C.C.メルセデス
千葉ロッテマリーンズ #42 | |
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![]() 2023年 明治神宮野球場 | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | ラ・ロマーナ |
生年月日 | 1994年3月8日(29歳) |
身長 体重 |
188 cm 82 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投両打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2012年 |
初出場 | 2018年7月10日 |
年俸 | 4500万円(2023年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム |
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五輪 | 2021年 |
この表について
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獲得メダル | ||
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オリンピック | ||
銅 | 2020 | 野球 |
クリストファー・クリソストモ・メルセデス(Cristopher Crisostomo Mercedes、1994年3月8日 - )は、ドミニカ共和国ラ・ロマーナ出身のプロ野球選手(投手)。左投両打。千葉ロッテマリーンズ所属。
2021年開催の東京オリンピック 野球 銅メダリスト。
経歴[編集]
巨人入団前[編集]
2012年から2015年までタンパベイ・レイズ傘下のマイナーでプレーし、先発・リリーフで計53試合に登板、6勝10敗、防御率3.48。
2016年には母国ドミニカ共和国でカープアカデミーの一員として、広島東洋カープのユニフォームを着て約1年間プレーした[1]。
2016年に行われた読売ジャイアンツの海外トライアウトで合格した[2]。
巨人時代[編集]

(2017年7月22日)
2017年に育成契約で読売ジャイアンツに入団し、ホルヘ・マルティネスと共に来日した[3]。背番号は026。同年は二軍で18試合に登板し、2勝3敗、防御率3.29。
2018年7月4日のイースタン・東北楽天ゴールデンイーグルス戦で8回2安打無失点と好投するなど主に先発で6試合に登板し防御率2.05と活躍し、7月8日に契約金550万円、年俸550万円(金額は推定)で支配下選手契約を結び、背番号95に変更された[4]。7月10日の東京ヤクルトスワローズ戦で一軍先発デビューし、5回5安打無失点で勝利投手となった。育成出身の初登板・初勝利は2017年4月19日に篠原慎平がリリーフで記録したのに次いで2人目で、先発勝利はメルセデスが史上初だった[5]。7月18日の阪神タイガース戦で7回無失点で2勝目を挙げた。巨人の外国人投手で初登板から2戦2勝はビル・ガリクソン、鄭珉哲、テイラー・ヤングマンに次いで4人目で、また、巨人の投手のデビューから2試合連続無失点勝利は日本人を含めても球団史上初だった[6]。7月24日に左打ちから両打ちへ登録を変更した。シーズン終了まで先発ローテーションの一角を担い5勝を記録。チームのクライマックスシリーズ出場に貢献した[7]。クライマックスシリーズではファーストステージでは出番がなく、ファイナルステージ(広島戦)の第1戦で先発を任されたが、4回途中4失点でKOされ敗戦投手となった。オフに推定年俸860万円で契約を更改した[8]。
2019年は4年ぶりに監督へ復帰した原辰徳の下、開幕から先発ローテーション入りした。安定した投球を見せていたが7月19日に登録を抹消された。8月1日に再登録後は失点数は少なかったが6回未満で降板する試合が目立ち、9月3日の中日ドラゴンズ戦では3回途中2失点で降板して敗戦投手になると翌日登録を抹消された。9月19日に再登録され、同日の中日戦に先発し、勝ち星は付かなかったが6回1失点と好投した。9月22日に登録抹消後はそのまま出番がなかった。最終的に22試合に登板して8勝8敗、防御率3.52の成績を残したが、5回や6回で降板する試合が多かったことからスタミナ面で課題を残し、規定投球回への到達はならなかった。ポストシーズンでは阪神とのクライマックスシリーズファイナルステージ第2戦(10月10日・東京ドーム)に先発すると7回無失点に抑え勝利投手となった[9]。福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズでは10月20日の第2戦(ヤフオク!ドーム)に先発すると5回二死までパーフェクトに抑えるなど6回1安打無失点に抑えた。しかし、打線がメルセデスが降板するまで無得点に抑えられると7回から登板の2番手・大竹寛が松田宣浩に先制3点本塁打を打たれ勝ち越し点を与えたため試合は敗れ勝ち星は逃した[10][11]。オフに、推定年俸1100万円で契約を更改した[12]。
2020年は開幕から先発ローテーションを守っていたが、8月19日の阪神戦で2回を投げ終えた後に左肘の不調を訴え緊急降板し[13]、9月19日には翌日の予告先発投手として発表後に左肘の違和感を理由に登板を回避[14]するなど、左肘の不安が付きまとうシーズンとなり、10月に左肘のクリーニング手術を受けた[15]。シーズン通算で11試合に先発し、4勝4敗、防御率3.10を記録した。オフに、推定年俸4000万円で契約を更改した[16]。
2021年は17試合に登板し、7勝5敗、防御率3.77を記録[17]。12月28日に、推定年俸45万ドル(4950万円)で残留することが発表された[18]。
2022年は20試合に登板し、5勝7敗、防御率3.18だった。オフの12月2日に自由契約公示された[19]。
ロッテ時代[編集]
2022年12月14日に千葉ロッテマリーンズが獲得を発表した[20]。
選手としての特徴[編集]
最速153km/hの速球と、ツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップ、シンカーを操る[21]。
左投げの選手、しかも投手には珍しい両打ち登録で、2018年は実際に右打席も経験したが、2019年からは利き腕を保護するためか左投手相手でも左打席に立ち、5月11日の対ヤクルト8回戦では、同じ左腕の石川雅規から2打席連続安打を打っている。
