クリス・メレダンドリ

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クリス・メレダンドリ
「Fast Company Innovation Festival」に参加したクリス・メレダンドリ(2018年撮影)
生誕 クリストファー・メレダンドリ
(1959-05-15) 1959年5月15日(64歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身校 ダートマス大学
職業 映画プロデューサー
雇用者 イルミネーション
代表作 怪盗グルーシリーズ
肩書き イルミネーション創業者兼CEO
配偶者 レスリー・ベンジガー(2002年 - 2016年)
子供 ジェームス・メレダンドリ
ニコラス・メレダンドリ
ローランド・メレダンドリ(父親)
リシャ・メレダンドリ(母親)
家族 ニナ・メレダンドリ(妹)
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クリス・メレダンドリ: Chris Meledandri1959年5月15日 - )は、アメリカ合衆国映画プロデューサーであり、イルミネーションの創設者兼CEOである。代表作に『怪盗グルーシリーズ』がある。

人物[編集]

1959年5月15日にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に生まれる。映画芸術科学アカデミーの会員である。ダートマス大学に通い、コネチカット州レイクビル英語版にあるホッチキススクール英語版の評議員を務めている[1]1990年1998年生まれの2人の息子がいる[2]。2人の息子の母親でもあるレスリー・ベンジーガーと1989年からの交際の後、2002年に結婚し、2016年に離婚した。

経歴[編集]

1998年 - 2006年: 20世紀アニメーションとブルースカイ・スタジオ[編集]

1998年、メレダンドリは20世紀アニメーションを率いて駆け出しのCGアニメーション製作会社であるブルースカイ・スタジオを買収し、長編アニメーションのプロデューサーとして成功を収めた。現在は20世紀アニメーションが所有するCGIスタジオであるブルースカイ・スタジオのクリエイティブと事業運営を監督した。スタジオ在籍中は、『アイス・エイジ』(2002年)、『ロボッツ』(2005年)、『アイス・エイジ2』(2006年)、『ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ』(2008年)などの監督や製作総指揮を務めた[3]。また、『どんぐりとスクラット英語版』(2002年)と『熱血どんぐりハンター!英語版』(2006年)という2つの短編アニメーション作品を製作し、いずれもアカデミー短編アニメ賞にノミネートされた。

2007年 - : イルミネーション[編集]

メレダンドリは2007年初頭に20世紀アニメーションの社長を退任し、ユニバーサル・スタジオとの共同出資による全視聴者向け映画製作会社「イルミネーション」を設立した[4]2010年にはイルミネーションが第1作目の『怪盗グルーの月泥棒』を、2011年には『イースターラビットのキャンディ工場』を公開した。その後、『怪盗グルーの月泥棒』の成功により、『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013年)、『怪盗グルーのミニオン大脱走』(2017年)の公開が続いた。イルミネーションは、メレダンドリとドクター・スースとのコラボレーションを成功させた『The Lorax英語版』の映画版『ロラックスおじさんの秘密の種』(2012年)を公開した[1]。また、『怪盗グルーシリーズ』のスピンオフ作品『ミニオンズ』(2015年)も製作している。

2018年1月任天堂は決算説明会の中で、イルミネーションがマリオのアニメ映画を製作すると発表し、メレダンドリがスーパーマリオの生みの親である宮本茂と共同制作することを発表した。

2016年 - : ドリームワークス・アニメーション[編集]

2016年4月28日NBCユニバーサルは競合スタジオであるドリームワークス・アニメーションを38億ドルで買収する意向を発表した。合併完了後、メレダンドリがイルミネーションとドリームワークスの両方を監督することが発表された[5]。しかしその後、メレダンドリがドリームワークスの監督を辞退し、代わりにスタジオのコンサルタントになることが発表された。2018年11月6日、メレダンドリがユニバーサルとドリームワークスの『シュレックシリーズ』のリブートに協力することが発表された。しかしメレダンドリは、観客がおそらくシリーズの中で最も記憶に残る部分だったと指摘したため、オリジナルの声優を保持するつもりであることを示した[6]

2021年6月29日、同日行われた日本の大手ゲーム会社である任天堂の定時株主総会での議決により、同社の社外取締役に就任した。アメリカ人が同社の社外取締役に就任するのはメレダンドリが初めてとなる。イルミネーションは任天堂の人気キャラクターであるマリオを題材とした映画製作を2022年公開予定で進めており、同社社長の古川俊太郎はメレダンドリを選任した理由について、「企業経営者として、またエンターテインメント分野において、豊富な経験と知識をお持ちですので、その見地から当社の経営に対して有益な助言をいただくとともに、客観的な立場から適切に当社の経営を監督いただけることを期待しています」とのコメントを出している[7][8][9]

