カルチノイド

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結腸カルチノイド(粘膜切除術)

カルチノイド: carcinoid)とは一般的には神経内分泌細胞(ホルモン産生細胞)から発生するカルチノイド腫瘍、またカルチノイド腫瘍患者の中の一部に起きるカルチノイド症候群とされる。近年では神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor; NET)と呼ばれることが多い。

約100年前からNETは、その発生機序が不明なカルチノイド(日本語では「がん類似腫瘍」「がんもどき」の意)と呼ばれてきた。しかし近年ではNETの悪性度の多様性が認められ、2000年のWHO分類からカルチノイドという腫瘍分類は無くなった。[1]

カルチノイド腫瘍は定型的カルチノイド(高分化型=悪性度が低い、良性)と非定型的カルチノイド(低分化=悪性度が高い)に分けられる。原発部位は、胃腸管(62から67%)と肺(22から27%)がほとんど。わずかだが、膵臓(すいぞう)、精巣、卵巣でも発生することがある[2]

組織学的にはカルチノイドの用語は、内胚葉起源の消化管(中腸)や喉頭気管、肺の上皮と腺)で発生する高分化型神経内分泌腫瘍(NET)または消化管と肺の腫瘍にのみ使用すべきで、膵神経内分泌腫瘍(NET)では異なる疾患との有力な説がある[3]

また、神経内分泌細胞から、過剰なホルモン様物質をつくる場合があり、発生する物質からカルチノイド患者の20%未満でカルチノイド症候群が起きる場合がある。

疫学[編集]

カルチノイドはセロトニン産生細胞であるenterochromaffin細胞由来とと考えられている。ヒトのセロトニンの約90%が存在する消化管に好発する。カルチノイドの好発部位は肺・気管支(19.8%),直腸(15.0%),空腸回腸(12.0%),胃(11.4%),虫垂(9.6%),十二指腸(8.3%)であった。[4]

脚注[編集]

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  1. ^ 木村 理. 日医雑誌. 2015;143(12):2579
  2. ^ Taal BG, Visser O: Epidemiology of neuroendocrine tumours. Neuroendocrinology 80: 3-7, 2004
  3. ^ Arnold R: Endocrine tumours of the gastrointestinal tract. Introduction: definition, historical aspects, classification, staging, prognosis and therapeutic options. Best Pract Res Clin Gastroenterol 19 : 491-505, 2005
  4. ^ Soga J : Carcinoids and their variant endocrinomas : An analysis of 11842 reported cases. J Exp Clin Cancer Res 22 : 517-30, 2003.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

変わりつつあるNETの診断と治療のコンセンサス