カワサキ・ニンジャH2

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ニンジャH2(ニンジャ エイチツー[1])は、川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーが製造している、4ストロークの輸出市場向けの大型自動二輪車オートバイ)である。日本ではレース専用車のみ正規で販売されており、市販モデルについては逆輸入という形で販売されている。レース専用車として販売されているH2R(ニンジャ エイチツーアール[1])についても本項で詳述する。

概要[編集]

Ninja H2
競技仕様車はH2R
Kawasaki Ninja H2 Seattle motorcycle show.jpg
Ninja H2
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
エンジン 998cm3 
内径x行程 / 圧縮比 76.0mm x 55.0mm / 8.5:1
最高出力 147.2kW(200ps)/10000rpm
最大トルク 140.4Nm(14.3kg-m)/12500rpm
車両重量 238kg
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かつて強烈な加速力を誇った750SSマッハIV(H2)[2]とカワサキのスーパースポーツモデルに与えられるNinjaシリーズのトップモデルとしてNinja H2と名付けられ[3]、川崎重工業グループの総力を結集して作られたフラグシップモデルである[4]。搭載されているスーパーチャージャー付きエンジンは航空宇宙カンパニーガスタービン・機械カンパニーおよび技術開発本部の技術協力により製作されたエンジンと一体のもので、これを従来のスーパーチャージャー付きエンジンと区別してスーパーチャージドエンジンと称している[5]。また、車体のデザインも航空宇宙カンパニーの技術を使い開発されたものである[6]

最高出力は競技専用モデルであるH2Rが228kw(310ps)という驚異的な出力[注 1]である一方、公道向けモデルであるH2は147.2kw(200ps)に抑えられている[7]。さらに、ラムエア加圧時はH2Rが240kw(326ps)/14,000rpm[8]、H2が154.5kw(210ps)/10,000rpmとなっている[4]

フレームは従来のスーパースポーツで採用されることの多かったアルミ製ツインスパーとせず、露出部分が多く放熱効果が大きいこと等からスチール製のトレリスとした[9]。このフレームの採用にあたっては、川崎重工業グループの技術を生かした専用のロボット溶接機が導入されている[10][11]。リヤサスペンションは、カワサキ製のオートバイとしては初めてアルミ製の片持ちスイングアームが採用されている[9]

灯火類はH2、H2Rともにストップランプは装備されているが、ヘッドライトやウインカーはH2のみ装備されていて、このうちバックミラーといった一体となっているフロントウインカーは、ダウンフォースが得られるような形状となっている[12]。一方、H2Rではその部分にオートバイとしては珍しいスポイラーが装備されている[12][13]。両車種とも、アッパーカウル下に設置されているラムエア開口部下部にチンスポイラーが装備されている[12]。これらは航空宇宙カンパニーの技術を応用して設計されたものである[13]

加速性能を勘案してシングルシートとなっており、定員は1名である[14]。カウルはH2が樹脂製、H2Rがカーボン製となっていて、川崎重工業の中でも歴史的な意義を持つ製品にだけ与えられるとされるリバーマークがアッパーカウル中央部やキーにデザインされている[12][15]。塗装には量産車としては初とされる銀鏡塗装が用いられている[11][13]。この塗装の傷を見落とさないよう製造ラインは特別に明るくされており、他の製品とは違いベルトコンベアを使わず専用のラインで製造されている[11]

主要諸元[編集]

モデル H2 H2R
写真 H2 H2R
エンジン 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・スーパーチャージャー
気筒配列数 並列4気筒
総排気量 998cm3
内径x行程 76.0mm x 55.0mm
圧縮比 8.5:1 8.3:1
最高出力 147.2kW(200ps)/10,000rpm 228.0kW(310ps)/14,000rpm
最大トルク 140.4Nm(14.3kgfm)/10,000rpm 165.0Nm(16.8kgfm)/12,500rpm
全長 2,080mm 2,070mm
全幅 770mm
全高 1,125mm 1,160mm
シート高 825mm 830mm
最低地上高 130mm
燃料供給装置 電子制御式燃料噴射装置
ホイールベース 1,455mm 1,450mm
車両重量 238kg 216kg
燃料タンク容量 17.0L
タイヤサイズ 前:120/70 ZR17 M/C(58W)[1]
後:200/55 ZR17 M/C(78W)[1]
前:120/600 R17
後:190/650 R17
出典 [7]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 同業他社の競技専用モデルではホンダ・RC213Vが170kW(230PS)以上、ヤマハ・YZR-M1が176kw(240ps)以上、スズキ・GSX-RRが176kw以上などとなっている。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 『カワサキバイクマガジン』17巻1号(2015年1月号(通巻111号))、ぶんか社
  • 『BiGMACHINE』21巻11号(2014年11月号(通巻233号))、内外出版社
  • 『バイカーズステーション』29巻1号(2015年1月号(通巻328号))、発行:遊風社(発売:モーターマガジン社

外部リンク[編集]