作品[編集]

タイトル 備考
1986年 クイックシルバー英語版 協力プロデューサー
1989年 ブラザーズ・イン・アームズ プロデューサー
1990年 ポチュニティー・ノックス英語版
1993年 Fly By Night エグゼクティブ・プロデューサー
スウィング・キッズ
クール・ランニング
天使にラブ・ソングを2 副エグゼクティブ・プロデューサー
1994年 Trial by Jury英語版 プロデューサー
2002年 アイス・エイジ エグゼクティブ・プロデューサー
どんぐりとスクラット英語版
2005年 ロボッツ
ファンおばさんのお尻ツアー
2006年 アイス・エイジ2
熱血どんぐりハンター!英語版
2008年 ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ
2010年 怪盗グルーの月泥棒 プロデューサー
2011年 イースターラビットのキャンディ工場
2012年 ロラックスおじさんの秘密の種
2013年 怪盗グルーのミニオン危機一発
2015年 ミニオンズ[10]
2016年 ペット[11]
SING/シング
2017年 怪盗グルーのミニオン大脱走[12]
2018年 グリンチ[13]
2019年 ペット2[14]
2021年 SING/シング: ネクストステージ
2022年 ミニオンズ フィーバー
長ぐつをはいたネコと9つの命 エグゼクティブ・プロデューサー
2023年 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー[15] プロデューサー

脚注[編集]

  1. ^ a b TheDartmouth.com: In nod to other famous alum., Meledandri produces ‘Lorax’”. web.archive.org (2012年5月16日). 2021年3月8日閲覧。
  2. ^ Cohen, David S. (2013年10月26日). “Chris Meledandri: Event Films Are Cannibalizing Each Other” (英語). Variety. 2021年3月8日閲覧。
  3. ^ Christopher Meledandri”. IMDb. 2021年3月8日閲覧。
  4. ^ Illumination's Chris Meledandri Talks Success Secrets, Rumors He'll Head DreamWorks” (英語). The Hollywood Reporter (2016年12月9日). 2021年3月8日閲覧。
  5. ^ Facebook (2016年4月28日). “Comcast's NBCUniversal buys DreamWorks Animation in $3.8-billion deal” (英語). Los Angeles Times. 2021年3月10日閲覧。
  6. ^ “In Dismal Summer, ‘Despicable Me 3’ Producer Delivers $1 Billion” (英語). Bloomberg.com. (2017年9月12日). https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-12/in-dismal-summer-despicable-me-3-producer-delivers-1-billion 2021年3月10日閲覧。 
  7. ^ 「ミニオンズ」などを手掛けるアニメーション制作スタジオ、Illumination EntertainmentのCEOが任天堂の社外取締役の候補に マリオのアニメ映画がお披露目される日も近いか”. IGN Japan (2021年5月7日). 2021年9月20日閲覧。
  8. ^ 第81期定時株主総会 質疑応答(要旨)”. 任天堂株式会社. pp. 1-2 (2021年6月29日). 2021年9月20日閲覧。
  9. ^ 任天堂、社外取に米映画製作会社トップ 株主総会”. 日本経済新聞 (2021年6月29日). 2021年9月20日閲覧。
  10. ^ Jr, Mike Fleming (2012年7月23日). “Illumination And Universal Hatch 'Despicable Me' Spinoff About The Minions” (英語). Deadline. 2021年3月10日閲覧。
  11. ^ Jr, Mike Fleming (2014年1月24日). “Chris Meledandri’s Illumination Sets Louis C.K., Eric Stonestreet And Kevin Hart For 3D Animated ‘Pets’ Pic At Universal” (英語). Deadline. 2021年3月10日閲覧。
  12. ^ Steve Burke: NBC's Ratings Woes Hurting Revenues” (英語). The Hollywood Reporter (2013年9月11日). 2021年3月10日閲覧。
  13. ^ Kroll, Justin (2013年2月8日). “Universal, Illumination to reboot ‘The Grinch’” (英語). Variety. 2021年3月10日閲覧。
  14. ^ Mandell, Andrea. “Get ready for 'Secret Life of Pets 2'” (英語). USA TODAY. 2021年3月10日閲覧。
  15. ^ https://twitter.com/nintendoamerica/status/958878633652731904”. Twitter. 2021年3月10日閲覧。

外部リンク[編集]