人物[編集]
- 2016年にはカープアカデミーで1年間プレーしたが、契約更新はされなかった。本人は「理由はあまり分からないんだ」と話したが、野球で大成するという夢を諦めず、同年に行われた読売ジャイアンツのトライアウトに合格した[2]。
- 高級車を連想させる「メルセデス」は母国ではよくある名前で[22]、車は寮生活のため持っていないが、「いつかベンツに乗れるように頑張ります」と答えている[23]。また、シーズンのチーム成績が3位以上の場合、チームで最も活躍した選手にメルセデス・ベンツが贈られる「ヤナセ・ジャイアンツMVP賞」があり、「受賞できれば光栄」と語っている[24]。
- 妻と2017年6月に誕生した長男を故郷に残しているため、妻とのテレビ電話が日課となっている。支配下登録を告げた際には、嬉しさから号泣されたという[25]。
- 寮や球場での食事で毎回のように食べるのが「バナナ丼」で、白米の上に皮をむいて切ったバナナを何本ものせ、何もかけずにそのまま食べている[26]。
- 憧れの選手はランディ・ジョンソン[27]。
- 漫画「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」のファンである[28]。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2018 | 巨人 | 13 | 13 | 2 | 1 | 0 | 5 | 4 | 0 | 0 | .556 | 357 | 92.0 | 69 | 4 | 16 | 0 | 3 | 53 | 1 | 0 | 28 | 21 | 2.05 | 0.92 |
2019 | 22 | 22 | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 | 0 | 0 | .500 | 512 | 120.1 | 137 | 12 | 28 | 1 | 5 | 89 | 2 | 0 | 49 | 47 | 3.52 | 1.38 | |
2020 | 11 | 11 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 0 | .500 | 243 | 58.0 | 53 | 5 | 19 | 2 | 2 | 45 | 0 | 1 | 20 | 20 | 3.10 | 1.24 | |
2021 | 17 | 17 | 0 | 0 | 0 | 7 | 5 | 0 | 0 | .583 | 369 | 86.0 | 96 | 5 | 22 | 1 | 5 | 74 | 0 | 1 | 36 | 36 | 3.77 | 1.37 | |
2022 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 5 | 7 | 0 | 0 | .417 | 458 | 110.1 | 107 | 7 | 31 | 1 | 3 | 74 | 1 | 0 | 44 | 39 | 3.18 | 1.25 | |
通算:5年 | 83 | 83 | 2 | 1 | 0 | 29 | 28 | 0 | 0 | .509 | 1939 | 466.2 | 462 | 33 | 116 | 5 | 18 | 335 | 4 | 2 | 177 | 163 | 3.14 | 1.24 |
- 2022年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2018 | 巨人 | 13 | 2 | 21 | 0 | 1 | 1.000 |
2019 | 22 | 6 | 29 | 0 | 2 | 1.000 | |
2020 | 11 | 0 | 15 | 0 | 1 | 1.000 | |
2021 | 17 | 5 | 9 | 1 | 0 | .933 | |
2022 | 20 | 11 | 20 | 0 | 1 | 1.000 | |
通算 | 83 | 24 | 94 | 1 | 5 | .992 |
- 2022年度シーズン終了時
表彰[編集]
- スピードアップ賞:1回(投手部門:2019年)
記録[編集]
- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発・初勝利:2018年7月10日、対東京ヤクルトスワローズ13回戦(明治神宮野球場)、5回無失点
- 初奪三振:同上、3回裏にデビッド・ブキャナンから見逃し三振
- 初完投勝利:2018年8月2日、対横浜DeNAベイスターズ17回戦(横浜スタジアム)、9回2失点
- 初完封勝利:2018年8月24日、対阪神タイガース19回戦(東京ドーム)、9回2被安打2四球
- 初セーブ:2023年5月24日、対埼玉西武ライオンズ9回戦(ZOZOマリンスタジアム)、7回表に2番手で救援登板・完了、3回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2018年7月10日、対東京ヤクルトスワローズ13回戦(明治神宮野球場)、3回表にデビッド・ブキャナンから空振り三振
- 初安打・初打点:2018年8月24日、対阪神タイガース19回戦(東京ドーム)、4回裏に秋山拓巳から中越適時二塁打
背番号[編集]
- 026(2017年 - 2018年7月8日)
- 95(2018年7月8日 - 同年終了)
- 42(2019年 - )
登場曲[編集]
- 「No es por mi fuerza」Melvin Free(2018年 - 2019年6月、2020年7月 - )
- 「Wow」Madiel Lara x Natan x Philip(2019年 - 2020年6月)
代表歴[編集]
脚注[編集]
