カム・テイスト・ザ・バンド

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カム・テイスト・ザ・バンド
ディープ・パープルスタジオ・アルバム
リリース
録音 1975年8月9月
ジャンル ハードロック
時間
レーベル イギリスの旗パープル・レコード(オリジナル盤)
EMI(リイシュー盤)
アメリカ合衆国の旗日本の旗ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュース マーティン・バーチ
ディープ・パープル
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 14位(日本[1]
  • 19位(イギリス[2]
  • 43位(アメリカ[3]
  • ディープ・パープル 年表
    嵐の使者
    (1974年)
    カム・テイスト・ザ・バンド
    (1975年)
    メイド・イン・ヨーロッパ
    (1976年)
    テンプレートを表示

    カム・テイスト・ザ・バンド (Come Taste the Band)は1975年に、イングランドロックバンドディープ・パープルの、バンドにとって10番目のスタジオ・アルバムである。同年11月リリースの本作は、ディープ・パープルとその長年の協力者であるマーティン・バーチの共同制作と録音による作品である。これはリッチー・ブラックモアの代わりにギタリストとしてトミー・ボーリンをフィーチャーした唯一のアルバムであり、グレン・ヒューズがベースを弾いた3アルバムの最後であり、デイヴィッド・カヴァデールがソロ・アルバム、ホワイトスネイクで再デビューする前に制作へ関わったアルバムでもある。

    歴史[編集]

    リッチーがバンドを去ったとき、多くのファンや評論家筋は[誰?]は1973年にイアン・ギランが去ったときの様に長くは続かないであろうと予想した。

    ジョン・ロード にバンドを継続させる様にと頼んだのはデイヴィッド・カヴァデールであり、カヴァデールの推薦で後任ギタリストとしてトミー・ボーリンが選ばれた「ボーリンに決定するまでの間、バンドは元ハンブル・パイクレム・クレムソン、更にはジェフ・ベックを後任ギタリスト候補に挙げていたが実現しなかった」。

    音楽的にこのアルバムはディープ・パープル第3期が制作した2作のアルバムリリースよりも商業的であり、伝統的なハードロックを志向しながらも、ソウルとファンクの要素がより強調された作品となった。

    録音[編集]

    アルバムのリハーサルは当初、本アルバムの録音エンジニアであったロバート·サイモンによって録音された。しかし、スケジュールについて意見が合わず、バンドはSimon's Pirate Sound Studiosを去り、ミュンヘンにあるMusicland Studiosを選んだ。

    グレン・ヒューズジョン・ロードによるとこのアルバムは殆どLAで作曲され、ミュンヘンにて録音された。ただし、「カミン・ホーム」はミュンヘンにて作曲された。ヒューズは当時コカイン中毒の上、更に肝炎を患いその治療を受けるために、録音が完了する前イングランドに戻った「そのため、ヒューズは本作のジャケット写真撮影には参加していない」。このアルバムは当時、ヒューズと同じくファンクとソウル、そしてジャズの影響を受けていたボーリンの音楽的志向を全面的に反映させているが、そのファンク志向は、強い様式美ハードロック志向が強かった1974年の 紫の炎 よりも更に増していた。ボーリンが参加したことで、バンドに創造的自由が生まれたが、これはリッチー・ブラックモア在籍時には不可能な事であった。


    リリースおよび評判、ツアーでのトラブル[編集]

    専門評論家によるレビュー
    レビュー・スコア
    出典評価
    Allmusic3.5/5stars[4]
    Rolling Stone(favourable)[5]
    Sputnik Music1.5/5stars[6]

    一般的にこのレコードはディープ・パープルの全作品の中の最も劣った作品のひとつであると考えられているが、リリース時の売れ行きは良かった。(UKチャートで19位USチャートでは43位) アルバムは英国で60,000枚売れ、BPIによって1975年11月1日にシルバーディスク認定された。[7]

