カイの冒険

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
カイの冒険
THE QUEST OF KI
ジャンル アクションゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ[FC]
アーケードゲーム[AC]
携帯アプリ
開発元 ゲームスタジオ
発売元 ナムコ
人数 1人
AC: 1〜2人
メディア FC: ロムカセット
AC: 任天堂VS.システム
携帯アプリ: iアプリS!アプリ
発売日 FC: 1988年7月22日
AC: 1988年
iアプリ: 2008年3月1日
S!アプリ: 2009年3月31日
テンプレートを表示

カイの冒険』(カイのぼうけん、THE QUEST OF KI)は、1988年7月22日ナムコが発売したファミリーコンピュータアクションゲーム。「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」第41弾。

バビロニアン・キャッスル・サーガ」の一つ。物語の時系列的には『ドルアーガの塔』の前日談にあたる。

ゲーム内容[編集]

勇気を身軽さに変えるティアラを装備した主人公のカイを操作し、ドルアーガの塔を上っていくジャンプアクションゲーム。攻撃手段は一切なく、敵や敵の攻撃をよけて進む。各フロアに置いてあるさまざまなアイテムを取得することでゲームを有利に進められる。敵やトラップに触れるとミスとなるが、敵に当たった場合は次回、その敵がいない状態でゲームが再開される(一部を除く)。ゲームオーバーになったフロアから何度でもコンティニュー可能。

フロア60まで到達するとエンディングとなり、物語とは無関係なスペシャルステージのフロア61〜100がスタート。全フロアクリアするとスタッフからの謝辞が贈られ、ゲームが終了する。

ストーリー[編集]

繁栄と平和の象徴であるブルークリスタルロッドを手中に収めんとするスーマール帝国の侵攻により、バビリム王国は蹂躪され、人々は天高くそびえる塔の建設に従事させられていた。帝国の所業に怒った神々の王アヌ神の放った雷により塔は破壊されたものの、バビリム王子ギル(ギルガメス)は塔の崩壊に巻き込まれ重傷を負ってしまう。その上、塔の影でロッドの光が遮られたことにより、ブルークリスタルロッドに封じられていた悪魔ドルアーガが復活。恐怖のあまり神への信心を忘れた人々の心は千々に乱れ、人間の愚かさに失望したアヌ神に見捨てられた地上は悪魔のなすがままにされていた。

王国に仕える女神イシターの巫女カイは苦境の中にあっても信心を決して失うことなく、許嫁であるギルを献身的に介護しながら神々へ祈りを捧げ続けていた。神に見放されても片時も祈りを忘れることのないカイの姿に心打たれたイシターは、勇気を身軽さに変える魔法のティアラをカイに授け、ドルアーガに奪われたブルークリスタルロッドの奪還を命じる。

こうして、カイは魔のうごめくドルアーガの塔へと、単身、乗り込んでいくのだった。

登場人物[編集]

プレイヤー側キャラクター[編集]

カイ
プレイヤーが操作するゲームの主人公。王国の巫女。勇気を身軽さに変える魔法のティアラをかぶり、さまざまなモンスターの攻撃をかわしつつ、塔の最上階を目指す。
イシター
前作『ドルアーガの塔』にも登場した愛と戦いの女神。本作では一部のフロアにおいてスタート時に現れ、そのフロアを攻略するためのヒントをくれる。
スペシャルステージ開始階であるフロア61より後は攻略に一切関係のないおしゃべりしかしなくなる。
クオックス
ブルークリスタルロッドの精霊であるドラゴン。本作ではまだ敵となっておらず、カイの味方として登場する。秘密の通路によりカイをワープさせてくれる。
ライオン(の置物)
特定のフロアに存在し、触るとバリアがかかり、何度でも利用可能。ライオンはイシターの使いと設定されている。

敵キャラクター[編集]

同シリーズより登場の敵[編集]

