キル・コマンド

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キル・コマンド
Kill Command
監督 スティーヴン・ゴメス
脚本 スティーヴン・ゴメス
製作
  • Allan Niblo
  • James Richardson
  • Jim Spencer
出演者
音楽 Stephen Hilton
撮影 Simon Dennis
編集
  • Celeste Bothwick
  • Alex Mackie
製作会社 Vertigo Films
配給
  • Vertigo Films
  • Front Row Filmed Entertainment
  • Parco Co. Ltd.
公開 イギリスの旗 2016年5月13日
日本の旗2016年7月18日[1]
上映時間 99分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
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キル・コマンド』(原題:Kill Command、通称:Identify [2])は、スティーヴン・ゴメスが脚本・監督を務め、トゥーレ・リントハートヴァネッサ・カービーが主演した2016年のイギリスSFアクションホラー映画。物語は、戦争用AIに対する訓練ミッションが失敗に終わった後、生き延びようとするアメリカ海兵隊の部隊に焦点を当てている。

日本においては、2016年7月に東京都新宿区にあるシネマカリテで行われた「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016」というイベントで上映された[1]

あらすじ[編集]

テクノロジーが発達した近未来、ハービンジャー社に勤めるサイボーグキャサリン・ミルズは、非公開の軍事訓練島”ハービンジャーⅠ訓練施設”に設置された戦争用AIシステムに関する再プログラム異常を発見する。彼女はダミアン・ビュークス大尉と彼のチーム(ドリフターロビンソンカットビルグッドウィンハケットロフタス)と合流し、ハービンジャーⅠでの2日間の訓練任務を課される。

彼らが施設に到着すると、外部との通信が遮断され、島内でのアクセスしかできなくなっていた。また、自律的に動く監視ドローンが彼らを監視しているのを発見する。チームは、AIの脅威を排除するというミッションを開始する。AIドローンを自分たちに有利な位置から排除していたため、最初の戦闘は簡単に終わったのだった。その戦闘中、ミルズは高度なS.A.R.(Study Analyze Reprogram)ユニット「S.A.R.-003」を発見するが、それにアクセスすることはできなかった。

その夜、ドリフターとミルズは互いの過去やビュークスのミルズに対する見下した態度について話し合う。その後、ロフタスがS.A.R.ユニットによって殺されてしまう。翌日、最初に遭遇した場所でロフタスの遺体を発見する。ドローンはチームが元々陣取っていた有利なポイントを奪取し、ハケットを殺害する。A.I.が自分たちの戦術に適応し、学習していることを発見する。ビュークスが2体のドローンを挟み撃ちにしたことで、ドローンはすぐに撤退した。その後、S.A.R.ユニットはカットビルを捕らえ、カットビルは別のドローンに撃たれて殺されてしまう。ドローンは再び一行を襲い、ビュークスとミルズはドリフター、ロビンソン、グッドウィンとはぐれてしまう。その夜、S.A.R.ユニットはビュークスと意識を失ったミルズを発見し、ミルズと"接続"して立ち去る。

翌日、チームは訓練場を脱出しようとするが、煙と銃撃に襲われる。ドリフターはS.A.R.ユニットに撃たれ、その場から動けなくなってしまう。ビュークスはS.A.R.ユニットより先に、苦しまないよう一撃でドリフターを射殺する。バリア施設に逃げ込んだチームは、A.I.が従業員を皆殺しにしたことを知る。ミルズは別のS.A.R.ユニットを起動させ、S.A.R.-003が兵士のモチベーション向上のためにA.I.に致死的な力を行使するよう再プログラムし、単独でハービンジャーⅠに向かうように指示したことを知る。S.A.R.-003と他のユニットが、バリアドアを突破し、生き残ったチームは裏から脱出する。ミルズは、S.A.R.ユニットを停止させることが出来るEMP装置を発見するが、その使用は、彼女自身も機能停止に陥らせ、心をも抹消する可能性があるのだった。

ビュークス、ミルズ、ロビンソン、グッドウィンの4人は、包囲網に備えて爆発物を設置した。翌日、A.I.ドローンが施設を襲撃する。チームはドローンの半数以上を撃破するが、その後の銃撃戦でロビンソンが死亡する。S.A.R.-003がチームに接近すると、ミルズがEMPを爆発させ、自分自身とドローンを無力化する。S.A.R.ユニットが再起動し、ビュークスとミルズに襲い掛かる。ミルズは、建物内のロビンソンの狙撃ライフルを操作してS.A.R.ユニットを破壊するが、S.A.R.はミルズにプログラムをアップロードした後、シャットダウンし、ミルズは意識を失ってしまう。数時間後、生存者を救出するためにティルトローターが到着する。ビュークスとグッドウィンが機体に近づくと、ミルズはS.A.R.-003のミッション・プロトコルを使って再び意識を取り戻す。

キャスト[編集]

公開[編集]

この映画は2016年5月13日に英国で公開され、2016年11月25日に米国で限定上映された。

撮影[編集]

森のシーンはサリー・ヒルズのコールドハーバー村の近くで撮影され、プロダクションデザイナーのジェイミー・ラプスリーがロイヤル・アルバート・ドックの建物内に建てたセットで撮影され、フィナーレはミドルセックスのヘイズにあるEMIのOld Vinyl Factoryで撮影された。

評価[編集]

『キル・コマンド』は、おおむね好評を博し、12件のレビューに基にしたRotten Tomatoesの評価は75%に達した[3]ガーディアン誌のPeter Bradsha氏は、本作を「優れたSFアクション・スリラー」と評した[4]。また、First ShowingのAlex Billington氏は、この映画を「印象的」と評した[5]

参照[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 負ければ人類に明日はない!暴走ロボットVS特殊部隊「キル・コマンド」予告編”. 映画ナタリー (2016年7月16日). 2021年12月19日閲覧。
  2. ^ Critique du Film: Identify”. Cinefantastique. 2016年8月10日閲覧。
  3. ^ Kill Command”. Rotten Tomatoes/Flixster. 2016年8月11日閲覧。
  4. ^ Bradshaw (2016年5月12日). “Kill Command review – superior sci-fi action thriller”. The Guardian. 2016年7月9日閲覧。
  5. ^ Alex Billington (2016年2月25日). “First Trailer for UK Sci-Fi Action Man vs Machine 'Kill Command' Movie”. FirstShowing.net. 2016年7月9日閲覧。

 

外部リンク[編集]