キングズバーンズ

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キングズバーンズ
欧字表記 Kingsbarns
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2010年2月20日
死没 2018年5月16日[1]
Galileo
Beltisaal
母の父 Belmez
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 Mrs. Ann Marie O’Brien
馬主 Mrs. John Magnier
Michael Tabor
Derrick Smith
調教師 Aidan P. O’Brienアイルランド
競走成績
生涯成績 8戦2勝
獲得賞金 364,634ポンド
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キングズバーンズKingsbarns2010年2月20日 - 2018年5月16日)はアイルランド競走馬。おもな勝ち鞍は2012年レーシングポストトロフィー

経歴[編集]

デビュー前[編集]

2010年2月20日、アイルランドで生まれる。生産者はアン・マリー・オブライエン。その夫であるエイダン・オブライエンのバリードイル厩舎に所属し、主戦騎手は二人の息子であるジョセフ・オブライエンが務めることとなった。

競走馬時代[編集]

10月10日、ナヴァン競馬場の1マイルのメイドン(未勝利戦)でデビュー。他にこれといった有力馬はおらず、キングズバーンズのSP[† 1]は4/11(約1.36倍)という圧倒的1番人気であった。レースでも人気同様に、2着以下に圧倒的な力の差を見せつけて7馬身差で優勝。レース後、騎手のジョセフ・オブライエンはその素質を高く評価した一方で、「彼は先頭に立ってからは何をすべきか全くわかっていなかった」「レース後にキャンターで戻ってくる方法すら知らない、トロットで戻ってくるしかなかった」と語り[2]、まだまだ幼い馬であることを指摘した。そのため当初2歳戦はこの一戦だけに留め、来シーズンに備える予定であったが[3]、その後の調教での様子を見て陣営は予定を変更、17日後のG1レーシングポストトロフィーに追加登録をして出走することが決まった[4]。いきなりのG1挑戦ではあったが、キングズバーンズはここでも1番人気となった。レースでは4番手を追走し、早めに先頭に立つとそのまま押し切り、2着に1馬身3/4の差をつけて優勝した。この勝利で、キングズバーンズは一躍翌年のダービーの最有力候補に躍り出た[5]。ジョセフ・オブライエンは「先頭に立ってからは耳を立てて(気を抜いて)いた」と前走同様の課題を指摘しつつも、その能力を高く評価し、「ダービーだけでなく2000ギニーをも狙える器」との見解を示した[6]。父エイダン・オブライエンも、「彼にはこれから学ぶべきことがたくさんある」とこれからの成長の必要性を感じながらも、「スピード指数、心拍の回復力、容姿、フォーム、厩舎でのあらゆる振る舞い、全ての項目にチェックマークが入る馬だ」とその素質への賛辞を惜しまなかった[6]

3歳シーズン以降は勝利することなく、4歳シーズンの2014年10月18日のクイーンエリザベス2世ステークス6着[7]を持って現役を引退した。

競走成績[編集]

出走日 競馬場 競走名 頭数 人気 着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム 着差 1着(2着)馬
2012.10.10 ナヴァン メイドン 8 1人 1着 J.オブライエン 131lb 芝8f (Sft) 1:51.05 7馬身 (Risk Return)
0000.10.27 ドンカスター レーシングポストT G1 7 1人 1着 J.オブライエン 126lb 芝8f (Sft) 1:40.32 1 3/4馬身 (Van der Neer)
  • 馬場状態: Sft=Soft

引退後[編集]

Drakenstein Studで繋養されていた。2018年5月16日に死去した[1]

血統表[編集]

キングズバーンズ血統(サドラーズウェルズ系 Northern Dancer 3×4・5=21.875%、Buckpasser5×5=6.25%) (血統表の出典)

Galileo
1998 鹿毛
父の父
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
父の母
Urban Sea
1989 栗毛
Miswaki Mr.Prospector
Hopespringseternal
Allegretta Lombard
Anatevka

Beltisaal
1994 鹿毛
Belmez
1987 鹿毛
El Gran Senor Northern Dancer
Sex Appeal
Grace Note Top Ville
Val de Grace
母の母
*Ittisaal
1987 黒鹿毛
Caerleon Nijinsky
Foreseer
House Tie Be Friendly
Mesopotamia F-No.10-c


血統背景[編集]

  • 母Beltisaalは未勝利馬。産駒にはセニョリータステークス(アメリカG3芝1m)勝ち馬Sweeter Stillなど。
  • 祖母Ittisaal(イティサール)は後年日本で供用され、産駒にユーワインパルス(中央競馬2勝)などがいる。
  • 同じく父にGalileoを持ち、インターナショナルステークスなどG1を3勝したRip Van Winkleと同じ牝系である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ Starting Price(スターティングプライス) 各社ブックメーカーの(出走直前の)最終賭け率の平均値。

出典[編集]

  1. ^ a b Racing Post Trophy winner Kingsbarns dies at stud from colic aged eight” (英語). racingpost.com. 2019年2月13日閲覧。
  2. ^ kingsbarns earns classic quotes” (英語). sportinglife.com. 2012年10月30日閲覧。
  3. ^ Kingsbarns Reigns in Trophy” (英語). sportinglife.com. 2012年10月30日閲覧。
  4. ^ Unbeaten duo added to Racing Post Trophy field” (英語). RACING POST.com. 2012年10月27日閲覧。
  5. ^ Kingsbarns New Derby Favourite” (英語). sportinglife.com. 2012年10月30日閲覧。
  6. ^ a b 『RACING POST』2012年10月28日付、2頁。
  7. ^ 2014年クイーンエリザベス2世ステークス結果レーシングポスト、2015年8月10日閲覧

参考文献[編集]

  • Horse Kingsbarns” (英語). RACING POST.com. 2012年10月27日閲覧。
  • Kingsbarns” (英語). Pedigree Online Thoroughbred Database. 2012年10月27日閲覧。

外部リンク[編集]