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カニンガムの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カニンガムの法則(カニンガムのほうそく、英: Cunningham's law)は、「インターネット上で正しい答えを得る最良の方法は質問することではなく、間違った答えを書くことである」という法則である[1][2]

概要

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カニンガムの法則は、1980年代にWikiの発明者であるウォード・カニンガムとともに仕事をしていた際のことを参考にして、2010年にインテルの元幹部スティーブン・マクギーディニューヨーク・タイムズの言語ブログ上で提唱した法則である[2][3][4]

この言葉はフランス語の「prêcher le faux pour savoir le vrai(偽りを説いて真実を知る)」という表現と同義であり、一説にはこのフランス語の表現を応用したものがカニンガムの法則だとする説もある[5][4]

この法則は、インターネット上でただ単に手助けを叫んでいる投稿に対しては苦労する必要がないと思う反面、その投稿自体に間違いがあった場合、その間違いを訂正しなければならないと考えるという心理的動機付けが関係しているとされている[6]

小説『四つの署名』内のセリフ[7][8]や、ドラマ『SHERLOCK』の「大いなるゲーム」でのセリフ[6][9]などにみられるように、シャーロック・ホームズはこの法則をまるで知っていたかのようにも捉えられる発言を行っている。

脚注

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  1. ^ Attorney (Legal Services)Cunningham Law”. 2021年2月21日閲覧。
  2. ^ a b Urban Dictionary: Cunningham's law” (英語). Urban Dictionary. 2021年2月21日閲覧。
  3. ^ Donnellan, Kevin. “I spent a week being wrong online” (英語). The Outline. 2021年2月21日閲覧。
  4. ^ a b 詭弁、あら捜しなど、ネット上で良く見る書き込みはある法則に基づいていた。目からウロコの面白い10の法則・効果”. カラパイア. 2021年2月21日閲覧。
  5. ^ If the country were run on the internet it would be permanent civil war” (フランス語). Bilan. 2021年2月21日閲覧。
  6. ^ a b Ahola, Jussi (2020年12月9日). “Cunningham’s Law and human motivation” (英語). Medium. 2021年2月21日閲覧。
  7. ^ s:en:The Sign of Four/Chapter 8より: 'The main thing with people of that sort,' said Holmes, as we sat in the sheets of the wherry, 'is never to let them think that their information can be of the slightest importance to you. If you do, they will instantly shut up like an oyster. If you listen to them under protest, as it were, you are very likely to get what you want.'
  8. ^ ウィリアム・ベアリング=グールド 著、小池滋 訳「35 四つの署名」『詳注版シャーロック・ホームズ全集』 5巻、筑摩書房〈ちくま文庫〉、1998年、173頁。ISBN 9784480032751 
  9. ^ Alexander, Sharí (2017年1月12日). “Why Being Wrong Makes You Right | Sharí Alexander | Observe, Connect, Influence” (英語). 2021年2月22日閲覧。この発言はコナン・ドイルによる原作からの引用ではなく、ドラマ『SHERLOCK』の「大いなるゲーム」での台詞である。