キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン

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キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン
Catfish and the Bottlemen
基本情報
出身地 イギリスの旗 イギリス北ウェールズランディドノー英語版
ジャンル オルタナティブ・ロック
インディー・ロック
ポスト・パンク・リバイバル
活動期間 2007年 -
レーベル アイランド・レコード
メンバー ヴァン・マッキャン
ベンジー・ブレイクウェイ
旧メンバー ジョン・バー
ビリー・ビビー
ボブ・ホール
ジョニー・ボンド

キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン(Catfish and the Bottlemen)は、2007年にウェールズのランディドノで結成されたインディー・ロックバンド。[1] デビューアルバム『ザ・バルコニー (The Balcony)』はUKアルバムチャートで10位を記録。 バンドはイギリス、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、スペインでツアーをし、グラストンベリー (Glastonbury)、ラティチュード、レディング&リーズ・フェスティバルT in the Parkなどを含む多くの音楽フェスに参加した。 2016年2月24日にはブリットアワードのBritish Breakthrough Act賞を受賞した。2016年5月27日に、2ndアルバム 『ザ・ライド (The Ride)』をリリースした。2019年4月26日に、3rdアルバム『ザ・バランス (The Balance)』をリリースした。

メンバー[編集]

元メンバー[編集]

  • ジョン・バー - ドラムパーカッション (2007年 - 2010年)
  • ビリー・ビビー - リードギター、コーラス (2007年 - 2014年)
  • ジョニー・ボンド - リードギター、コーラス (2014年 - 2021年)
  • ボブ・ホール - ドラム、パーカッション (2010年 - 2021年)

略歴[編集]

2007年~2013年:結成~活動初期[編集]

キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンは、2007年5月に結成された。ウェールズ、ランディドノのビリー・ビビーの両親の家でヴァンとビリーは共にギターを弾き始めた。[2] ヴァンの両親も、ビリーの両親同様、ベッド・アンド・ブレックファーストを経営しており、[3] ヴァンは最初はビリーの弟の友達だった。[4] 後にヴァンとビリーがベンジーをベースとしてバンドに加入させ、さらに同級生のジョン・バーがドラムとして参加した。[5] ビリーは10歳の頃からギターを演奏しており、ヴァンとベンジーにギターの弾き方を教えた。[6] 

バンドは、カサビアンなどのバンドのライブ後の駐車場で演奏することで自身を売り込んだ。[5] 2009年にBBCラジオ6がバンドの初期のデモ曲を初めてオンエアした。[7] 2010年、初期のドラマーのジョンが脱退し、ロバート・ボブ・ホールが新たなドラマーとして加入した。ボブは当時バンドと仕事をしていたプロデューサーからの紹介だった。[8][9]

2014年の夏、ビリーが突然バンドでの活動を停止し、[10] 代わりにジョニー・ボンドが加入した。[11] 2014年7月25日、バンドは"不測の個人的な事情"を理由に3つの音楽フェスへの出演をキャンセルした。[12][13] 2014年8月13日、バンドはフェイスブックに、「お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ最近、私たちは違うギタリストとライブをしてきました。残念ながら個人的な理由で、ビリーは今後私たちとツアーに参加することができません。」[14] とコメントを投稿した。ビリーは、バンドを脱退したことについて「脱退後の予定は、正直立ってなかった。何をするか分からなかった。曲を書き始めたら、バンドから気持ちが離れていってしまったんだ。バンドで成し遂げたことは誇りに思っているけど、今は自分のバンドの将来のことを考えることにだけ集中しているよ。」とコメントしている。[15] [16] 2015年秋、ビリーは自身の新バンド、「ビリー・ビビー&ザ・ライ・スマイルズ」を立ち上げている。

バンド名はヴァンが子供の頃、オーストラリアのシドニーでCatfish the Bottlemenという名の大道芸人を見たことから付けられた。[17][18] 2015年1月にヴァンはその大道芸人とシドニーのラジオ番組で再会した。

2013年~2016年:『ザ・バルコニー』[編集]