- ^ “【巨人】育成出身初の初登板初先発勝利、メルセデスはカープアカデミー出身だった”. スポーツ報知 (2018年7月11日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ a b “【巨人】新星・メルセデスと球団をつないだ運命のトライアウト…名スカウト大森剛氏に聞く”. スポーツ報知 (2018年7月11日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “巨人、メルセデス投手マルティネス内野手と育成契約”. 日刊スポーツ (2017年1月5日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “巨人メルセデス支配下契約 即1軍デビューの可能性”. 日刊スポーツ (2018年7月8日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “巨人メルセデス 篠原以来の育成初登板初勝利”. スポニチアネックス (2018年7月11日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “巨人メルセデス球団史上初!2試合連続無失点勝利”. 日刊スポーツ (2018年7月19日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “【巨人】メルセデスがドミニカ共和国へ帰国「まずは家族の顔を見てゆっくり過ごしたい」”. スポーツ報知 (2018年10月21日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “巨人、ヤングマンら残留…マギー&カミネロは退団”. サンケイスポーツ (2018年11月15日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “虎キラー真骨頂!巨人・メルセデス、7回0封CS初勝利”. SANSPO.COM (2019年10月11日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “【日本シリーズ】巨人・メルセデス 5回途中まで完全投球”. 東京スポーツ (2019年10月21日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “巨人・大竹、痛恨の3ラン被弾 6回1安打無失点のメルセデスの後、2番手で登板も1死も取れず降板”. Sponichi Annex (2019年10月20日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “【巨人】メルセデス1100万円、デラロサ1億3000万円で来季残留決定”. スポーツ報知 (2019年11月26日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “【巨人】メルセデスが左肘のコンディション不良で登録抹消へ 宮本コーチが明言”. スポーツ報知. (2020年8月19日) 2021年4月23日閲覧。
- ^ “巨人・メルセデス 20日の先発回避、左肘違和感 畠が急きょ登板へ”. スポニチ Sponichi Annex. (2020年9月19日) 2021年2月15日閲覧。
- ^ “巨人メルセデス左肘手術 今季中の復帰は絶望”. 日刊スポーツ. (2020年10月27日) 2021年2月15日閲覧。
- ^ “巨人がサンチェス、デラロサ、ウィーラーら外国人6選手と来季契約締結を発表”. 東京中日スポーツ. (2020年12月21日) 2021年2月5日閲覧。
- ^ “(巨人・投手編)2021年プロ野球、各球団の助っ人外国人選手の今季を振り返る 守護神定着のビエイラはNPB最速記録更新”. ベースボールチャンネル. p. 2 (2021年12月17日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ “巨人デラロサら外国人4選手と契約 ダニエル・ミサキら4選手と育成契約”. 日刊スポーツ (2021年12月28日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ “2022年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2022年12月2日). 2022年12月2日閲覧。
- ^ “C.C.メルセデス投手 入団について|千葉ロッテマリーンズ”. 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト. 2022年12月14日閲覧。
- ^ “巨人メルセデスは手料理で愛妻ゲット、日本では夢を”. 日刊スポーツ (2018年3月9日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “【巨人】152キロ左腕メルセデスが支配下登録! 昇格即、1軍先発デビューも”. スポーツ報知 (2018年7月7日). 2018年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月24日閲覧。
- ^ “ツイート内容”. スポーツ報知・巨人取材班(Twitter) (2018年7月10日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “育成の巨人メルセデス いつかベンツを「受賞できれば光栄」”. スポニチアネックス (2017年1月18日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “メルセデス“Gクラス”1勝!育成史上初 初登板初先発白星”. スポニチアネックス (2018年7月11日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “【巨人】メルセデスの“チカラ飯”はバナナ丼「何もかけないでそのまま食べる」”. スポーツ報知 (2018年7月19日). 2018年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月24日閲覧。
- ^ “巨人、最速152キロ左腕メルセデスを支配下登録 10日ヤクルト戦で先発へ”. サンスポ (2018年7月9日). 2021年4月23日閲覧。
- ^ “丸佳浩『るろうに剣心展』に懐かしむ「カタログを今度(大ファンの)CCにも見せてあげます!」【巨人】”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2021年2月5日). 2021年2月17日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 個人年度別成績 C.C.メルセデス - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の通算成績と情報 MLB、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Cristopher Crisostomo stats MiLB.com (英語)