ギフト (企業)

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株式会社ギフトホールディングス
GIFT HOLDINGS INC.
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[1]
市場情報
本社所在地 日本の旗 日本
194-0022
東京都町田市森野一丁目23番19号
小田急町田森野ビル3階
設立 2009年12月7日
業種 小売業
法人番号 3012301007868
事業内容 飲食店の経営
代表者 代表取締役社長 田川翔
資本金 7億8634万円
(2020年10月期)
発行済株式総数 993万株
(2020年10月31日現在)
売上高 連結: 109億8233万円
単独: 99億6511万円
(2020年10月期)
経常利益 連結: 5億1201万円
単独: 6億3410万円
(2020年10月期)
純利益 連結: 1億1266万円
単独: 3億681万円
(2020年10月期)
純資産 連結: 31億789万円
単独: 35億6163万円
(2020年10月期)
総資産 連結: 68億7210万円
単独: 72億178万円
(2020年10月期)
従業員数 就業人数: 400人
ほか、平均臨時雇用人員: 616人
(連結・2020年10月31日現在)
支店舗数 直営: 122店舗
プロデュース: 410店舗
(2020年10月期)
決算期 毎年10月31日
会計監査人 監査法人東海会計社
外部リンク https://www.gift-group.co.jp/
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株式会社ギフトホールディングス(ぎふとほーるでぃんぐす、: GIFT Inc.)は、東京都町田市に本社を置く企業。横浜家系ラーメンチェーン店町田商店」などのラーメン店の運営や、ラーメン店のプロデュースを主な事業とする[2]

概要[編集]

2008年1月に社長の田川翔らが東京都町田市創業した町田商店1号店を事業の源流とする[3][4]2009年12月に「株式会社町田商店」(現・株式会社ギフトホールディングス)として法人化[2]:42010年8月に2号店を開業し、以後店舗数を増加させていった[3][4]2018年10月、東証マザーズ株式上場[2]:42020年9月、東証一部市場変更[5]

事業内容は、町田商店をはじめとする直営店の運営と、ラーメン店のプロデュースである[2]:7。直営店事業部門では、国内で横浜家系ラーメンや豚骨ラーメンなどの店舗を運営するほか、海外にも3店舗を展開する[2]:5-8。プロデュース事業部門では、店舗運営ノウハウコンサルティングを提供しつつ、タレスープなどの自社食材の継続取引から利益を上げる形態を採る[2]:7[3]。 麺は大半を平塚市横浜市の自社製麺工場で製造しているが、タレ・スープは大手食品メーカーに生産を委託している[2]:11。子会社の株式会社ラーメン天華に食材を卸していた株式会社ケイアイケイフーズを2019年8月に買収し、同社那須工場で餃子を製造する[2]:4,8。関西地方向けに2020年10月に丹波篠山市に丹波篠山工場(製麺工場)を新設した[2]:4,19

沿革[編集]

創業[編集]

創業者の田川翔は高校卒業後の2001年11月、10年以内の独立を目標に壱六家を運営する有限会社ヒロキ・アドバンスに入社[2]:4[6]修行を重ね、2005年11月には磯子本店の店長に就任[2]:4[6]、独立のため2007年8月に退職した[7]。開業地を探す中で町田の街を気に入り[7]、2008年1月に開業に漕ぎ着けた[8]。田川によると「町田商店」の店名は、家系ラーメン店の定番である「◯◯家」をあえて外し、親しみを持てるように地名の「町田」と暖かみを感じる「商店」を組み合わせたという[4]:3[8]。当初は独自にスープを開発したが、理想とするスープに仕上がらず店を開けないときもあり、壱六家で修行した方法をもとに安定したスープを展開する決断を下した[4]:4[8]

2号店[編集]