2013年、バンドはコミュニオン・レコードと契約を交わし、[8]同年、『ホームシック (Homesick)』、『ランゴ (Rango)』、『パシファイヤー (Pacifier)』の3枚のシングルをリリースした。2014年にはアイランド・レコードと契約し、同年5月17日にシングル『キャスリン (Kathleen)』をリリースした。[19]プロデューサーはアークティック・モンキーズカサビアンアデルのプロデュースも手掛けたジム・アビス。『キャスリン』は2014年4月のMTVホッテスト・トラックで1位を獲得した。

2014年夏、レディング&リーズ[20] や、ラティチュード、カンデル・コーリング、ワイノットフェスティバル、T in the park、ピンクポップ、イビザ・ロックスなどイギリスやヨーロッパの音楽フェスに数多く出演した。

2014年6月19日、バンドはデビューアルバム『ザ・バルコニー (The Balcony)』のリリースを発表し、その直後、イギリスツアーの実施を発表した。アルバムは2014年9月15日にリリースされ、UKアルバムチャートで10位を記録した。同アルバムはゴールド認定されている。[21]

2014年12月、バンドはBBCミュージックアワードでBBCイントロデューシングアワードを受賞し、『キャスリン』を披露した。[22]

2015年1月6日には、『ザ・バルコニー』がアメリカでリリースされ、バンドは翌日に『レイト・ショー・ウィズ・デビット・レターマン』で演奏をした。

WOW247のインタビューでヴァンはバンドは「すでに3枚のアルバム分の曲を書いた」とコメントし、「ファーストアルバムよりセカンドアルバムのほうが楽しみだよ、もう仕事は終わっているからね」とコメントした。[23]

2016年のブリットアワードでバンドは British Breakthrough Actの賞を獲得。同年5月にはリバプール・サウンド・シティーで初めてのヘッドライナーを務めた。

2016年~2018年:『ザ・ライド』[編集]

2016年3月23日、バンドはツイッターインスタグラムで2ndアルバムのタイトルが『ザ・ライド (The Ride)』であるとコメントした。同アルバムは2016年5月27日にリリースされ、UK チャートで1位を獲得した。[24]

2016年8月、バンドはマンチェスターで自身最大の単独ライブを開催した。『ザ・バルコニー』の全曲11曲と、『ザ・ライド』から6曲を演奏した。[25]

2019年~現在:『ザ・バランス』、ホールとボンドの脱退[編集]

2019年1月8日、シングル『ロングショット (Longshot)』をリリース。25日に、3rdアルバム『ザ・バランス (The Balance)』を正式に発表した。2月13日に『フラクチュエイト (Fluctuate)』、3月19日に『2all』、4月18日に『カンバセーション (Conversation)』と立て続けにシングルをリリースしたのち、4月25日にアルバムをリリースした。

2021年8月、レディング&リーズ・フェスティバルで初のヘッドライナーを務めた。9月、12月18日に、ミレニアム・スタジアムにて行われるステレオフォニックスのライブのサポート・アクトとして、トム・ジョーンズと共に出演することが発表された。前日の17日にも追加公演が予定されたが、新型コロナウイルスの影響により、2022年6月17日~18日に延期された。しかし、2022年6月2日、「不測の事態」によりライブに出演しないことが、ステレオフォニックスのTwitterで発表された。

2021年9月29日、ドラムのボブ・ホールが脱退を発表。

2022年6月5日、ボンドは、2021年にバンドから脱退していたことを発表した。彼のInstagramでの声明によると、実際には2021年3月の段階で脱退を決意していたものの、バンド側がそれを発表しなかったことを明かした。脱退の理由として、バンド内で「耐えられないこと」があったと述べている。[26][27]

音楽スタイル[編集]

『ザ・バルコニー』のレビューで、オールミュージック紙にバンドのサウンドがジョニー・マーザ・クリブス、フィーダー、ミステリー・ジェットに例えられた。[28] NME紙でベンジーは、ヴァンのボーカルスタイルはザ・クークスのルーク・プリチャードに似ていると語っている。[3] また、ヴァンは『ザ・ライド』の音楽のアプローチの仕方について「みんなが奇想天外でアーティスティックになろうとし始めたように感じるんだ、だから僕らは基本に則ったやり方でやりたいと思ったんだ。」と語っている。[29]

コンサートツアー[編集]

ディスコグラフィー[編集]

EP[編集]

