クラウジウスの不等式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
連続体力学
BernoullisLawDerivationDiagram.svg


クラウジウスの不等式: Clausius–Duhem inequality [1] [2] )とは、連続体力学において熱力学第二法則を表現する方法である。本不等式材料の構成式熱力学的に許容可能であるかどうかを決定するのに特に有用である [3]

また、本式は特にエネルギーの散逸が関与している場合、自然過程の不可逆性に関する記述となる。式の名前はドイツ物理学者ルドルフ・クラウジウスフランスの物理学者ピエール・デュエムに因んで名付けられた。

比エントロピーの観点から見たクラウジウスの不等式[編集]

クラウジウスの不等式は以下のように積分形式で記述することが可能である。

上式では時間、は体を表し、体の体積を区間として積分している。は体の表面、は体の質量密度は比エントロピー (単位質量あたりのエントロピー)、法線速度、内部の粒子の速度は表面の単位法線、は熱流ベクトル、は単位質量あたりのエネルギー源、は絶対温度。全ての変数は質点、時間においてのものである。

微分形式では、クラウジウスの不等式は以下のように表される。

ここでの時間微分、ベクトル発散

比内部エネルギーの観点から見たクラウジウスの不等式[編集]

クラウジウスの不等式は内部エネルギーの観点から以下のように記述可能である。

ここでは比内部エネルギー (単位質量あたりの内部エネルギー)の時間微分、コーシー応力は速度勾配。上記の不等式は、エネルギーのバランスと、線形および角運動量のバランスをクラウジウスの不等式に組み入れる。

発散[編集]

は、単位体積当たりの内部エントロピーの生成速度と絶対温度の積として定義される発散量(散逸)である。ゆえにクラウジウスの不等式は散逸不等式とも言われる。 実際の材料では、散逸は常にゼロよりも大きい。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Truesdell, Clifford (1952), “The Mechanical foundations of elasticity and fluid dynamics”, Journal of Rational Mechanics and Analysis 1: 125–300 
  2. ^ Truesdell, Clifford & Toupin, Richard (1960), “The Classical Field Theories of Mechanics”, Handbuch der Physik, III, Berlin: Springer 
  3. ^ Frémond, M. (2006), “The Clausius–Duhem Inequality, an Interesting and Productive Inequality”, Nonsmooth Mechanics and Analysis, Advances in mechanics and mathematics, 12, New York: Springer, pp. 107–118, doi:10.1007/0-387-29195-4_10, ISBN 0-387-29196-2 

外部リンク[編集]