カサンドラ・クロス

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カサンドラ・クロス
The Cassandra Crossing
監督 ジョルジュ・パン・コスマトス
脚本 トム・マンキーウィッツ
ロバート・カッツ
ジョルジュ・パン・コスマトス
原案 ロバート・カッツ
ジョルジュ・パン・コスマトス
製作 カルロ・ポンティ
リュー・グレード
製作総指揮 ジャンカルロ・ペティーニ
出演者 ソフィア・ローレン
リチャード・ハリス
マーティン・シーン
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 エンニオ・グァルニエリ
編集 ロベルト・シルヴィ
フランソワ・ボネット
配給 日本の旗 日本ヘラルド映画
公開 イタリアの旗日本の旗 1976年12月18日
西ドイツの旗イギリスの旗 1977年3月31日
上映時間 129分
製作国 西ドイツの旗 西ドイツ
イタリアの旗 イタリア
イギリスの旗 イギリス
言語 フランス語
英語
スウェーデン語
ドイツ語
興行収入 $15,300,000
配給収入 日本の旗 15億3000万円[1]
(1977年洋画配給収入3位)
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カサンドラ・クロス』(The Cassandra Crossing[2]は、1976年に公開されたイタリアイギリス西ドイツ合作のサスペンス映画。日本での配給は日本ヘラルド映画。地方での併映は「ラストコンサート」。

あらすじ[編集]

ジュネーヴの国際保健機構に急患を装った三人のゲリラが潜入し、銃撃戦が始まった。一人はガードマンに射殺され、残りの二人は様々な細菌類が保存されている部屋へ逃げ込んだ。そこで、一人が撃たれて倒れた拍子に薬の瓶を割ってしまい、感染性の強い病原菌に感染してしまった。残る一人(スウェーデン人)は逃走し、パリアムステルダム経由ストックホルム行きの大陸横断鉄道へ乗り込んだ。機構内で細菌兵器の研究を行っていたアメリカ軍は、スキャンダルの発覚を恐れてマッケンジー大佐にゲリラの行方を捜索させ、彼は射殺されたゲリラの所持品から大陸横断鉄道の乗車券を発見する。乗客名簿の中から、著名な神経外科医であるチェンバレン博士が乗車していることを知ったマッケンジーは、機構のシュトラドナー主任と共にチェンバレンに連絡を取り、ゲリラを探し出して隔離するように伝える。

チェンバレンは乗り合わせた元妻ジェニファーやセールスマンのカプラン、車掌のマックスと共に車内を捜索し、貨物車内でゲリラを発見する。しかし、彼は既に感染しており、その状態で車内を徘徊していたため、乗客1,000人に感染の疑いがかけられてしまう。マッケンジーはヘリコプターを派遣して、感染したゲリラと貨物車にいた犬を回収しようとするが、犬を回収した時点で列車が山間部に入ってしまい、ゲリラの回収に失敗する。シュトラドナーは回収した犬の検査を実施して解毒方法を探り、マッケンジーは列車をニュルンベルクに誘導して、そこから医療チームを乗車させてポーランドの隔離施設で乗客に精密検査を受けさせることに決める。マッケンジーはニュルンベルクに到着するまでの間、チェンバレンに乗客の診療を行うように指示するが、途中で乗客たちが次々に病原菌に感染してしまう。列車が無事にニュルンベルクに到着すると、そこには完全防備したアメリカ軍が待ち構えており、列車を完全に密封して乗客たちを管理下に置く。その様子を見たカプランは、かつてナチスによって収容所送りにされた過去を思い出して錯乱状態に陥る。

列車はアメリカ軍を乗せてポーランドに向けて発車するが、隔離施設に向かう途中でカサンドラ・クロス橋梁を通過することを知ったカプランは絶望する。カサンドラ・クロス橋梁は1948年に廃線となり、崩落の危険性が指摘され周辺住民たちも立ち退いている場所だった。カプランから話を聞いたジェニファーは、マッケンジーに事情を聞くようにチェンバレンに伝えるが、マッケンジーは「安全性は確認されている」と答えるだけだった。マッケンジーは上層部の命令で、乗客たちをカサンドラ・クロス橋梁の崩落事故に見せかけて口封じするつもりだった。シュトラドナーは犬が感染症から回復したことを理由に列車を止めるように訴えるが、マッケンジーは苦悩しつつも命令を実行に移そうとする。一方、列車内でも乗客たちが回復したため、チェンバレンは列車を止めるように訴えるが、アメリカ軍は聞き入れずに追い返されてしまう。

チェンバレンはカサンドラ・クロス橋梁に到達する前に列車を止めるため、ジェニファーや麻薬売人のナバロ、麻薬捜査官のハリーと協力して機関車を制圧しようと試みてアメリカ軍と銃撃戦を展開するが、武装したアメリカ軍に阻まれて失敗する。チェンバレンは調理室でガス爆発を起こして列車を切り離そうと考えつくが、ナバロが列車の側面から機関車に乗り込むことを志願し、同時並行で作戦を実行することになる。しかし、ナバロはアメリカ軍に見付かり射殺され、チェンバレンは調理室を爆破しようとするが、導火線の火が消えてしまい窮地に陥る。そこにライターを持ったカプランが現れ、自身を犠牲にして調理室を爆破する。チェンバレンたちはカサンドラ・クロス橋梁に到達する直前に二等車両より後方を切り離すが、アメリカ軍を乗せた機関車と乗客を乗せた一等車両はカサンドラ・クロス橋梁の崩壊に巻き込まれて川に転落し、難を逃れたチェンバレンや二等車両の乗客たちは列車を降りて脱出する。詳細を知らないマッケンジーは「乗客は崩落事故で全員死亡した」と上層部に報告するが、シュトラドナーに非難され罪の意識に苛まれる。マッケンジーはうなだれながら機構を後にするが、彼とシュトラドナーには、上層部の命令を受けたスタック少佐によって監視が付けられていた。

