カツオクジラ
| カツオクジラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| DATA DEFICIENT (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Balaenoptera edeni Wada, 2003 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Balaenoptera brydei | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| カツオクジラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Eden's whale |
カツオクジラ(鰹鯨、学名:Balaenoptera edeni)は、ヒゲクジラ亜目の一種。ナガスクジラ科ナガスクジラ属に属する。
土佐湾の個体はバブルネットフィーディングを行う点で特徴的である。[3]
分類[編集]
本種はかつて、イワシクジラおよびニタリクジラと同一の種とされていた。このため、「カツオクジラ」という名称はイワシクジラやニタリクジラの別名でもあったが、ニタリクジラとイワシクジラが別種であることが判明した際に、ニタリクジラに類する習性であるため、この別名はニタリクジラに引き継がれ、更に本種がニタリクジラから分けられる際にこの和名が付けられた。なお、正式に決まるまでこの鯨種の和名としてエーデンクジラ(読み方からイーデンクジラとも)の名も検討されていた。科学的に最初に分類されたのは、ミャンマー西岸のマルタバン湾奥の河川を数十km 遡上した個体である。[4]
新たに分類され、情報が少ない種類であるが、東シナ海及び高知県、和歌山県沖の体長が小さい沿岸型ニタリクジラとされていたのはカツオクジラである[5]。
ニタリクジラとの識別[編集]
| ニタリクジラ | カツオクジラ | |
|---|---|---|
| 上顎骨の上行突起の形状 | 太く末広がり | 細く幅が一定 |
| 鼻骨の形状 | 細長い三角形 | 長方形のような形 |
| 前頭骨の露出 | 狭く帯状 | 広く、台座状隆起がある |
| 間頭頂骨の露出 | 小さい | 大きい |
| 翼蝶形骨の露出面の形状 | 細長く不定形でときに境界が不明瞭 | 頭頂骨と翼状骨との間に尾を引いた長方形状に大きく露出し、その側面は鱗状骨にも広く接する。 |
ホエールウォッチング[編集]
本種は、一般的にはニタリクジラよりも比較的に沿岸性であり、単一海域に定住する個体群も多数存在する。ブリーチングなどの水面行動も一般的にはニタリクジラに比べ活発であると言われ、そのためホエールウォッチングの主対象になることもある。日本近海においては高知県の土佐湾(ホエールウォッチングの項を参照)一帯と鹿児島県笠沙町で本種のホエールウォッチングが可能である。この両海域には定住群が存在するとされ、同海域での個体識別や繁殖活動の観察など研究が進んでいるだけでなく、両海域間の交流も判明している。土佐湾と野間半島および甑島列島沖に来遊するカツオクジラは、捕鯨以前よりは分布が狭まったであろう現代でも、少なくとも西は長崎県沖・五島列島付近まで、東は和歌山県・尾鷲沖まで回遊することが知られている。また、過去の記録を見ると台湾などさらに遠方まで回遊していたと思しい。[3]
日本以外においても本種およびニタリクジラのウォッチングは可能であり、温暖な地域であれば紅海を含むほとんど全域に生息する(地中海はのぞく)。世界中の広範囲に棲息しており、2017年現在の時点で、積極的な観光業または研究業が行われている、またはそれらが将来的に期待されている海域に限っても、以下のように、カツオクジラまたはニタリクジラの定住群を観察することができる地域は少なくない。
- 東南アジア:フィリピンのパラワン島やミンダナオ海、タイのタイ湾、バングラディッシュのスンダルバンス国立公園、ミャンマーのメルグイ諸島やガパリ沿岸、マレーシアのランカウイ島、コモド島、スリランカなど
- 中南米:カリフォルニア湾、リオ・デ・ジャネイロ沿岸、ガラパゴス諸島
- オセアニア:北西オーストラリアとニュージーランドの北島(ハウラキ湾やタウランガやベイ・オブ・アイランズ)一帯
- 大西洋:マデイラ諸島やカナリア諸島、カーボベルデ(定住ではないがアゾレス諸島でも観察できる)、キュラソー島とベネズエラ沿岸[6]
- その他:南アフリカ
2014年には、メキシコ湾に定住する絶滅に瀕する小個体群が、独自の亜種であることが判明した。[7]
脚注[編集]
- ^ Reilly, S.B., Bannister, J.L., Best, P.B., et al. 2008. Balaenoptera edeni. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
- ^ ニタリクジラ#形態・生態も参照のこと。この習性は共生であるとされる。
- ^ a b 木白 俊哉. 2011. 西部北太平洋、特に南西部日本沿岸におけるニタリクジラの資源生態学的研究
- ^ Wildlife Conservation Society. 2014. Marine Conservation - Current knowledge and research recommendation (pdf). Retrieved on March 02, 2017
- ^ 中央水研ニュースNo.34 新種のヒゲクジラの発見 和田志郎
- ^ Dolphin Academy Curacao. Bryde’s Whale (Balaenoptera edeni). Retrieved on March 06, 2017
- ^ A petition to list the Gulf of Mexico Bryde’s whale (Balaenoptera edeni) as endangered underthe Endangered Species Act