ギャバジン (織物)

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バーバリーによる防水ギャバジン・スーツの広告、1908年
ギャバジン

ギャバジン英語: Gabardine)は、織目がきつく丈夫に作られた綾織りの布で、スーツ外套ズボン制服ウインドブレーカーなどに用いられる。日本では略してギャバと呼ばれることもある[1][2]

伝統的にはウーステッド(梳毛)(worsted)のウール(羊毛)を用いて織られるが、コットン(木綿)や、ポリエステル繊維、あるいは混紡でも織られることがある。ウールのギャバジンが本格的な冬物に使用されるのに対し、綿やポリエステルで織ったギャバジンは薄手の春物のコートなどに使われることが多い[2]

ギャバジンは、綾目(綾線)が通常、ないし、より傾斜の強い綾織りで織られており、表面には特徴的な斜めの模様が現れ、裏面は滑らかになる。ギャバジンでは、横糸(緯糸)よりも縦糸(経糸)の本数の方が常に多くなる[3][4][5]

オーダーメイドの仕立て屋(テーラー)は、背広ポケットが通常の弱い生地の裏地では穴が空きそうな場合に、コットン製のギャバジンを裏地として用いられることがある。[要出典]

ギャバジンでできた服は、ウール生地の服の場合に典型的であるように、ドライクリーニングにしか適さないと表示されるのが普通である。

ギャバジンは布の名称であるが、同時にこの布を織る綾織りの手法をこう呼ぶこともあり、また、この布で作られたレインコートをこう呼ぶこともある。

歴史[編集]

ギャバジンは、イングランド南部のハンプシャーベイジングストーク(Basingstoke)の洋装店バーバリーの創業者トーマス・バーバリー(Thomas Burberry)が、1879年に発明し、1888年に特許を取得したものである。原料の繊維は、ウーステッド(梳毛)、ないし、ウーステッド・コットンで、製織工程(織り上げ)に入る前に防水加工が施され、きつく織り上げられた布は水をはじくほどになるが、着心地はゴム引き布よりずっと良い[4]。この布の名称は、もともと中世に着られた緩やかなクロークないしガウンを意味し、後に雨用のクロークや、身体を保護するスモックなどを意味するようになった「ギャバジン (gaberdine, gabardine)」という言葉に由来している[5][6]

バーバリー製のギャバジンの服は、1911年南極点に到達したロアール・アムンセン南極大陸横断探検隊を率いたアーネスト・シャクルトンをはじめ、極地探検家たちに愛用された。1924年エベレスト初登頂を目指したジョージ・マロリーが遭難した際にも、彼はこの布で作られたジャケットを着用していた[7]

出典・脚注[編集]

  1. ^ ギャバジン”. LONNER. 2011年11月28日閲覧。
  2. ^ a b ギャバジン”. アパレル用語辞典. 2011年11月28日閲覧。
  3. ^ Kadolph (2007), pp. 240, 472
  4. ^ a b Cumming (2010), p. 248.
  5. ^ a b Picken (1957), p. 145
  6. ^ Cumming (2010), p. 88.
  7. ^ Replica clothes pass Everest test (from BBC News Online)

参考文献[編集]