キングズ・インディアン・ディフェンス

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キングズ・インディアン・ディフェンス
abcdefgh
8
a8 black rook
b8 black knight
c8 black bishop
d8 black queen
e8 black king
h8 black rook
a7 black pawn
b7 black pawn
c7 black pawn
d7 black pawn
e7 black pawn
f7 black pawn
g7 black bishop
h7 black pawn
f6 black knight
g6 black pawn
c4 white pawn
d4 white pawn
c3 white knight
a2 white pawn
b2 white pawn
e2 white pawn
f2 white pawn
g2 white pawn
h2 white pawn
a1 white rook
c1 white bishop
d1 white queen
e1 white king
f1 white bishop
g1 white knight
h1 white rook
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh

キングズ・インディアン・ディフェンス (King's Indian Defence) は、チェスオープニングの1つ。1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7が基本形となる。

概要[編集]

キングズ・インディアン・ディフェンスは、ハイパーモダンとよばれる定跡の一つ。黒の作戦はセンターの支配を白に一時的に許すが、その後e5またはc5とポーンを突くことによってセンターを崩そうとすることである。

1930年代半ばまでは、かなり疑わしい定跡とされていたが、3人のウクライナチェス選手(コンスタンチノポルスキー・ボレスラフスキー・ブロンステイン)らの研究により、一般的な定跡となった。世界チャンピオンカスパロフフィッシャータル等が黒で引き分けの少ない戦法として好んで指した。ECOコードは、[E60]~[E99]である。

主な変化[編集]

クラシカル・システム、ゼーミッシュ・ヴァリエーション、フィアンケット・システムがよく指されており、他にもフォー・ポーンズ・アタック等多くの変化がある。

クラシカル・システム[編集]

4.e4 d6 5.Nf3 0-0 6.Be2 e5。 現在、もっとも多く指されている変化である。4.e3と指すのはc1のビショップの働きが悪くなるので良くない。

  • メインライン

その後の継続手は、7.0-0 Nc6 8.d5 Ne7と指されることが多い。白の9手目は、Ne1, Nd2, b4などがある。白はクイーンサイドから、黒はキングサイドから攻撃することになる。

  • 昔のメインライン

7.0-0 Nbd7は、昔は多く指されたが、最近は...Nc6のほうが多く指される。

  • モダン・ヴァリエーション

7.0-0 Na6は、近年多く指されている。

  • ペトロシアン・システム

7.d5は、メインラインと似たような展開になることが多い。

  • エクスチェンジ・ヴァリエーション

7.dxe5 dxe5 8.Qxd8 Rxd8は互角で、引き分けになることが多い。

ゼーミッシュ・ヴァリエーション[編集]

4.e4 d6 5.f3

5...0-0 6.Be3のあと、黒の6手目は、c5,Nc6,e5などの変化がある。

フィアンケット・システム[編集]

4.g3 0-0 5.Bg2 d6 6.Nf3 Nbd7 7.0-0 e5 8.e4 exd4

白も黒同様フィアンケットする。

アヴァーバク・ヴァリエーション[編集]

4.e4 d6 5.Be2 0-0 6.Bg5

フォー・ポーンズ・アタック[編集]

4.e4 d6 5.f4 0-0 6.Nf3

参考文献[編集]

有田謙二『チェス・マスター・ブックス1~定跡と戦い方』河出書房新社、1995年。ISBN 4-309-72171-0 

de Firmian, Nick (1999). Modern Chess Openings 14th edition. New York: David McKay Co.. ISBN 0-8129-3084-3 

Gallagher, Joe (2002). Starting out:the King's indian. London: Gloucester Publishers plc. ISBN 1-85744-234-2