ガリカニスム

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ガリカニスム: Gallicanisme)とは、フランスカトリック教会ローマ教皇からの独立、教皇権の制限を求める政治的、宗教的立場のことをいう[1]教皇の権威を尊重しながらも、その至上権については異議を唱えた。語源は「ガリア」からきている[注釈 1]イエズス会などのウルトラモンタニズムと対立した。

歴史[編集]

「ガリア主義」〈ガリカン教会主義〉と訳される[1]。フランス国家における主権の伸長と中央集権化に軌を一にする傾向で、世俗的なことがらに関して国王が教皇の裁可を免れることや公会議が教皇権に優越することなどを主張し[1]、具体的にはフランス王権による聖職者叙任権の完全掌握という形で実現した。それとは別にカール大帝時代から行われていた、王の即位の際に司教が王に塗油して聖別する儀式が問題となった。フィリップ4世時代には、ジャン・ド・パリやジャン・ジェルソンが「王の資格が完成するためには聖別は必要だが、聖別前にも王が存在しうる」と説いた[2]

ガリカニスムの立場を明確に示したものとしてはルイ14世時代の1682年に発表されたボシュエ神父による「4ヵ条の宣言」が有名。その後、1905年政教分離法などによってライシテの原則が支配的になるにつれて衰退していった。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ ガリアはフランスの古名。

出典[編集]

  1. ^ a b c 百科事典マイペディア「ガリカニスム」(コトバンク)
  2. ^ マルク・ブロック 『王の奇跡』 刀水書房、1998年、P.233。

参考文献[編集]

  • エメ・ジョルジュ・マルティモール『ガリカニスム―フランスにおける国家と教会』(白水社、1987年 原著は1973年刊行)
  • マルク・ブロック『王の奇跡』(刀水書房、1998年)

外部リンク[編集]

関連項目[編集]