コンテンツにスキップ

クロツバメシジミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロツバメシジミ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: シジミチョウ科 Lycaenidae
亜科 : ヒメシジミ亜科 Polyommatinae
: クロツバメシジミ属 Tongeia
: クロツバメシジミ T. fischeri
学名
Tongeia fischeri
(Eversmann, 1843)
和名
クロツバメシジミ
黒燕小灰蝶
英名
The Black Cupid
亜種
  • T. f. fischeri
  • T. f. caudalis
    (九州沿岸・朝鮮半島亜種)
  • T. f. japonica
    (東日本亜種)
  • T. f. shojii
    (西日本亜種)

クロツバメシジミ(黒燕小灰蝶、 Tongeia fischeri fischeri)は、チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科に属するチョウの一種。

概要

[編集]

小型の灰色のシジミチョウ。翅裏は灰色地で、白い縁取りのある黒点をもつ。また翅の外縁沿いでは黒点が2列に並び、後翅肛角の2個所はそれに加えて赤斑が伴う。ヤマトシジミツバメシジミと似るが、赤斑の位置や、特徴ともなっているたいへん細く短い尾状突起などで、区別はたやすい。翅表は一様な黒色で和名の由来となっている。

人家周辺から低山地で見られる。発生源となっている食草をあまり離れず、付近をちらちら飛翔し、すぐとまる。

幼虫の食草はツメレンゲイワレンゲタイトゴメマンネングサベンケイソウ科)で、母蝶は葉に卵を1つずつ産みつける。

成虫は多化性で年3~4回発生し、5~11月にかけて見られる。越冬態は幼虫。

本種は生息域が分断されており地理的変異が著しく、それぞれの分布域で翅の模様などに特徴が見られる。日本舞踊師範の藤間勘左はそういった本種の差異を研究している。

分布

[編集]

本州群馬県以西)、四国九州北部~中部。

国外ではシベリア中~極東、モンゴル中国大陸東北部、朝鮮半島

保全状況評価

[編集]
クロツバメシジミ九州沿岸・朝鮮半島亜種 T. f. caudalis
Status jenv NT.svg
Status jenv NT.svg
クロツバメシジミ東日本亜種 T. f. japonica
Status jenv NT.svg
Status jenv NT.svg
クロツバメシジミ西日本亜種 T. f. shojii
Status jenv NT.svg
Status jenv NT.svg

環境省レッドリスト、2012年版)

関連項目

[編集]

参考文献

[編集]
  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984