    ジョン・ロードの"Deep Purple - Getting Tighter, the story of MK-IV" (2011)ビデオでのインタビューによると、このアルバムをプロモートするためのツアーは、カリフォルニア、ハワイ、ニュージーランドで順調にスタートした。しかし、インドネシアのジャカルタで、(同ドキュメンタリーでのグレン·ヒューズによると)バンドは殺人罪を「でっちあげ」られたという。特に、ヒューズと他の2名は(ロードとヒューズによると)クルーの一人だったパディ・キャラハンの「不審な状況の死」に関して犯人として「でっち上げ」られ投獄された。プロモーターはまた、第二夜のコンサートのチケットを売りバンドに一晩だけ元の料金で演奏することを強要した。ヒューズは、銃を突きつけられながら第二夜のコンサートに出演、終演後速やかに刑務所へと戻された。この間、指を負傷したトミー・ボーリンはプロモーターにより「痛み止めのモルヒネと偽って」ヘロインを与えられ、そのことがバンドの次の目的地、日本でのトラブルの元となった。ヒューズが起訴されたままバンドが出国するために、ディープ・パープルのマネージャーはすべての経費だけでなく何千もの余分な金をポケットマネーから、インドネシア軍と空港警備隊に支払ってジャカルタから出発しなければならなかった。

    まもなく、次の目的地である日本へ到着した。滞在中トミー・ボーリンはジャカルタで与えられた薬「ヘロイン」を摂取し更に腕の上で8時間も眠っていた事が祟り、ステージでは本来の実力が発揮出来ずギターを満足に弾けない状態となっていた。ヒューズによると、ボーリンの担当パートの多くが、ロードのオルガンやキーボードでカバーしなければならず、ロード自身(また、イアン・ペイスのインタビューによると)「トミーは開放弦でマイナーやメジャーキーに調整した複数のギターを曲により使い分けてコンサートを続けるしかなかった」とコメントしていた。ボーリンは曲によって「バレー」コード中心の運指で演奏するパターンを繰り返していたため、ファンから酷評されてしまう。このコンサートはライヴ・レコーディング、ならびにビデオ撮影され、後に「ラスト・コンサート・イン・ジャパン」としてリリースされた。(この時オープニング曲「紫の炎」で、ロードはオルガンで本来リッチー・ブラックモアがギターで弾くはずのオープニングリフを弾いていた)

    このアルバムのツアーが1976年3月に終わった後、カヴァデール、ヒューズ、ボーリンが相ついでバンドを去りディープ·パープルは8年もの間活動を休止した。その後トミー·ボーリンは1976年12月にヘロインの過剰摂取で死亡した。近年ではこのアルバムに対しボーリンが果たした役割の重要性が称えられ再評価を受けている。[要出典]一方、このアルバムのリリースの2年前にバンドを去ったイアン・ギランは、「このアルバムは真のディープ・パープルの「姿の」作品ではない」と語っている。[8]

    再リリース[編集]

    1990年Metal Blade Recordsにより、このアルバムはリマスターされ再リリースされ、ワーナー・ブラザースにより販売された。Friday Musicレーベルにより2007年7月31日に (メイド・イン・ヨーロッパ嵐の使者 とともに)再再リリースされた。

    Friday Musicのウェブサイトは、アルバムをデジタル・リマスタリングしたと主張するが、どのテープが音源として使用されたかは不明であり、オリジナル音源のテープがマスターとして使用されたことは考えられない。(EMIはこのアルバムのマスターテープは行方不明であると何年も言い続けている)

    2009年12月ディープ・パープル鑑賞会 (DPAS) は、オリジナルマルチトラックマスターが最近発見され、ボーナストラックを含む正式なリマスターバージョン(グレン・ヒューズ とKevin Shirleyのリミックスを含む) が2010年にリリースされると発表した。

    35周年記念版

    2010年10月25日にリリースされた2-CDデラックス版35周年記念版はリマスターされたオリジナルアルバムに加え、貴重なUSシングル版の「You Keep on Moving」を1枚目のディスクに、フルアルバムのリミックスと2曲の未発表曲(1975年版から除かれた3分の曲"Same in LA"とイアン・ペイスとトミー・ボーリンの5分間のインストルメンタルジャム"Bolin/Paice Jam")を2枚目のディスクに含んでいる。[9] [10]

