カピチュレーション

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カピチュレーション(capitulation)とは、オスマン帝国が領内在住の外国人に対して恩恵的に認めた特権で、通商・居住の自由、領事裁判権、租税免除、身体・財産・企業の安全などを保障したもの。1536年スレイマン1世がフランス王フランソワ1世に与えたのが最初で、1579年にイギリス、1613年にオランダにも同様の特権が認められた。

概要[編集]

カピチュレーションは当初、経済的・政治的に大きな意味を持っていた。つまり、経済的には首都イスタンブルを中心とした通商活動を活性化させるためであり、政治的にはフランスとの関係を密にするためであった。当時オスマン帝国とフランスは、ハプスブルク家という共通の敵を抱く関係にあった。そのような国際関係の中で、フランソワ1世は宗教の違いを越えて、スレイマン1世に援助を求めた。それに対し、スレイマン1世はオスマン帝国という「強国」の支配者として、「弱国」たるフランスに恩恵的に特権を与えたのである。

ところが、18世紀になると、オスマン帝国の衰退に伴い、カピチュレーションは西欧諸国による不平等条約締結の恰好の足がかりとされることになった。1740年にオスマン帝国がフランスに認めたカピチュレーションでは、スルタンから認められた一代限りの恩恵という形でなく、両国が対等な立場に立つことが定められており、オスマン帝国側に履行の義務が課されることになった。

関連項目[編集]