オーヴァーキル (モーターヘッドのアルバム)
『オーヴァーキル』 | ||||
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モーターヘッド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1978年12月 - 1979年1月 ラウンドハウス・スタジオ、サウンド・デヴェロップメント・スタジオ[1] ウェセックス・サウンド・スタジオ(#8)[1] | |||
ジャンル | ヘヴィメタル | |||
時間 | ||||
レーベル | ブロンズ・レコード | |||
プロデュース |
ジミー・ミラー ニール・リッチモンド(#8) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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モーターヘッド アルバム 年表 | ||||
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『オーヴァーキル[注釈 1]』(Overkill)は、イギリスのバンド、モーターヘッドが1979年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]ブロンズ・レコード移籍第1弾アルバムに当たり、バンドは本作に先がけて、ニール・リッチモンドのプロデュースによるカヴァー曲「ルーイ・ルーイ」が全英シングルチャートで68位のヒットを記録したことで、正式にアルバム制作の契約を得た[4]。本作の制作に当たり、ブロンズ側が提示したプロデューサー候補の中から、バンドの希望によりローリング・ストーンズ等との仕事で知られるジミー・ミラーが選ばれたが、シングル「ルーイ・ルーイ」のB面曲「テア・ヤ・ダウン」はリッチモンドのプロデュースにより[4]、本作にはミラーによるリミックス・ヴァージョンが収録された[1]。
「メトロポリス」は、フリッツ・ラングが監督した映画『メトロポリス』にインスパイアされて作られた曲である[4]。
反響
[編集]全英アルバムチャートでは11週トップ100入りして最高24位を記録し、バンド初の全英トップ40アルバムとなった[3]。全英シングルチャートでは、本作からの先行シングル「オーヴァーキル」が39位に達して、バンド初の全英トップ40シングルとなり、続く「ノー・クラス」は61位を記録した[3]。
評価・影響
[編集]Jason Birchmererはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「スラッシュメタルの誕生以前に、パンク色を取り入れた、雑で生々しいが力強く挑発的なヘヴィメタルというモーターヘッドの音楽的個性を完璧なまでに提示しており、凶暴なアルバムである」と評している[2]。Eduardo Rivadaviaは2015年12月、Ultimate Classic Rockの企画「Motorhead Albums Ranked Worst to Best」において、本作を22作中2位に挙げ「文字通り、彼ら独特の音楽性のマニュアルが作り上げられた」、「捨て曲がない」と評している[5]。
アメリカのスラッシュメタル・バンド、オーヴァーキルのバンド名は、本作に由来しており[6]、1999年のカヴァー・アルバム『カヴァーキル』には「オーヴァーキル」のカヴァーが収録された[7]。また、モーターヘッドを敬愛していたメタリカは1995年12月14日、レミー・キルミスターと共に「ザ・レミーズ」名義でのギグを行い、当日のリハーサルにおける録音(本作収録曲「オーヴァーキル」と「ダメージ・ケース」を含むモーターヘッドのカヴァー4曲)は、メタリカのシングル「ヒーロー・オブ・ザ・デイ」(1996年)のカップリング曲として発表され、1998年のアルバム『ガレージ・インク』にも収録された[8]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はメンバー3人の共作。ただし、クレジットには明記されていないが、「ダメージ・ケース」はミック・ファレン(ザ・デヴィアンツ)が作詞し、レミー・キルミスターが歌詞を改作する形で作られた[4]。
- オーヴァーキル - "Overkill" - 5:12
- ステイ・クリーン - "Stay Clean" - 2:42
- (アイ・ウォント)ペイ・ユア・プライス - "(I Won't) Pay Your Price" - 2:57
- アイル・ビー・ユア・シスター - "I'll Be Your Sister" - 2:55
- カプリコーン - "Capricorn" - 4:11
- ノー・クラス - "No Class" - 2:41
- ダメージ・ケース - "Damage Case" - 3:02
- テア・ヤ・ダウン - "Tear Ya Down" - 2:42
- メトロポリス - "Metropolis" - 3:37
- リム・フロム・リム - "Limb From Limb" - 4:57
1996年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- トゥー・レイト、トゥー・レイト - "Too Late, Too Late" - 3:27
- シングル「オーヴァーキル」のB面曲。
- ライク・ア・ナイトメア - "Like a Nightmare" - 4:28
- シングル「ノー・クラス」のB面曲。
- ルーイ・ルーイ - "Louie, Louie" (Richard Berry) - 2:48
- 1978年のシングルA面曲。
- テア・ヤ・ダウン(インストゥルメンタル) - "Tear Ya Down (Instrumental Version)" - 2:39
- ルーイ・ルーイ(別ヴァージョン) - "Louie, Louie (Alternative Version)" (R. Berry) - 2:54
参加ミュージシャン
[編集]- レミー・キルミスター - ボーカル、ベース、セカンド・ギター・ソロ(on #10)
- エディ・クラーク - ギター
- フィル・テイラー - ドラムス
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1989年以降の再発CDの帯に準拠。1981年発売の日本盤LP (VIP-6774)の帯では『オーバーキル』と表記されていた。
出典
[編集]- ^ a b c 1996年リマスターCD (ESM CD 310)、2004年再発CD (SMR CD 039)英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Birchmeier, Jason. “Overkill - Motörhead - Album”. AllMusic. 2025年4月14日閲覧。
- ^ a b c Motörhead | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ a b c d Dome, Malcolm (2025年3月8日). “Motorhead: the story behind Overkill”. loudersound.com. Future plc. 2025年4月14日閲覧。
- ^ Rivadavia, Eduardo (2015年12月28日). “Motorhead Albums Ranked Worst to Best”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2025年4月14日閲覧。
- ^ “OVERKILL: 'The Atlantic Years 1986 -1994' Vinyl And CD Box Sets Due In October”. Blabbermouth.net (2021年8月25日). 2025年4月14日閲覧。
- ^ Huey, Steve. “Coverkill - Overkill - Album”. AllMusic. 2025年4月14日閲覧。
- ^ Giles, Jeff (2016年12月14日). “When Metallica Performed as Lemmy for His 50th Birthday”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2025年4月14日閲覧。