カルネアデスの板

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カルネアデスの板(カルネアデスのいた、Plank of Carneades)は、古代ギリシア哲学者カルネアデスが出したといわれる問題。カルネアデスの舟板(カルネアデスのふないた)ともいう。

概要[編集]

舞台は紀元前2世紀のギリシア。一隻の船が難破し、乗組員は全員海に投げ出された。一人の男が命からがら、壊れた船の板切れにすがりついた。するとそこへもう一人、同じ板につかまろうとする者が現れた。しかし、二人がつかまれば板そのものが沈んでしまうと考えた男は、後から来た者を突き飛ばして水死させてしまった。その後、救助された男は殺人の罪裁判にかけられたが、罪に問われなかった。

緊急避難の例として、現代でもしばしば引用される寓話である。現代の日本法律では、刑法第37条の「緊急避難」に該当すれば、この男は罪に問われないが、その行為によって守られた法益と侵害された法益のバランスによっては、過剰避難と捉えられる場合もある。

作品[編集]

小説[編集]

  • ミステリーでは法廷物で引用されることが多々あり、中でも有名なのが松本清張の『カルネアデスの舟板』である。
  • トム・ゴドウィンSF小説『冷たい方程式』は、このテーマのSF作品の中でも最も注目に値する作品であるといわれている。具体的には「ギリギリの燃料しか積んでいない宇宙船に密航者がいた。この宇宙船は疫病のワクチンを運んでいるが、密航者を放棄しなければ燃料が足りない。多くの患者を救うために密航者を宇宙空間に放棄すべきか?」というもの(詳細は『SFマガジン・ベスト1 冷たい方程式』(ハヤカワ文庫1980年)巻末の伊藤典夫による解説を参照)。

アニメ[編集]

  • ガイナックス製作のOVAトップをねらえ!』第6話では、「人類と地球を存続させるために銀河系中心部を消滅させる」という内容の、カルネアデスの板から名前が取られた「カルネアデス計画」の発動が描かれている。

関連項目[編集]