オープンデータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
文化施設向けのLinked Open Dataの紹介動画
2007年9月のLinked Open Data
2011年9月のLinked Open Data Cloud
ライセンス条項の明示はオープンデータのキーとなる要素で、写真のようなアイコンはその目的に使われる。

オープンデータ(Open Data)とは、特定のデータが、一切の著作権特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が望むように利用・再掲載できるような形で入手できるべきであるというアイデアである。オープンデータ運動のゴールは、オープンソースオープンコンテントオープンアクセスなどの、他の「オープン」運動と似ている。オープンデータを支える哲学は古くから確立されているが(マートン・テーゼのように)、「オープンデータ」という言葉自体は、インターネットワールドワイドウェブの興隆、特に、Data.govのようなオープンデータガバメントイニシアティブによって、近年一般的になってきた。

概要[編集]

オープンデータの概念は新しいものではない。しかし、形式的な定義は新しい。Open Definitionによる形式化は、「オープンデータとは、自由に使えて再利用もでき、かつ誰でも再配布できるようなデータのことだ。従うべき決まりは、せいぜい「作者のクレジットを残す」あるいは「同じ条件で配布する」程度である」という命題として要約できる[1]

オープンデータではよく、地図、ゲノムコネクトーム化合物、数学や自然科学の数式、医療のデータや実践、バイオサイエンス生物多様性などのテキストでない素材に焦点が当てられる。商業的な価値があったり、価値のある業績にまとめられることがあるため、よく問題が発生する。データのアクセスや再利用は、公共的にも私的にも組織によってコントロールされる。コントロールはアクセスや再利用への、アクセス制限、ライセンス、著作権、特許や利用料などを通じてなされる。オープンデータの支援者は、これらの制限は公共的な利益に反し、またこれらのデータは一切の制限や課金なしで手に入れられるべきだと主張している。さらに、データをさらなる許可を要求することなく再利用でき、とはいえ再利用(創造や派生的な成果のような)の形式がライセンスによってコントロールされてよいことが重要である。

オープンデータへのニーズの典型的な描写は、以下のようなものである。

多くの科学者が、科学データの世界的な入手可能性と分散されたプロセス、広いコラボレーションや、発見の深度とペースを加速させることを可能にするような技術を手にしたとき…データを探すのに忙しくなり、知識に関する同様に発達した技術の利用を妨げているということが、この歴史的瞬間には正しい皮肉を指摘した。

[2] John Wilbanks, VP Science, Creative Commons

データの作者は、しばしば所有権、ライセンス、再利用について述べる必要性について議論しない。例えば、多くの科学者が、彼らの作業から生じた出版されたデータが彼らのコントロール下にあると考えず、論文誌を公刊するということは、暗黙にデータをコモンズに公表することだと考えている。しかし、ライセンスの不足は、データセットの状態を特定することを難しくし、オープンの精神によって提供されたデータの使用を制限するかもしれない。この不確かさのため、IEEEのような公的、私的な組織が、出ているデータを集め、著作権によって制限し、再販することも可能になっている。

Connollyの"Toward Open Data" (2005, v.i.)は、2つの引用を載せている。

  • 私のデータを返して(Jon Bosak circa 1997)
  • 私は、どのアプリケーションの顧客でも、入力したデータは自分のものだとずっと信じていた.[3] (この引用は、Veen自身の心拍数のデータを指している)

オープンデータの主なソース[編集]

オープンデータはあらゆるソースを起源とできる。この節では、多くのオープンデータを公開する(もしくは、少なくとも公開が議論されている)いくつかのフィールドを列挙する。

科学におけるオープンデータ[編集]

科学データのオープン・アクセスの概念は、1957-58年の国際地球観測年の準備の中で、世界資料センターの形をとって、組織的に確立された[4]。国際科学連合評議会(現国際科学会議)は、いくつかの世界資料センターをデータの紛失のリスクを最小化してデータへの入手可能性を最大化するために設立し、さらに1955年にデータはマシン・リーダブルな状態で入手できるべきだと推奨した。[5]

オープンサイエンスデータ運動がインターネットよりずっと先行していたにもかかわらず、高速で遍在するネットワークはオープンサイエンスデータの文脈を著しく変えた。データを公開、取得することが、非常に低価格で時間がかからないようになったのだ。

2004年に、先進国を含むOECD加盟国の全ての科学担当大臣が、公的資金によるアーカイブデータは公的に利用可能であるべきと本質的に述べる宣言に署名した[6]。加盟国のデータを提供する機関の要求と集中的な議論を受け、OECDは2007年にOECD Principles and Guidelines for Access to Research Data from Public Funding as a soft-law recommendationを発表した[7]

科学におけるオープンデータの例:

政府におけるオープンデータ[編集]

いくつかの国は、収集したデータの一部を配布するウェブサイトを作成した。それはオープンデータに向けた文化や、オープンガバメントデータを作成、整理するための、地方政府との共同作業のプロジェクトに向けたコンセプトである。200以上の地方、地域、国のオープンデータのカタログが、オープンな情報源のdatacatalogs.orgプロジェクト上で利用可能である。datacatalogs.orgは、世界中のデータカタログの網羅的なリストになることを目指している。

有名な例:

脚注[編集]

  1. ^ Open Definition home pagefull Open Definitionを参照。和訳はオープンデータとは何か?から
  2. ^ Science Commonsから翻訳
  3. ^ Jeffrey Veenから翻訳
  4. ^ Committee on Scientific Accomplishments of Earth Observations from Space, National Research Council (2008). Earth Observations from Space: The First 50 Years of Scientific Achievements. The National Academies Press. pp. 6. ISBN 0-309-11095-5. http://books.nap.edu/openbook.php?record_id=11991&page=6 2010年11月24日閲覧。. 
  5. ^ World Data Center System (2009年9月18日). “About the World Data Center System”. NOAA, National Geophysical Data Center. 2010年11月24日閲覧。
  6. ^ OECD Declaration on Open Access to publicly-funded data
  7. ^ OECD Principles and Guidelines for Access to Research Data from Public Funding
  8. ^ “Open Government Data Catalogues”. http://www.epractice.eu/en/news/340341 
  9. ^ “Open Government Data Catalogues”. http://opengovernmentdata.org/data/catalogues/ 
  10. ^ “Wikitalia ovvero la partecipazione civica dopo e oltre i referendum”. Libertiamo. (2011年10月21日). http://www.libertiamo.it/2011/10/21/wikitalia-ovvero-la-partecipazione-civica-dopo-e-oltre-i-referendum/ 2011年11月7日閲覧。 
  11. ^ “Brasil Launches Data Portal in April”. (2012年1月3日). http://epsiplatform.eu/content/brasil-launches-data-portal-april 

関連フォーマット[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]