カーム

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カーム
品種 サラブレッド
性別
毛色 青鹿毛
生誕 2000年4月9日
サンデーサイレンス
フランクアーギュメント
母の父 Argument
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産 ノーザンファーム
馬主 岡田美佐子
→佐々木弘文
調教師 中村均栗東
菅原右吉岩手
競走成績
生涯成績 30戦14勝
獲得賞金 757万3000円
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カームは、日本の元競走馬で、種牡馬

経歴[編集]

デビュー前[編集]

カームは社台グループ傘下のノーザンファームで生まれた。父は名種牡馬サンデーサイレンス。母のフランクアーギュメントはフランスで3勝を挙げ、アメリカG1のフラワーボウルハンデキャップで2着の実績があり、見栄えのよいサンデーサイレンスなどの配合された種牡馬に見た目がよく似た産駒を多く出すのが特徴で、本馬も含め兄弟が高値で取引されている。しかし2009年現在、産駒のアドマイヤセラヴィから孫にあたるヒカルカザブエ(阪神大賞典2着)が出た以外、近親に日本での活躍馬は出ていない。

2000年セレクトセールに「フランクアーギュメントの2000」の名で上場され、3億2000万円[1][2]という破格の値段でサラブレッドクラブ・ラフィアン代表の岡田繁幸によって落札された[2][注 1]。これはサンデーサイレンス産駒のなかで3番目の高額馬である。また2007年現在、セレクトセール史上5位の高額馬にあたる。

岡田は「筋肉の質が父に似ている」点や、「骨格が良く故障が考え難い」点をあげ、当時から「こんな馬には二度と会えないと思った」[2]と絶賛し、ヨーロッパ遠征のプランもさることながら、たとえ走らなくとも将来の種牡馬候補として購入したことを公言していた。

現役時代[編集]

ほかのサンデーサイレンス産駒と同じく本馬も将来を嘱望されており、2歳になると岡田からは「サイレンススズカの再来」と期待されていた。しかし2歳時の調教中に、右前蹄骨骨折の重傷を負う[3]という不幸に見舞われた。

当初はそのまま種牡馬になる予定だったが、関係者の尽力によって奇跡的に回復し、2003年7月27日函館競馬第4競走・3歳未勝利(芝2000メートル)でデビューを迎えた。四位洋文を鞍上に迎え、レース経験馬を相手に単勝3番人気と支持を集めたが、結果はのちにダイヤモンドステークスを勝つこととなるウイングランツから大きく離された、16頭立ての13着であった。2戦目も3番人気に推されたが、15頭立ての9着。3戦目は騎手が秋山真一郎に乗り替わったが、ここも12着とよいところなく3連敗を喫した。結局中央競馬の3戦では1勝も挙げることができず、売却されることになった。

移籍先は岩手競馬となり、移籍緒戦となる2003年11月24日盛岡競馬第1競走・3歳C2(ダート1200メートル)で菅原勲を背に、1番人気に応えて初勝利を挙げた[4]。半年の休養をはさんで2004年6月19日に復帰し、7月4日7月25日のレースとあわせて3連勝。休養前からの連勝を4に伸ばし、8月16日に盛岡のパストラルバーデンカップで、自身4度目の芝のレースに挑戦した。ここも1番人気に推されたが、地方競馬移籍後初の敗北となる6着に敗れている。2005年10月24日にも盛岡の芝レースに出走して11着に敗れており、中央時代とあわせて芝レースは5戦全敗、しかも全レース6着以下と相性が悪かった。しかしダートではその後も高い連対率を誇り、ほとんどが下級条件ながら計14勝をあげている。

初の重賞挑戦となった2005年12月31日水沢競馬第10競走・桐花賞では4着となり、このレースを最後に引退した[5]。途中で馬主が変わっているため単純な比較はできないが、総賞金757万円は、セレクトセールにおける購入額の約2.3パーセントであった。

種牡馬時代[編集]

引退後は青森県八戸市の山内牧場で2006年から種牡馬となった[5]。初年度産駒は2007年に2頭誕生し、2009年に中央競馬と兵庫でそれぞれデビューした。その後も頭数こそ少ないものの、2011年も現役種牡馬として種付けをこなしている。

2013年11月10日福島競馬第1競走・2歳未勝利で、カシノカームが中央競馬での産駒初勝利をあげた。

エピソード[編集]

  • 馬名の由来は「calm」、穏やかで落ち着いている意。
  • カームと同期の2000年産馬にカームブレイカーという馬がおり、話題になったことがある。ただカームブレイカーのカームは「Qualm」、つまりイライラするような不安であり、それを打ち壊す、といった意で登録されている。

血統表[編集]

カーム血統サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系)/アウトブリード (血統表の出典)
父系

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

* フランクアーギュメント
Franc Argument
1986 黒鹿毛
Argument
1977
Kautokeino Relko
Cranberry
Arantelle Tapioca
Neputune's Doll
母の母
Franca
1976 鹿毛
ヴァイスリーガル Northern Dancer
Victoria Regina
Tudor Gwen Tudor Melody
Lucky Gwen F-No.11-f
母系(F-No.)
5代内の近親交配
出典

おもな近親[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 参考としてほかのサンデーサイレンス産駒の落札価格を挙げると、2001年有馬記念優勝馬のマンハッタンカフェは1億4000万円、中央競馬クラシック三冠馬のディープインパクトは7000万円である。またエアグルーヴの初めての産駒で、カームと同じセリに出ており、のちにGIを2勝したアドマイヤグルーヴでも2億3000万円であった[1][2]

出典[編集]

  1. ^ a b セレクトセールとは” (日本語). 日本競走馬協会. 2012年2月11日閲覧。
  2. ^ a b c d 野元賢一 (2000年7月11日). “専門記者の競馬コラム「4月誕生の馬に3億2000万・北海道の競走馬せり市」” (日本語). サラブnet. 日本経済新聞社. 2012年2月11日閲覧。
  3. ^ 競馬ネット magazine 第741号” (日本語). 週刊Gallop (2002年2月5日). 2012年2月11日閲覧。 “3億2000万円馬、蹄骨骨折”
  4. ^ 3億円馬カーム、岩手競馬で初勝利” (日本語). 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2003年11月24日). 2012年2月11日閲覧。
  5. ^ a b 3億円馬カーム、青森で種牡馬入り” (日本語). netkeiba.com. ネットドリーマーズ (2006年1月14日). 2012年2月11日閲覧。

外部リンク[編集]