売り上げは順調に増加し、オープンから2年後には2号店の出店の話が持ち上がった[8]。ラーメン店の匂いに難色を示す大家が多く物件探しが難航する中、スープを他の場所で作ることを条件に契約できる物件にたどり着く[4]:4[8]。そこで、レシピを使ったスープ製造を委託できる業者を探したところ、どの業者も少なくとも10店舗分以上のロットが必要という[4]:4[8]。開拓の結果、スープを共同で用いるラーメン店10店舗を集めることができた[4]:4[8]。こうして2010年8月に2号店となる「代々木商店」を代々木に出店した[8]

プロデュース業[編集]

スープの共有先のオーナーの紹介で、スープを使いたいという他のラーメン店にもスープを提供するようになる[9]。店舗運営ノウハウなどのコンサルティングもあわせて行うことで、多くの繁盛店を生み出したという[4]:4[9]。ここからラーメン店プロデュース業としても拡大していった[9]

直営店舗[編集]

町田商店[編集]

町田商店のラーメン

壱六家の系譜「壱系」の横浜家系ラーメンで、豚ガラを乳化するまで煮込んだ濃厚でクリーミーなスープが特徴[4]:3[10][11]。 自社製麺工場「四之宮商店」で3種類の小麦を独自に配合して製造された中太麺などを使用する[2]:5[3]海苔ほうれん草ウズラの卵チャーシューが基本のトッピング[11][12]。 麺の固さ、スープの濃さ、脂の量をカスタマイズして注文できるほか、客席には豆板醤ラー油などの調味料と並んで漬物や刻みショウガ・刻みタマネギ・おろしニンニクなどが常備されており、無料でトッピングすることができる[2]:5[10][11]

主に都市部では、「代々木商店」「池袋商店」「四谷商店」のように、地名を冠した「◯◯商店」の店名での出店も多い[10][11]。一方で、ロードサイド店舗では「町田商店」の店名で出店している[4]:3。これらの町田商店系列の店舗を総称して「町田商店系」とも呼ばれる[4][13]

地域の客層を考慮してスープの仕上げを調整するなど[12]、味づくりは店舗によって異なる[4]:5

釜焚きとんこつ ばってんラーメン・がっとん[編集]

細麺で、濃厚な豚骨ベースの九州ラーメン[14][15]替え玉が可能であることが特徴[2]:5

四天王[編集]

2015年にコロワイドから買収した、訪日外国人向けの業態[13][14]。すっきりした豚骨スープが特徴の九州とんこつラーメン[14][15]

ラーメン豚山[編集]

豚骨ベースの醤油スープでにんにく・野菜・背脂などを調整できるのが特徴[2]:5[16]の、いわゆる二郎インスパイアのラーメン[17]。にんにくは大さじ2杯、野菜は600gまで増量可。

みそラーメン店舗[編集]

2019年8月に買収した「株式会社ラーメン天華」による9店舗[16]。野菜の旨みを含んだ味噌ベースのラーメン[2]:5

E.A.K. RAMEN[編集]

家系ラーメンをベースに海外展開する業態で、ロサンゼルスで1店舗、ニューヨークで2店舗を運営している[2]:7[14]

プロデュース部門[編集]

プロデュース事業部門のビジネスモデルフランチャイズ方式とは異なり、ロイヤルティーを課すものではない[2]:7[3]プライベートブランドの麺・タレ・スープ・その他食材の継続提供を条件に店舗運営ノウハウのコンサルティングを有償・無償で提供し、食材卸売による利益を上げるモデルを採用している[2]:15[4]:4[3]。プロデュース先の中でも「壱角家」は多数の店舗を出すまでに成長した[4]:4

