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カセットテープデッキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ティアックのカセットテープデッキ
「R-646X」
テクニクス[注釈 1]のカセットテープデッキ「RS-612US」。1976年-78年頃の北米市場向けの製品
ヤマハ[注釈 2]のカセットテープデッキ「K-300」(日本市場向けは「K-300B」)。1983年頃の北米市場向けの製品
JVC[注釈 3]のカセットテープデッキ「TD-W504」の背面。1990年代頃の日本国外市場向けの製品左下が入力端子と出力端子
他の音響装置と組み合わせコンポーネントステレオを構成した例。カセットデッキは上から2段目である。1番上はチューナー。3番目はCDデッキ(CDプレーヤー)。4番目はアンプ(増幅装置)。その下はレコードプレーヤー(ターンテーブル)。

通常略してカセットデッキ(英:cassette deck)、正式にはカセットテープデッキは、カセットテープの録音・再生装置であり[1]、通常、再生時には増幅装置(アンプ)に接続しそれにスピーカーを接続して用い、録音時にはさらにマイクを接続する[1]。カセットテープデッキとは、スピーカー、アンプ、マイクを内蔵しないものを指す。

概要

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再生時はカセットデッキの出力端子とアンプ(増幅装置)の入力端子をケーブルで接続し、アンプにさらにスピーカーなどを接続して音を聴いたり、あるいはカセットデッキのヘッドフォン用出力端子にヘッドフォンのプラグを挿して音を聴く。録音時にはカセットデッキの入力端子と、FM/AMチューナーやCDプレーヤーやレコードプレーヤーなどの出力端子をケーブルで接続するのが一般的で、あるいはごく一部の機種に限り入力端子にマイクロフォンからの出力を接続する。

通常はコンポーネントステレオの "いちコンポーネント" として使う。ミニディスクが普及してからは、同機能を搭載したオーディオ機器向けにオプションとして販売されるケースも多く見られた。

オランダフィリップスが提唱・開発したコンパクトカセットの規格のものが最も普及し一般的で、特に断らないとそれを指していることが多いが、他のオープンリールのデッキやエルカセットのテープデッキと比較する文章などでは、それを明確に指すためにコンパクトカセットデッキと言うことがある。また、エルカセットのテープデッキだけを明確に指すにはエルカセットデッキと、DAT(デジタルオーディオテープ)のテープデッキだけを明確に指すにはDATデッキ、DCC(デジタルコンパクトカセット)のテープデッキだけを明確に指すにはDCCデッキとそれぞれ言う。以下、一般的なアナログコンパクトカセットデッキ(ACCデッキ)を中心に説明する。

カセットデッキの基本構造

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カセットデッキの基本構造に不可欠な部品は次のとおりである[2]。 あくまでここではまず基本を説明する。(発展形や例外の説明は後でおこなう)

  • 録音再生ヘッド[2] - 録音再生ヘッドは録音および再生に使われる[2]。高価格帯のカセットデッキになると録音再生兼用ヘッドのみならず、録音専用・再生専用に独立したヘッドを用いた機種が存在する。
  • 消去ヘッド[2] - 消去ヘッドは録音を消すためのヘッドである。消去専用のヘッドに採用されている磁気ヘッドはほとんどがフェライトヘッドである。
  • キャプスタン - 再生スピードを決めるための、回転する金属製の細い軸[2]。テープに直接触れる。高級機種になるほどキャプスタンの回転をより安定させるための工夫がされ、カセットテープ特有のワウフラッター、すなわち音のたわみ、音高の上下のブレ、が少なくなる[2]
  • ピンチローラー - ゴム製のローラーであり、上述のキャプスタンと一対になることでテープを挟み、キャプスタンの回転がテープに正しく伝わるよう働く[2]
  • ハブ駆動軸[2] - テープを巻き取る部品[2]。再生の際には一定速度でゆっくりと回転し、早送りや巻き戻しの際には高速で回転する[2]

なお、磁気ヘッドの基本は、録音ヘッドと再生ヘッドを兼用し、消去ヘッドも装備した2ヘッド方式である。後に録音ヘッド、再生ヘッド、消去ヘッドが別々に分離した3ヘッド方式も開発され、一部の機種で導入された(後述の節で解説)。

歴史

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カセットテープがオランダのフィリップスで開発されたのは1960年代初頭のことだった。コンパクトカセットデッキはオープンリール式のオープンデッキと比べるとテープスピードやトラック幅などでハンディキャップを負っていたにもかかわらず、1980年ころにはハイファイステレオの一装置として広く普及した状態になっていた。それはカセットテープがオープンリールに比べて扱い易い性質を備えていただけでなく、メーカーによって性能向上の努力が続けられハイファイ機器としての性能を満たすようになったからであった[3]。カセットデッキに1980年ころまでに導入された技術の中で重要なものにはダイレクトドライブモータ(DD motor)、2キャプスタンメカ[注釈 4]によるテープ走行特性の改善、3ヘッド化(3ヘッドとは消去ヘッド、録音ヘッド、再生ヘッドが、それぞれ独立しているヘッド方式[4])、電気系のノイズリダクション[注釈 5]、オートバイアスやオートイコライザによる伝送特性の向上などを挙げられる[3]。またそれに加えてカセットテープメーカー側の努力でメタルテープなど磁性体の改良[注釈 6]が行われたことも挙げられる[3]。主に日本の音響機器メーカーを中心これらの技術開発努力の積み重ねによりカセットデッキの音響性能が進歩したことも普及に役立ったのである[3]

脚注

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注釈

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  1. 松下電器産業、現・パナソニックホールディングス
  2. 日本楽器製造(オーディオ事業部、現・ヤマハミュージックジャパン
  3. 日本ビクター、現・JVCケンウッド
  4. クローズドループ・デュアルキャプスタン
  5. 例えば、ドルビーノイズリダクションANRSdbxなど
  6. 他に[[クロムポジション|ハイポジションテープ(規格当初のクロムポジションテープ相当、IEC TYPE II)]]など

出典

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  1. 1 2 カセットデッキ」『精選版 日本国語大辞典』コトバンクより2025年12月31日閲覧
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 カセットデッキの録音再生で重要な4つの部分とは?”. 2024年7月25日閲覧。
  3. 1 2 3 4 樋 口 重 光 ・三 瓶 徹(日立 製 作 所 家電 研 究所 ) (1980年). カ セ ッ トデ ッ キ の オ ー トバ イ ア ス ・オ ー トイ コ ラ イ ザ”. 2024年7月25日閲覧。
  4. http://ao.gmobb.jp/pelodi/3headhistory.html

関連項目

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外部リンク

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