ガンボウ

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ガンボウ
欧字表記 Gun Bow
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1960年3月21日[1][2]
死没 1979年12月[2]
Gun Shot
Ribbons and Bows
母の父 War Admiral
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Maine Chance Farm[1]
馬主 Gedney Farms[1]
調教師 Edward A. Neloy[1]
競走成績
生涯成績 42戦17勝[1]
獲得賞金 798,722ドル[1]
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ガンボウGun Bow、1960年 - 1979年)は、アメリカ合衆国の競走馬、種牡馬。1960年代に活躍し、当時の最強馬ケルソを2度破ったことで知られる。1999年アメリカ競馬殿堂入り

経歴[編集]

  • 特記がない限り、競走はすべてダートコース。また、当時はグレード制未導入。

化粧品業界の女王として知られるエリザベス・アーデンが、自身の持つメインチャンス牧場で生産したサラブレッドの牡馬である。2歳時までアーデンが所有していたが、跛行を呈していてたため競走には使われず、その後アーデンの税金の支払いに充てるためにハリー・アルバートとジョン・スタンリー夫人の両名に売却した[1]。両名はゲドニーファームの名義でガンボウの馬主となり、調教師はエディ・ネロイが担当した。

3歳時は18戦して6勝、ナラガンセットスペシャルなどでステークス競走勝ちも挙げた。翌年4歳シーズンには東海岸ニューヨークからフロリダまで転戦、16戦8勝を挙げた。

この4歳シーズン、当時のアメリカ最強馬であるケルソとモンマスハンデキャップで初対決、この時はガンボウが2着、ケルソが4着であった。続くブルックリンハンデキャップでも7ケルソと対決したが、ガンボウはこの競走で2着馬に12馬身差をつけて優勝、ケルソも破るとともにアケダクト競馬場10ハロンのトラックレコードである1分59秒60を記録した[1]

その後もケルソとガンボウは対決を繰り返した。アケダクトハンデキャップでは3/4馬身差でケルソに敗れたが[3]、続くウッドワードステークスではハナ差でケルソを破り返した[4]。そして大一番であるワシントンDCインターナショナルではケルソが芝12ハロンのレコード記録樹立する一方で4馬身半差の2着に終わった[5]。この年、ガンボウはこのほかワシントンハンデキャップやガルフストリームパークハンデキャップ、チャールズ・H・ストラブステークスでも勝利を挙げ、580,100ドルの賞金を稼いでいる[1]

5歳時は西海岸から始動し、サンタアニタパーク競馬場のサンアントニオステークスで勝利すると、フロリダに飛んで続くドンハンデキャップでも勝利を挙げた[6]。その後メトロポリタンハンデキャップで優勝し、同年をもって引退した。

種牡馬入り後[編集]

ガンボウは5歳シーズン終了とともに種牡馬入りしたが、種牡馬としてはあまり成績が振るわず、1974年に日本へと輸出されている。その後1979年にガンボウは日本で死亡した。19歳であった[1]。ガンボウの産駒で最も活躍したものに1968年生のピストルパッカーがおり、同馬はフランスディアヌ賞(フランスオークス)などで優勝している[1]。のちの1999年、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館はガンボウを殿堂馬として加え入れることを発表した。

血統表[編集]

馬名血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ハイペリオン系
[§ 2]

Gun Shot
アメリカ 栗毛 1953
父の父
Hyperion
イギリス 栗毛 1930
Gainsborough Bayardo
Rosedrop
Selene Chaucer
Serenissima
父の母
Silence
イギリス 鹿毛 1942
Bosworth Son-in-Law
Serenissima
Surbine Bachelor's Double
Datine

Ribbons and Bows
アメリカ 鹿毛 1955
War Admiral
アメリカ 黒鹿毛 1934
Man o' War Fair Play
Mahubah
Brushup Sweep
Annette K.
母の母
Evening Thrill
アメリカ 鹿毛 1947
Bull Lea Bull Dog
Rose Leaves
Decolte St. Germans
Humming Bird
母系(F-No.) (FN:1-k) [§ 3]
5代内の近親交配 Serenissima 4x4, Harry of Hereford・Swynford 5x5 [§ 4]
出典
  1. ^ [7], [8]
  2. ^ [8]
  3. ^ [7], [8]
  4. ^ [7], [8]


出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k Gun Bow (KY)”. racingmuseum.org. 2022年6月8日閲覧。
  2. ^ a b ガンボウ(USA)”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 血統書サービス. 2022年6月8日閲覧。
  3. ^ Dave Litfin (2011年12月21日). “Kelso - Excerpt from the "Champions" chapter "Boom Time: The 1960’s,"”. DRF.com. 2019年4月19日閲覧。
  4. ^ Whitney Tower (1964年10月12日). “The Protruding Proboscis”. Sports Illustrated. 2019年5月3日閲覧。
  5. ^ 山野浩一『伝説の名馬 PartI』中央競馬ピーアール・センター、1993年、p.170頁。ISBN 4-924426-37-7 
  6. ^ Tom Hall (2016年2月3日). “Throwback: Gun Bow Takes Rare Double”. Blood-Horse. 2022年6月10日閲覧。
  7. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ガンボウ(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2022年6月11日閲覧。
  8. ^ a b c d ガンボウの血統表”. netkeiba.com. 2022年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]