タイトル レーベル 形式
2009年 Poetry & Fuel サイズ CD、デジタルダウンロード
2010年 Beautiful Decay サイズ CD、デジタルダウンロード
2013年 Catfish and the Bottlemen コミュニオン CD、デジタルダウンロード
2014年 Kathleen and the Other Three コミュニオン CD、デジタルダウンロード

[31]

スタジオ・アルバム[編集]

タイトル アルバム詳細 ピーク位置図 認証
英国

[32]

AUS

[33]

SCO

[34]


[35]


Alt
[36]


ロック
[37]

The Balcony 10 51 11 121 9 13
The Ride
  • リリース:2016年5月27日
  • レーベル:アイランド、 キャピトル
  • フォーマット:CD、デジタルダウンロード、ビニール、カセット
1 6 1

[39]

28 2 3
  • BPI:プラチナ[8]
The Balance
  • リリース:2019年4月25日
  • レーベル: アイランド、キャピトル
  • フォーマット:CD、デジタルダウンロード、ビニール、カセット
2 9 2 159 16 31
  • BPI:ゴールド[8]

シングル[編集]

タイトル 最高順位 アルバム
UK

[40]

エピソード

UK
Indie
[41]

BEL

[42]

JPN

[43]

US
Alt.

[44]

US

Rock [45]

"Homesick" 2013 182 The Balcony
"Rango"
"Kathleen" 2014 110 11 82 17 40
"Fallout" 142
"Cocoon" 109 128 29 50
"Pacifier"
"Hourglass" 2015
"Soundcheck" 2016 95 11 32 The Ride
"7" 81 38 35
"Glasgow" 128
"Twice" 87
"Outside" 2017
"Longshot" 2019 25 2 16 The Balance
"Fluctuate" 84
"2all" 57 7 39
"Conversation" 60
"—" denotes a single that did not chart or was not released in that territory.

タイムライン[編集]

私生活[編集]

ボーカルのヴァン・マッキャンはオーストラリアで生まれた。ベンジーはランディドノ出身。[8][46][4][47][48] ホールはシェフィールド出身、ビビーはランカシャー出身、ボンドはニューカッスル・アポン・タイン出身である。バンドがランディドノ出身であることを聞かれると、ヴァンは「住んでいたことはあるが、正確に言うと僕たちはウェールズ出身でない。」と答えている。[49]