登場人物[編集]

  • ジェニファー・リスポリ・チェンバレン:女流作家で、チェンバレン博士の元妻。
  • ジョナサン・チェンバレン:神経外科医で、ジェニファーの元夫。列車爆破計画を察知し恐怖におののく乗客を救出すべくリードする。
  • サンティニ(ナバロ):国際兵器製造業者ドレスラー夫人の若い愛人で、国際警察で指名手配中の麻薬の売人。
  • ハリー:麻薬捜査官。旅行中のサンティニ(ナバロ)を逮捕すべく神父に変装して列車に乗り込む。終盤で、カテリーナを守るためにアメリカ軍に射殺される。
  • エレナ・シュトラドナー:国際保健機構の主任医師。マッケンジーと共に事件に関わり、医学的視点で助力するが、後に事件隠滅を優先するあまり乗客もろともの列車抹殺に固執する彼と対立する。
  • スティーヴン・マッケンジー大佐:国際保健機構のアメリカセクション情報部員。事件の発覚を恐れた上層部の命令を受け、内心の懊悩を抑えつつ、列車と共に1000人の乗客と事態を闇に葬る計画を立てる。
  • スーザン:トムと共に新婚旅行に来ていた若妻。
  • トム:スーザンと共に新婚旅行に来ていた若夫。
  • スタック少佐:アメリカ陸軍少佐、マッケンジーと共に事件解決に乗り出す。実は軍司令部からの密命でひそかに(犠牲となった列車の乗客達に罪障意識を感じていると思われる)マッケンジーとシュトラドナーを監視する立場にある。
  • ヘルマン・カプラン:初老のセールスマンユダヤ人で腕時計を扱う。列車がポーランドへ行くと聞き、過去の収容所生活で家族を失った上、自身も悲惨な体験を強いられたことが強いトラウマとなっており、今回の事件でその恐怖を思い出し恐慌状態に陥る。
  • ニコール・ドレスラー:国際兵器製造業者の夫人。サンティニ(ナバロ)と共に列車に乗り込む。
  • チャドウィック婦人:車中で事件に巻き込まれ、行方不明になる幼女カテリーナの母。
  • マックス:初老のベテラン車掌。チェンバレンらと共に乗客救出に尽力する。

キャスト等[編集]

役名 俳優 日本語吹替
日本テレビ LD
ジェニファー ソフィア・ローレン 此島愛子
チェンバレン リチャード・ハリス 日下武史 家弓家正
マッケンジー バート・ランカスター 青木義朗 久松保夫
エレナ イングリッド・チューリン 奈良岡朋子 谷育子
ドレスラー夫人 エヴァ・ガードナー 福田公子 翠準子
スタック ジョン・フィリップ・ロー 富山敬 井上真樹夫
ナバロ・サンティニ マーティン・シーン 青野武 安原義人
キャプラン リー・ストラスバーグ 宮内幸平 槐柳二
車掌 ライオネル・スタンダー 雨森雅司 寄山弘
ハーレイ O・J・シンプソン 木原抄二郎 徳丸完
トム レイモンド・ラブロック 田中秀幸 鈴置洋孝
スーザン アン・ターケル 高橋ひろ子 上山則子
スコット トーマス・ハンター 仲木隆司 若本規夫
チャドウィック婦人 アリダ・ヴァリ 渡辺知子
出札係 レンツォ・パルメール 水鳥鉄夫
演出 N/A 福永莞爾 N/A
翻訳 大野隆一 井場洋子
選曲 赤塚不二夫 N/A
効果 PAGプロデュース
調整 兼子芳博
解説 水野晴郎
制作 ザック・プロモーション 東北新社
初回放送 1979年10月24日
21:00-23:24
水曜ロードショー
N/A

※日本テレビ版の初回放送時のタイトルは「カサンドラ・クロス~乗客1000人!細菌汚染暴走特急、死の大鉄橋突入!!」。

2016年7月20日発売のブルーレイには、初回放送長尺版の日本テレビ版(正味約120分)とLD版(正味約120分)の全2種類の日本語吹替音声が収録。

スタッフ[編集]

関連項目[編集]

  • ガラビ橋 - 劇中に登場する「カサンドラ・クロス橋梁」。
  • 皇帝のいない八月』 - 日本版カサンドラ・クロスとされた作品。原作者の小林久三が「カサンドラ・クロス」を参考に書き上げたとコメントしている。

脚注[編集]

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』 キネマ旬報社、2003年、223頁。ISBN 4-87376-595-1
  2. ^ カサンドライリオス(トロイ)の王女で悲劇の予言者であり、「不吉、破局」も意味するようになった。

外部リンク[編集]