カイマク
カイマク | |
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![]() トルコのカイマク | |
発祥地 | 中央アジア |
地域 | |
主な材料 | 乳 |
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カイマク(英: kaymak)とは、クロテッドクリームに似た、トルコのクリーム状の乳製品である。ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、セルビア等のバルカン半島諸国や中東、中央アジア、イラン、パキスタン、アフガニスタン、アゼルバイジャン、インドでも人気がある。ウシ、スイギュウ、ヒツジ、ヤギの乳汁から作る。
伝統的な作り方は、牛乳をゆっくりと温め、その後極低温で2時間煮込む。火を止めた後、クリームの上澄みをすくい、数日間から数日の間、自然に冷やして発酵させる。カイマクは乳脂肪分が高く、約60%にもなる。濃厚な風味と豊かな味わいを持つ。
語源[編集]
カイマクという言葉は中央アジアに由来し、恐らくモンゴル語で金属を溶かして型に入れる事を意味するkayl-makという動詞に由来する[1]。kaymakという用語が初めて文献に登場するのは、マフムト・アル=カシュガルの有名な著書『クタドゥグ・ビリグ』である[1]。この言葉はモンゴル語にkaylgmakとして残り、アゼルバイジャン語ではQaymaq、ウズベキスタン語ではqaymoq[2]、キルギス語ではкаймак[3]、トルクメン語ではkaymak[1]、と言われる。
バルカン半島[編集]
カイマクは、ほとんどが伝統的な方法で家庭内で作られる。購入する時は、店舗やスーパーマーケットではなく公開市場で買うことができるが、市販品は品質が良くない[4]。最も上質なものは、山牛の農場のものである。カイマクは、乾燥した動物の皮で作った袋で熟成させることもでき、このようなものはskorupと呼ばれる。
通常はオードブルとして食べられるが、調味料としても用いられる。最も簡単なレシピはlepinja sa kajmakomで、カイマクを詰めたピタであり、朝食やファストフードとして食べられる。セルビア人、ボスニア人、マケドニア人は、これを国民食と考えている。カイマクを使った他の料理には、pljeskavica sa kajmakom(溶けたカイマクをトッピングしたハンバーガー)やribić u kajmaku(牛脚肉のカイマク煮込み)等がある。これは、バーベキューの付け合わせとして食べられる。
トルコと中東[編集]
トルコではカイマクに非常に人気があり、少なくともカイマク店への女性の立入りが禁止された証拠がある1573年以降、数世紀に渡って店舗でのカイマクの製造と消費が行われてきた。今日では、カイマクは伝統的なトルコ料理の朝食と一緒に食べられる。かつてと比べるとカイマクの人気は落ちてきたが、水牛にケシ種の製油かすを給餌しているアフィヨンカラヒサール地方では、上質のカイマクが作られている。カイマクは、砂糖を加えないでいれたトルコの伝統的なコーヒーにクリームの代わりに加えられることもあり、また、ジャムや蜂蜜のようにペストリーやパンケーキと一緒に食べられる。アフガニスタンのカイマクは、ナンの付け合わせや炭酸水素ナトリウムを加えた緑茶qymak chaiのトッピングとして食べられる。イラクではGaimarまたはQaimarと呼び、パン、蜂蜜またはジャム、熱い茶とともに朝食として食べられる。
関連項目[編集]
出典[編集]
- ^ a b c http://www.nisanyansozluk.com/?k=kaymak
- ^ https://pauctle.com/uztr/soz/qaymoq/
- ^ http://www.sozduk.kg/index.asp?gorev=sozluk
- ^ Nikola Vrzić (2000年12月28日). “Sve srpske kašike” (Serbian) (Windows-1250). NIN 2012年6月13日閲覧。
- The Poppy Growers of İsmailköy (2002)
- Davidson, Alan. Oxford Companion to Food (1999). "Kaymak", pp. 428–429. ISBN 0-19-211579-0