玉髄

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玉髄
Chalcedony
分類 酸化鉱物, 水晶グループ
化学式 二酸化ケイ素 (SiO2)
結晶系 三方晶系 か 単斜晶系
モル質量 60 g/mol
へき開 Absent
断口 不平坦状, 多片状, 貝殻状
モース硬度 6–7
光沢 蝋光沢, ガラス光沢, 無光沢, 脂肪光沢, 絹糸光沢
様々
条痕
透明度 半透明
比重 2.59–2.61
文献 [1]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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玉髄製のナイフ、AD 1000-1200

玉髄(ぎょくずい、英語: chalcedony[2]カルセドニー)とは、石英の非常に細かい結晶が網目状に集まり、緻密に固まった鉱物変種。美しいものは宝石として扱われる。

語源[編集]

Chalcedony という語は、ラテン語の chalcedonius(別名:calchedonius)という語から来ている。この語は、大プリニウス博物誌には、半透明の碧玉(ジャスパー)のくくりとして記される[3]。さらに語源を遡ると、現在のイスタンブールにあるカドゥキョイ地区にあった古代都市カルケドンラテン語: Chalcedon)に由来するものとされている[4]

産出地[編集]

性質・特徴[編集]

含まれる不純物によっていろいろな色があり、それぞれ様々な名称で呼ばれている。

紅玉髄べにぎょくずい、カーネリアン
全体が赤色のもの。
緑玉髄りょくぎょくずい、クリソプレーズ
緑色のもの。
瑪瑙めのう、アゲート
石英や蛋白石との縞状模様のもの。
碧玉へきぎょく、ジャスパー
不純物をかなりの量含んでいて不透明なもの。
血石(けつせき、ブラッドストーン、血碧玉)
碧玉のうち斑点状に赤色が混じっているもの。

用途・加工法[編集]

石器時代には石器の素材として珍重された。江戸時代には火打石としても用いられた。

現代でも、飾り石帯留数珠などの装飾品、高級な食器などに加工されて利用されている。

脚注[編集]

  1. ^ Duda, Rudolf; Rejl, Lubos (1990). Minerals of the World. Arch Cape Press 
  2. ^ 文部省 編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、30頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  3. ^ Pliny the Elder. “chapter 7”. 博物誌. Book 37. p. 115. https://books.google.com/books?id=oHlGAAAAYAAJ&pg=PA163 
  4. ^ 松原聰. “玉髄 ぎょくずい chalcedony”. 日本大百科全書. 2018年8月5日閲覧。
  5. ^ Streeter, Edwin (1898). Precious Stones and Gems. p. 237 

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Chalcedony (英語), MinDat.org, 2011年12月13日閲覧