    収録曲[編集]

    オリジナルのLPリリース[編集]

    Side one
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「Comin' Home」(Tommy Bolin, David Coverdale, Ian Paice)  
    2.「Lady Luck」(Jeff Cook, Coverdale)  
    3.「Gettin' Tighter」(Bolin, Glenn Hughes)  
    4.「Dealer」(Bolin, Coverdale)  
    5.「I Need Love」(Bolin, Coverdale)  
    Side two
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    6.「Drifter」(Bolin, Coverdale)  
    7.「Love Child」(Bolin, Coverdale)  
    8.「This Time Around" / "Owed to 'G'」(Hughes, Jon Lord / Bolin)  
    9.「You Keep on Moving」(Coverdale, Hughes)  

    35周年記念版2CD[編集]

    Disc one (Original album remastered)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「Comin' Home」  
    2.「Lady Luck」  
    3.「Gettin' Tighter」  
    4.「Dealer」  
    5.「I Need Love」  
    6.「Drifter」  
    7.「Love Child」  
    8.「This Time Around/Owed to 'G'」  
    9.「You Keep on Moving」  
    10.「You Keep on Moving (Single Edit)」(Bonus track)  
    Disc two (2010 Original album remixes)
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「Comin' Home」  
    2.「Lady Luck」  
    3.「Gettin' Tighter」  
    4.「Dealer」  
    5.「I Need Love」  
    6.「You Keep on Moving」  
    7.「Love Child」  
    8.「This Time Around」  
    9.「Owed to 'G'」  
    10.「Drifter」  

    メンバー[編集]

    ディープ·パープル
    その他
    • プロデュース マーティン・"スズメバチ"・バーチとディープ・パープル
    • 最終ミックス マーティン・バーチとイアン・ペイス
    • 録音エンジニア マーティン·バーチ
    • カバー写真 ピーター·ウィリアムズ
    • リマスター Dave Schultz and Bill Inglot at Digiprep, Los Angeles
    • 2010リミックス Kevin Shirley リミックス場所 The Cave (Malibu, Ca)
    • マスター Bob Ludwig

    ランキング[編集]

    脚注[編集]

    1. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.205
    2. ^ ChartArchive - Deep Purple
    3. ^ Deep Purple - Awards : AllMusic
    4. ^ Allmusic review
    5. ^ Rolling Stone review
    6. ^ http://www.sputnikmusic.com/review/33404/Deep-Purple-Come-Taste-the-Band/
    7. ^ BPI certified awards-Silver”. 2009年2月21日閲覧。 [リンク切れ]
    8. ^ Gillan Has 'No Interest' In Deep Purple Mk III, Says Glenn Hughes Is 'Copying Stevie Wonder'”. 2010年10月24日閲覧。
    9. ^ Deep Purple Appreciation Society. “Deep Purple, Come Taste The Band”. Deep-purple.net. 2012年2月10日閲覧。
    10. ^ bravewords.com. “> News > DEEP PURPLE - Come Taste The Band 35th Anniversary Due In October; Details Available”. Bravewords.com. 2012年2月10日閲覧。
    11. ^ a b c d Come taste the Band on European Charts 1975”. 2012年10月24日閲覧。
    12. ^ The Official Charts Company - Come Taste the Band”. The Official Charts Company (2013年5月5日). 2014年4月6日閲覧。
    13. ^ Come taste the Band on Billboard”. Rovi Corporation / Billboard. 2012年10月24日閲覧。
    14. ^ "Argentinian album certifications – Deep Purple – Stormbringer". Argentine Chamber of Phonograms and Videograms Producers. 
    15. ^ "British album certifications – Deep Purple – Stormbringer". British Phonographic Industry.  Enter Stormbringer in the field Keywords. Select Title in the field Search by. Select album in the field By Format. Select Silver in the field By Award. Click Search