元AV女優の西野ら個性的な患者達と接し、次第に閉鎖病棟に馴染んでいく。同時に日常から離れた明日香は、自身とその人生を見つめ直し始める。退院に向けて、奇妙な仲間たちと過ごす14日間が始まった。

書籍情報[編集]

映画版[編集]

クワイエットルームにようこそ
監督 松尾スズキ
脚本 松尾スズキ
出演者 内田有紀
宮藤官九郎
蒼井優
りょう
妻夫木聡
大竹しのぶ
音楽 門司肇
森敬
撮影 岡林昭宏
編集 上野聡一
配給 アスミック・エース
公開 日本の旗 2007年10月20日
上映時間 118分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

キャスト[編集]

家族の死、元夫の自殺、仕事のスランプが重なり、衝動的にオーバードースしたことがきっかけで強制入院になった。ライターでバツイチ。鉄雄と再婚している。元イベントコンパニオン、元風俗嬢。不眠症持ち。高校の時に『オズの魔法使い』のドロシーを演じてから前夫に買って貰った銀のミュールを大事にしている。昔はまともな生活をしていなかったため、仕事も適当だったが、ライターになってからは天職と思っている。ストレスを感じると蕁麻疹が出てミミズ腫れと真っ赤になる。
明日香の夫。バラエティー番組のくだらない企画を作っているマイナー放送作家。生活もめちゃくちゃ。大麻をこっそり使用している。涙もろく気も弱い。明日香とは、「官能小説を朗読してくれる風俗店」に行くという企画で客として知り合い結婚した。
摂食障害。「食べたくても食べられない」ために努力している。入院3ヶ月で2kg太ったという。初めて明日香がクワイエットルームに来た際にドアから覗いていた。ドレッドヘアゴシックなメイクをしている。冷静沈着。あと2kg太れば外出許可が出る。しかし実際は嘔吐がやめられない。「痩せたい」という理由ではなく「世界の仕組みに気付いてしまったから」というエキセントリックな発想から。
ステンレスの様に無表情で機械的な会話しかしない冷たい看護師。看護婦長。いつも紺のカーディガンを着用している。明日香から「ステンレス星から来たステンレス星人」と例えられた。その昔、患者から首にボールペンを突き立てられて死にかけたことがあるが、今でも看護師を続けている。患者に殴られて口を切り、血が出ても「この野郎」とつぶやき挑んでいく。患者から見れば独裁者だが、医療従事者や倫理としては優秀である。
癒し系の看護師。ゆったりとした口調だが、逃亡しようとする患者を容赦なく制止する。全く食べようとしなかったサエが初めて夕食を完食した際はサエの前では平然を装ったが、部屋から出た途端嬉しさで泣き出した。おかしな患者にも慣れており、対処も上手い。
明日香と同部屋の患者。ミキと共にサエの1000ピースジグソーパズルを作っている。夫が医師であり、すぐに病院から出る事が出来た。事故でODをしたと語っている。明日香がクワイエットルームから出た日は外泊の日で、トイレに居合わせた明日香に櫛を貸してあげた。外泊土産にこっそり持ち込んだチョコを明日香にあげた。「事故でODをした」と語る割には何度も入院しているらしく、閉鎖病棟に慣れている。博識であり、発言にも知的さがある。服装は地味だが高級な物を持っている。下の名前は「ノリコ」。
5年入院している。通称「ブルジョア部屋」におり、お金持ちで学のある親がいる。摂食障害で食べたくなくて食べない。親はサエが飽きないようにとイギリス文学の難しい本を与えているが、食べないために脳に血が回らず何故食べないのかすら忘れてしまっており、サザエさんすら理解出来ないほど。1000ピースのジグソーパズルを親からもらうも当然パズルは出来ず、ミキや栗田が作っており、「完成したら一食でも完食する」約束をしている。ピアノが上手く、弾くと別人のようになる。
何故入院しているかは不明。大量に鼻水を垂らすことがある。水道のメーターを測る仕事に詳しい。喫煙所にいることもある。
明日香の最初の担当医。フワフワとした喋り口調であり、本人曰く「患者の顔見りゃ(まともか重篤か)わかる」というが、すぐ退院させてしまうため現場の看護師らからは不評。明日香も「まとも」と診断した直後に明日香が無理矢理立とうとした反動で点滴が頭に直撃し血を流して気絶。担当が代わった。骨折もしたらしい。
ゲーム会社に勤務しており、ゲームの新作発表でイベントコンパニオンだった明日香と知り合い結婚。真面目でつまらない男。一発芸があるがそれが原因で離婚した。転勤が決まり、離婚後1人で移住した。原因は不明だが離婚数年後に自殺してしまった。
鉄雄の舎弟。眉毛が繋がっている元チーマー。桁外れのバカで節操もない。しかし、蕁麻疹が起きて看護師らに非人道的な行動を取られた明日香に加担したこともある。明日香にはやや頭が上がらない。
過食嘔吐型の摂食障害。いつも何かカツラを被り厚化粧。新人いじめが大好きでターゲットを見つけては追い詰めるのを生きがいにしている。タバコやテレホンカードを無理矢理売りつけて稼いでいる。昔はAV女優だったが、覚醒剤で捕まったらしい。娘がおり、娘から勘当されている。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

  • 「Naked Me」
歌 - LOVES.、作詞・作曲 - 日暮愛葉、編曲 - LOVES.

ソフト化[編集]

  • クワイエットルームにようこそ DVD特別版(初回限定生産2枚組、2008年3月19日発売、発売元・アスミック・エース、販売元・角川映画)
    • ディスク1 - 本編DVD
    • ディスク2 - 特典DVD
    • 封入特典 - ブックレット
  • 【TCE Blu-ray SELECTION】クワイエットルームにようこそ ブルーレイ スペシャル・エディション(BD1枚組、2012年9月5日発売、発売元・アスミック・エース、販売元・TCエンタテインメント
    • 映像・音声特典:特別版の全映像・音声特典を収録

脚注[編集]

  1. ^ 松尾スズキ 『クワイエットルームにようこそ』 文藝春秋文藝春秋〉、2005年12月15日ISBN 978-4-16-324520-1 巻末

外部リンク[編集]