ヴァンはマンチェスター・ユナイテッドFCのサポーター[50]、ベンジーはリヴァプールFCのサポーターである。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ "[Interview] Catfish and the Bottlemen". indiemusic.fr. Indie Music. 28 October 2014. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  2. ^ "Billy Bibby Interview". BBC Radio Lincolnshire. 2015年7月29日閲覧
  3. ^ a b "Catfish & The Bottlemen – 'The Balcony'". NME. 23 September 2014. 2015年1月20日閲覧
  4. ^ a b "Gimme Your Answers: An Interview w/ Catfish And The Bottlemen". A Music Blog, Yea?. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  5. ^ a b "Catfish and the Bottlemen Luckily Sound Better Than That Band Name". Observer. 2015年6月6日閲覧
  6. ^ "The UMAs - The Unsigned Music Awards". 2016年6月1日閲覧
  7. ^ "BBC - BBC Introducing presents Catfish and the Bottlemen at the inaugural BBC music awards - Media Centre". 2016年6月1日閲覧
  8. ^ a b c d e "Catfish and the Bottlemen Communion". BPI. January 2013. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  9. ^ http://mikedolbear.com/story.asp?
  10. ^ http://www.bestnewbands.com/interviews/billy-bibby-life-catfish/
  11. ^ "Billy Bibby is Back". {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  12. ^ https://www.facebook.com/catfishandthebottlemen/posts/10152993825227506
  13. ^ http://www.tenementtv.com/news/catfish-bottlemen-reveal-new-track/
  14. ^ "Some of you will have noticed that we... - Catfish and the Bottlemen". 2016年6月1日閲覧
  15. ^ "Spotlight: Billy Bibby". 2016年6月1日閲覧
  16. ^ "Gig preview: Billy Bibby at Milo, Leeds". 2016年3月25日閲覧
  17. ^ http://catfishthebottleman.com/
  18. ^ "10 Things You Never New About Catfish and The Bottlemen". 2015年6月27日閲覧
  19. ^ "Catfish and the Bottlemen Kathleen". Partisanpr.com. 3 April 2014. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  20. ^ "Leeds Reading 2014". Readingfestival.com. April 2014. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  21. ^ enter The Balcony in search window http://www.bpi.co.uk/certified-awards/search.aspx
  22. ^ "Catfish and the Battlement Win BBC Introducing Award". dailypost.co.uk. January 2014. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  23. ^ "Catfish and the Bottlemen interview: 'I can't wait to sell out'". WOW247. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  24. ^ "Catfish and the Bottlemen hit albums Number 1: "We're made up!"". 2016年6月4日閲覧
  25. ^ https://twitter.com/catbinfo/status/751574146782494720
  26. ^ Catfish and the Bottlemen、ギタリストのJohnny Bondが脱退したことが明らかに | LMusic-音楽ニュース-”. lmusic.tokyo (2022年6月21日). 2023年4月17日閲覧。
  27. ^ Catfish and the Bottlemenから脱退したJohnny Bondがバンドは"崩壊"したとコメント”. mdnt.magazine (2022年6月6日). 2023年4月17日閲覧。
  28. ^ "The Balcony – Catfish and the Bottlemen". AllMusic. Rovi Corporation. 2015年1月13日閲覧
  29. ^ https://consequence.net/2016/05/album-review-catfish-and-the-bottlemen-the-ride/
  30. ^ http://www.setlist.fm/setlists/catfish-and-the-bottlemen-63d03e63.html
  31. ^ "Catfish and the Bottlemen, Dundee, GB". The DJ List. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  32. ^ "Catfish and the Bottlemen" (select "Albums" tab). Official Charts Company. 2016年6月7日閲覧
  33. ^ "ARIA Albums: Taylor Swift 1989 Spends 8th Week On Top". Noise11. 31 January 2015. 2015年1月31日閲覧
  34. ^ "Official Scottish Albums Chart Top 100 21 September 2014 - 27 September 2014". Official Charts Company. 21 September 2014. 2015年2月21日閲覧
  35. ^ "Catfish and the Bottlemen – Chart History: Billboard 200". Billboard. Prometheus Global Media. 2015年2月21日閲覧
  36. ^ "Catfish and the Bottlemen – Chart History: Alternative Albums". Billboard. Prometheus Global Media. 2015年2月21日閲覧
  37. ^ "Catfish and the Bottlemen – Chart History: Rock Albums". Billboard. Prometheus Global Media. 2015年2月21日閲覧
  38. ^ "BPI Certified Awards > Search". British Phonographic Industry. 2015年3月30日閲覧
  39. ^ "Official Scottish Albums Chart Top 100". 3 June 2016. 2016年6月5日閲覧
  40. ^ Peak chart positions for singles in the United Kingdom:
  41. ^ Peak UK Indie Singles Chart positions for Catfish and the Bottlemen: "Kathleen": "Official Independent Singles Chart Top 20 April 2014 – 26 April 2014". 2011 Top 40 Independent Singles Archive. Official Charts Company. 2015年2月21日閲覧
  42. ^ "Discografie Catfish and the Bottlemen". ultratop.be. 2015年2月21日閲覧
  43. ^ "Catfish and the Bottlemen Singles Chart History - Japan Hot 100". Billboard. 2015年2月21日閲覧
  44. ^ "Catfish and the Bottlemen". Billboard.com. 2014年10月30日閲覧
  45. ^ "Catfish and the Bottlemen". Billboard.com. 2015年2月21日閲覧
  46. ^ "Catfish And The Bottlemen's Van McCann: 'America thinks we're Oasis but with better manners'". 2016年6月1日閲覧
  47. ^ "Catfish and the Bottlemen and Polkadodge: Plug, Sheffield". Counterfeit Magazine. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  48. ^ "Catfish & The Bottlemen". Stage Times. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  49. ^ "Catfish and the Bottlemen entry on BPI". 2016年3月25日閲覧
  50. ^ “Predictions: Lawro v Catfish” (英語). BBC Sport. https://www.bbc.com/sport/football/29163212 2023年4月17日閲覧。 

外部リンク[編集]