スライム
ゼリー状のモンスター。いずれも基本的に定位置にとどまり、ときどき左右に飛び跳ねる。
  • グリーンスライム
黄緑の個体。動きは鈍い。
  • ブラックスライム
黒の個体。活発に飛び跳ねる。
  • レッドスライム
赤の個体。ときどき真上に呪文を飛ばす。
  • ブルースライム
青の個体。左か右の真横に呪文を飛ばす。
バット
黒いコウモリ。天井の特定の箇所に止まっているが、一定時間ごとにその周囲を狭い範囲で飛び回る。
バンパイヤ
イシターの復活』では下級の敵であったが、本作では一定箇所に停止し、通り道をふさいでいる。体当たりやバリアで消すことはできず、十字架を取ると消すことができる。
メイジ/アーチ・メイジ
魔法使いの姿をしている。一定箇所にとどまり、一定時間おきに前方に呪文を発射する。アーチ・メイジは呪文を発射するとき以外は姿を消しており、その間に出現位置を通ってもミスにはならない。
ゴースト/アーチゴースト
カンテラを携えたマジシャンの幽霊。空中を左右に往復するが、その軌道は直線状と波状の二通りがある。一定時間おきに前方に呪文を飛ばす。アーチゴーストは姿が見えず(飛んでくる呪文は見える)、見えない状態で触れてもミスとなるが、『ドルアーガの塔』に倣いキャンドルを取ると見えるようになる。
ゲームセンターCX』の番組内では、ナレーターから誤って「鳥」と呼ばれていた。
ウィルオーウィスプ
丸い火の玉のような形で、空中を縦や横に高速で移動する。体当たりで消すことはできない。
ローパー
大量の触手を持つ敵。身体は大きいが、その場から動かない。
ランドアーチン
床を高速で往復する陸棲のウニ。『イシターの復活』では攻撃魔法の大半が効かない難敵であったが、本作では特別な要素はなく、ごく普通の敵キャラクターである。
ウーズ
緑色の不定形生物。『イシターの復活』では床を這っていたが、本作では一定周期で天井から水滴のように落下して消滅、天井から再出現する。

本作オリジナルの敵[編集]

ファンガス
イソギンチャクのような姿の敵。身体は小さく、その場から動かない。
レイブン
空中を左右に往復するカラス。
ジャイアント・トード
巨大な蛙。特定の一ヶ所でジャンプを繰り返す。
アウル/イーグル
その名の通り、前者はフクロウ、後者は鷲の姿をしている。いずれも柱の上で静止しているが、身体はイーグルの方が大きい。
サラマンダー
一定間隔で炎を吐く小型の竜。ただし移動は行わない。
ジャイアント・リーチ
天井の特定の箇所に潜むモンスター。カイが近づくと下方に飛び出すが、出現場所は視認可能。
ビホルダー/アーチビホルダー
単眼を持つ小型のモンスター。ビホルダー(青)は空中をただ左右に往復するが、アーチビホルダー(茶色)はそれに加えて、カイのジャンプ中(=ボタン入力中)のみその場に停止する。
ドラゴンフライ
トンボのような敵。空中を左右に往復しながら、火の玉も飛ばしてくる。
ミミック
宝箱に擬態した敵。時おり左右に動く。
マッドエレメント
床の特定の箇所に潜み、カイが近づくと床から上方に飛び出す。ジャイアントリーチと違い、出現場所を視認できない。
ピアザー
カイが近づくと落ちる、ツララのようなモンスター。床に落ちたピアザーに触れてもミスとなる。
スラグ/シェルスラグ
床をゆっくりと往復する白い軟体生物。スラグは体格も小さいが、シェルスラグは背の高い巻き貝を背負っている。
フラッパー
スラグより一回り大きい軟体生物。
アックスビーク/クウェイル
アックスビークはダチョウに似た大型のモンスター。クウェイルはウズラに似た小型のモンスター。どちらも高速で床を往復する。
オーグル
三ツ又の槍を持つ単眼の巨人。バンパイヤと役割は同じ。オーブを取ると消すことができる。
ロックマン
岩のような姿を持つ小型の敵。周期的に前進と停止を繰り返す者と、ゆっくり歩きながら周期的に垂直ジャンプする者の2種類がいる。
ダストモンスター
尾の長いモンスター。床を往復するが、動きは鈍い。
バジリスク
一定間隔で目を見開いて強力な石化光線を放ち、そのときにカイがバジリスクを見る(=バジリスクの方へ方向入力する)と石化、ミスになる。体当たりで消すことはできない。
ファイアーポット
壁や柱にへばりつき、周期的に火を吐いてくる。本体には触れてもミスにはならないが、体当たり・バリアで消すことも不可能。青色・オレンジ色の2種類があり、青色のほうが火を吐く間隔が短い。

スペシャルステージ限定の敵[編集]

ニャームコ
マッピー』より登場する猫。床の一ヶ所でジャンプを繰り返す。
マシュリン
リブルラブル』より登場するキノコ。床を左右に往復する。
アオスケ
パックマン』より登場する青いモンスター。空中を上下または左右に往復する。
プーカァ
ディグダグ』より登場する赤い敵。床を左右に往復する。
機雷/小惑星
ボスコニアン』より登場。いずれも空中の特定の箇所に静止している障害物。
砲台
『ボスコニアン』より登場。一定の周期でミサイルを撃ってくるが、砲台自体を体当たりで消すことはできない。
オガワムシ
ギャラガ』より登場する虫型の敵。空中を円形の軌道で飛び続ける。
がんこ職人
かつてナムコから販売されていたエモーショナル・トイの一種。その場から動かず、字幕での台詞を繰り返し喋り続ける。
アキンドクラゲ
ドラゴンクエスト』シリーズのホイミスライムに酷似した敵。フロア68のみに現れ、空中から的確にカイのいる方へ向かってくるが、体当たりで消すことはできない。
ブラックドラゴン/シルバードラゴン
クオックスから分身として現れた悪のドラゴン。フロア61以降のワープを取ると、いずれかがデモ画面に現れる。

