カラス口

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カラス口

カラス口(からすぐち、烏口英語: ruling pen)は、製図用の特殊なペンで、ペン先の形状がくちばしに似ていることからこの名で呼ばれる。「烏」が常用漢字でないため、カラス口と表記されることが多い。

二枚の細く加工された鉄板からなるペン先を持ち、ネジによって鉄板の間隔を調整することで線の太さを変更することが出来る。ペン先をインク、もしくは、塗料等に漬け、間に保持しながら線を引く。細く、均一で、ある程度連続した綺麗な線を引くことができるので、ポスター図面の線描、版下の罫線、フィルムへの書き込み、漫画の枠線、模型への着色などに用いることが多い。特に定規との併用により、均質な直線を手で引く際に用いられることが多いが、コンパスに装着し、または円弧を描く事も出来る。インクを付けすぎるとボタッと滴り落ち画を台無しにしてしまうので気を付ける必要がある。

描画する線の太さを調整するネジを中心に鉄板を左右にずらしてクリーニングできる「独式」と、文字通りカラスのくちばしのように根本から開閉できる「英式」がある。

ある程度使用すると先端が磨耗するため、研磨する必要がある。また、インクを付けたままにしておくと錆びるのでインクをふき取って綺麗にしておく。

現在では、より扱いが簡単な製図ペンの登場や、電子化(電算写植DTP化)によりあまり利用されなくなってきている。

なお、中国語圏では、カラスではなく、アヒルのくちばしに例えて「鴨嘴筆」(ヤーズイビー、yāzuǐbǐ)と称される。