ラーメン評論家や熱狂的なラーメンファンの中には、セントラルキッチンを採用しチェーンやフランチャイズで展開する家系ラーメン店を「資本系」と呼び、一定の意義は認めながらも、厳しい修行を積んだ職人の技術を必要とする吉村家直系店やその系譜を継ぐ店からなる「本来の家系」と区別する者もいる[18][19]。中でもギフトホールディングスは「資本系」の代表格とされる[19]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ コーポレート・ガバナンス - 株式会社ギフトホールディングス
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 株式会社ギフトホールディングス (2020年1月30日). “有価証券報告書-第11期 (PDF)”. 2021年11月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 遠山綾乃 (2018年10月27日). “家系ラーメン「町田商店」が抱く全国制覇の夢”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2020年9月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 長浜淳之介 (2019年2月19日). “横浜家系ラーメンで“天下取り”目指す「町田商店」の野望”. ITmedia ビジネスオンライン. ITmedia. 2020年9月15日閲覧。
  5. ^ 株式会社ギフトホールディングス (2020年9月11日). “東京証券取引所市場第一部への上場市場変更承認に関するお知らせ (PDF)”. 2020年9月15日閲覧。
  6. ^ a b 井戸実 (2015年2月8日). “【飲食起業記】大繁盛ラーメン店『町田商店』(その1) 「基礎を学んだサラリーマン時代」”. まぐまぐニュース!. 2020年9月26日閲覧。
  7. ^ a b 井戸実 (2015年2月12日). “【起業記】大繁盛ラーメン店『町田商店』(その2) 「会社を退社し波乱の起業準備」”. まぐまぐニュース!. 2020年9月26日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 井戸実 (2015年2月19日). “【起業記】大繁盛ラーメン店『町田商店』を作った男が綴る(その3) 「第1号店を開業」”. まぐまぐニュース!. 2020年9月26日閲覧。
  9. ^ a b c 井戸実 (2015年3月1日). “【起業記】大繁盛ラーメン店『町田商店』(その4) 「店舗プロデュースへ」”. まぐまぐニュース!. 2020年9月26日閲覧。
  10. ^ a b c 刈部山本 (2020年2月12日). “全国で大増殖、「町田商店」が家系ラーメンで“独り勝ち”の理由”. マネー現代. 講談社. 2020年9月15日閲覧。
  11. ^ a b c d 家系ラーメン「町田商店」の魅力解剖 ファンが目指す「完まく」とは?”. マネーポストWEB. 小学館 (2019年3月3日). 2020年9月15日閲覧。
  12. ^ a b 祖師谷に横浜家系ラーメン「祖師谷商店」-豚骨しょうゆスープにスモーク焼き豚”. 二子玉川経済新聞 (2014年12月19日). 2020年9月27日閲覧。
  13. ^ a b 駅前東口ラーメン店「綱島商店」と日吉浜銀通り「がっとん」の運営会社が上場”. 横浜日吉新聞 (2018年9月18日). 2020年9月15日閲覧。
  14. ^ a b c d 世界一のラーメン企業を目指す「ギフトホールディングス」ってどんな会社?”. M&A Online. 株式会社ストライク (2018年11月17日). 2020年9月15日閲覧。
  15. ^ a b ブランド・事業紹介”. 株式会社ギフトホールディングス. 2020年9月15日閲覧。
  16. ^ a b 「味噌ラーメン」が援軍に ギフトホールディングスの戦線が拡大”. M&A Online. 株式会社ストライク (2019年7月18日). 2020年9月15日閲覧。
  17. ^ 石澤理香子 (2019年8月4日). “超大盛り! 『ラーメン豚山』の巨大すり鉢ラーメンを食べてきた”. 食楽web. 徳間書店. 2020年9月29日閲覧。
  18. ^ 青柳直弥 (2016年7月6日). “人気の家系ラーメン、なぜ勝手に名乗る店が急増?実は明確なルールなし?”. Business Journal. サイゾー. 2020年9月27日閲覧。
  19. ^ a b 井出隊長 (2020年9月26日). “六角家の破産に見た家系ラーメンの重要な岐路 職人なしでも全国に広げたのは「資本系」の力だ”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2020年9月26日閲覧。

外部リンク[編集]