宝箱[編集]

宝箱の効果はそのフロア限りであり、クリア前にミスするとその効果も消える。

ウイング
空中でもジャンプできる。これを繰り返すことで空中浮遊も可能。
バリア
敵とその飛び道具から1回だけ身を守る。ただし、体当たりで消すことができない敵(ウィルオーウィスプ等)やトラップの床・天井には無効。
スペシャル・フラッグ
カイの残機が1人増える。
ラッキー・フラッグ
取ったときの残り時間に100をかけた点数が加算される。
ギフト
箱を梱包するリボンのマーク。10,000ptsのボーナス得点が加算される。
タイマー
残り時間を増やす。
タイム・ストップ
敵や呪文の動きを一定時間止める。
ポイズン
三角フラスコのマーク。タイマーの減り方が速くなる。
ワープ
取るとクオックスが現れ、カイを上のフロアにワープさせてくれる。ただし、フロア61より先でこれを取ると、下のフロアに落とされる。
スリープ
寝顔のマーク。スライムなど、特定の敵の動きを止める。
サイレンス
四分休符のマーク。敵の呪文や炎を撃てなくする。
オーブ
オーグルをフロアから消す。
十字架
バンパイヤをフロアから消す。
リング
ウィスプと接触してもミスにならなくなる。
キャンドル
アーチゴーストなど、初期状態では見えない敵が見える。

操作・ルール[編集]

接触した敵の消滅
敵に接触すると、次のプレイでは接触した敵が消えるが、消えない敵もいる。
加速ジャンプ・ブレーキ
加速中にAボタンを押すと、加速ジャンプする。逆方向のボタンを押すと、ブレーキがかかる。
しゃがみ連打
カイがジャンプ中に天井で頭を打つか加速中に壁へ激突すると、空中なら強制落下ののち、地上ならその場で頭を抱えて一定時間しゃがみこむ。このとき、起き上がるタイミングをAボタン連打で早く、Bボタン連打で遅くすることが可能。
しゃがんでいる姿勢は回避動作としても使えるので、フロアによってはこのタイミングの調整が重要となる。
スペシャルステージの特定のフロアに限り、左右いずれかの方向へ風が吹いており、カイが空中にいると風下へ流す力が働く。
コンティニュー
CONTINUE START で、ゲームオーバーとなったフロアから再開する。ワープやZAPの場合、移動先のフロアの情報画面(残りのカイ等の情報)が出るまでにリセットボタンを押して CONTINUE START すれば、移動元のフロアから再開する。

移植[編集]

アーケード版[編集]

任天堂VS.システム用ゲーム。内容はファミコン版と同じだが、スペシャルステージが最初から選択できる。

携帯アプリ版[編集]

iモードおよびYahoo!ケータイ向けサービス『ナムコ・ゲームス』にて、iアプリ版とS!アプリ版が配信されている。基本的な内容はファミコン版と同一だが、グラフィックやシステムが大きく変更された。

  • グラフィックを全面的に刷新した「アレンジ」に切り替え可能。カイはモーションも増えた。
  • Bボタンによる加速がなくなり、かわりに移動速度の最高速が上がった。
  • ボタン入力により、任意にしゃがめるようになった。
  • 画面内にフロアマップやカイの残り人数などを常時表示。
  • ゲームスピードを3段階で調節可能。
  • クリアしたフロアのプレイを再現する「リプレイシアター」を追加。リプレイはパスワードで共有できる。
  • エキストラステージを追加(フロア101〜200)。フロア1〜100のクリア状況に関係なく、フロア101から遊べる。

備考[編集]

  • 過去作品のストーリーでは「(ギルガメスの家系が治める)王国」「(王国を侵略した)帝国」としか表記されていなかった2国は、本作で初めて「バビリム」「スーマール」と国名が公表された。他にも地名や人名など、本作で多くの固有名詞が明らかになった。
  • シリーズとしての都合上、カイがドルアーガに捕まることは最初から確定している。フロア60クリア後のエンディングに流れるBGMは、『ドルアーガの塔』フロア59(ドルアーガとの決戦の場)のBGMのアレンジ版である。
  • 本作のフロア100の構造は、『イシターの復活』のルーム1「TOP OF THE TOWER」を模している。
  • 本作のシステムはアタリが開発したアーケードゲーム『メジャーハボック』のサイドビューアクションステージにおけるシステムをほぼそのまま流用したものである。本作の開発コードは「Minor Havoc」であり、慣性の伴うジャンプアクション、天井に頭をぶつけてしゃがむなどのギミックもここから取り入れられている。また、クレジット内のスペシャルサンクスにはアタリ メイジャーハボック かいはつチームと記されている[1]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]