カラマツ属

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カラマツ属
Larix leptolepis2.JPG
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
亜門 : マツ亜門 Pinophytina
: マツ綱 Pinopsida
亜綱 : マツ亜綱 Pinidae
: マツ目 Pinales
: マツ科 Pinaceae
: カラマツ属 Larix
学名
Larix Philip Miller
和名
カラマツ属
英名
Larch
  • 本文参照

カラマツ属(カラマツぞく、唐松属、落葉松属、学名Larix)は、裸子植物門マツ亜門マツ綱マツ科である。カラマツ Larix kaempferi などの種が知られている。樹皮は暗褐色で鱗状である。葉はマツより短めの針葉で、20 - 40本が束状に生える。葉はそれほど濃密ではないので、林内はそれほど暗くならない。なお、キンポウゲ科カラマツソウ属があり、これに含まれる植物にも〜カラマツの名を持つものがある。

概要[編集]

カラマツ属は、ヨーロッパシベリアヒマラヤ北アメリカ北部など北半球の亜寒帯と中緯度の高山に広く分布する落葉針葉樹である。日本の高原を代表する植物でもあり、長野県群馬県北海道などのスキー場などに多く植えられている。落葉樹のため新緑紅葉(黄葉)がきれいで、特に紅葉は人気があるが、他の木よりその時期は遅い。世界には10種以上あるが、日本にはカラマツ1種が中部山岳地帯の山地帯から亜高山帯にかけて分布し、宮城県蔵王の馬ノ神岳にも隔離分布する。

樺太千島列島そして色丹島、さらに東シベリアの広大な地域には、カラマツとごく近縁なグイマツ Larix gmelinii が分布する。最終氷期にはグイマツは北海道から東北地方北部まで分布を広げていたが、北海道では8000年前頃、東北ではそれ以前に絶滅した。

性質[編集]

カラマツ属はいずれも陽樹(日当たりの良い場所を好む)であり、成長が早いため、何らかの原因で森林が消滅した場所に真っ先に進出する樹木(いわゆる先駆植物)のひとつである。通常の立地の下では、やがてはトウヒモミなど暗い場所を好む樹木(陰樹)に取って代わられて一代限りで消えていくため、川の周囲や湿原、断崖絶壁の上など特殊で悪条件の場所以外は、通常カラマツの森が永続することはない。しかし、東シベリア内陸部のタイガでは広大な面積のグイマツ・シベリアカラマツ林が永続的に成立している。これは冬季の極端な低温と分厚い永久凍土、少ない降水量などによるもので、ある意味では地域全体が特殊で悪条件の場所だから、と言える。

成長が早いことから、木材利用が逼迫した時期には寒冷地での植林樹種として利用された。このため、中部地方以北ではあちこちに人工林が存在する。北海道にも明治以降大量に植林された。

主な種[編集]

カラマツ属の主な種を下記に記す[1]

カラマツが植林された背景[編集]

  • かつては炭鉱の坑木として利用された。坑木不足が石炭の出荷量を左右したことから、盛んに植林が行われたが、皮肉なことに植林が軌道に乗った頃には炭鉱の閉山が相次ぎ、カラマツの市場は急激に縮小した。
  • 1960年代は住宅用材の引き合いが強く、木材価格が高騰した。このため、そり、まがりといった木の特性に難があっても成長が早いカラマツが注目を浴び、盛んに植林が行われた。

カラマツの利用[編集]

  • ヤニが多く、材は乾燥によりねじれが生じる。現在はねじれの少ないカラマツが育種により開発されている。
  • 住宅の品質確保の促進等に関する法律が成立した現在では、そのまま建材として利用することは難しく、集成材などに加工して用いられる。木地の色は赤みがかっており特徴的である。
  • 他の用途への利用も進められているが、消費は伸びていない。
  • 2007年現在、針葉樹合板のコア材として利用されてきたロシア産カラマツが輸入困難な状況となっており(中国での需要拡大の影響)その代替として国産カラマツの消費が伸びつつある。

カラマツを構造材として使った施設[編集]

画像[編集]

カラマツの花 
カラマツの若葉 
カラマツの表皮 
日本のカラマツ林 

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - Larix (2011年9月5日閲覧) * の記号が付いている種