オートバイ用トレーラー

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オートバイ用トレーラー(オートバイようトレーラー、Motorcycle trailer)はオートバイによって牽引されるトレーラーである。

概要[編集]

ホンダ・ゴールドウイングの牽引型トレーラー
「トゥクトゥク」と呼ばれる、オートバイけん引型トレーラーを利用したカンボジアのタクシー
Honda with caravan trailer

オートバイで牽引するトレーラーは、4輪車で牽引するライトトレーラーと同様の構成であるが車体幅の狭いオートバイに合わせてトレッドを狭く小型に作られている。外観も牽引するオートバイに合わせてデザインされているものもある。用途は4輪車用のライトトレーラーと同様に、オートバイに積みきれない荷物を運搬するためのものや、駐車中に展開してテントとして使うものがある。1輪のものも製造、販売されており[1]チェコ共和国ヤワ・モーターズが製造していたPAVトレーラーや、ハンガリー共和国のMotorkuliが製造していた製品などがある。

英国ではオートバイで牽引するトレーラーに法的な基準が設けられていて、牽引するオートバイは排気量125cc以上で、車体に総重量を標示しなければならない。トレーラーは全幅が1m以下、オートバイの後車からトレーラーの後端までの距離は2.5m以下、トレーラーの積載重量は150kgまたは牽引車両の総重量の2/3を超えてはならない[2]

東南アジアをはじめとする発展途上国の多くでも、小型のオートバイでトレーラーを牽引する利用法が見られる。

日本の法規上の扱い[編集]

四輪以上の自動車で大型トレーラー以外のトレーラー(ライトトレーラー)等[3]を牽引する場合と同様に、専用の堅牢な構造装置および牽引器具が必須であり、原則として、独自のブレーキ装置や灯火類等が必要となる。法規制としては、トレーラーのサイズや重量などに応じて、ナンバー登録が必要であり、トレーラーに車検が必要な場合もある。オートバイで牽引できるライトトレーラーの市販は限定的であり、自作して独自にナンバー登録や、車検を通す場合すらある。

なお、オートバイ用ライトトレーラー(次掲の付随車を含む)は貨物用であり、乗用のライトトレーラー(付随車含む)は無い。また道路交通法でも、オートバイの乗車定員は本体の方に1名または2名だけであるため、付随車に乗車することはできない。

ただし、オートバイでも二輪の125cc未満が牽引する場合については、被牽引側は「付随車」扱いとなるので、法規制は限定となり、以降に詳述する。

50cc超125cc以下の二輪オートバイによる牽引[編集]

道路運送車両法により、この種の二輪オートバイは原動機付自転車扱いとなり、同法の原動機付自転車で牽引可能な車両は、法規制が限定された「付随車」に限定される。(また、125cc超のオートバイで「付随車」は牽引できない)

ただし、道路交通法ではこの種の二輪オートバイは「自動車」扱いとなり、同法59条で「牽引するための構造及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない」とある。よって、牽引・被牽引側にそのための「構造」が必要であるため、オートバイの後部荷台と一般的なリヤカー等とを簡易な金属製器具で連結したような牽引器具では不十分であり[4]、車体フレームや車軸と直結した上で牽引挙動に対応可能な、専用の連結牽引器具が必要となる[5]。詳細な保安基準は存在しないが、ライトトレーラーの保安基準に準じた性能を持つ器具が必要となろう。

また付随車が備えるべき灯火類として、前部反射器、車幅灯、後退灯、番号灯(ナンバーが無いため)、側面反射器は不要であるが、尾灯、制動灯、後部反射器、方向指示灯は原則必要となる。(灯火類が必要となるため、付随車への電気配線も必要)。[6]

ブレーキ性能については、付随車を連結したうえで、連結しない場合と同等の制動性能の技術基準を満たす場合に限って、付随車のブレーキを省略できる。

付随車であるため、車検もナンバープレート登録も不要であるが、長さ二・五メートル、幅一・三メートル、高さ二メートルを超えてはならない[7]軽自動車税に関しては市区町村ナンバープレートが交付されないため課税対象外(地方税法442条)。自賠責保険[8]および自動車任意保険[9]の扱いについては不明。

積載制限についてはリヤカータイプの場合は120kgまで。

以上の事を満たした上で、公道での最高速度は25km/h(道路標識等の最高速度がこれ以下の場合はその速度)に制限される。

50cc以下の二輪オートバイによる牽引[編集]

50cc超125cc以下の二輪オートバイと同様に、道路運送車両法の原動機付自転車扱いとなり牽引可能な車両は「付随車」となる。

また、道路交通法でもこの種の二輪オートバイは「原動機付自転車扱い」扱いとなり、同法では原動機付自転車および軽車両が他の車両を牽引する場合の制限について、都道府県公安委員会の規定に委任している。

東京都の場合、東京都道路交通規則により、「交通の頻繁な道路においては、他の車両をけん引してはならない。ただし、けん引するための装置(堅ろうで運行に十分耐えるものに限る。)を有する原動機付自転車又は自転車により、けん引されるための装置(堅ろうで運行に十分耐えるものに限る。)を有するリヤカー1台をけん引するときは、この限りでない。」とある。よって、オートバイの後部荷台と一般的なリヤカー等とを簡易な金属製器具で確実に連結するような牽引器具であっても基準を満たすと考えられる。

また、保安基準上は、やはり付随車であるため、備えるべき灯火類として、前部反射器、車幅灯、後退灯、番号灯(ナンバーが無いため)、側面反射器は不要であるが、尾灯、制動灯、後部反射器、方向指示灯は原則必要となる。(灯火類が必要となるため、付随車への電気配線も必要)。[6]

ブレーキ性能については、付随車を連結したうえで、連結しない場合と同等の制動性能の技術基準を満たす場合に限って、付随車のブレーキを省略できる。

付随車であるため、車検もナンバープレート登録も不要であるが、長さ二・五メートル、幅一・三メートル、高さ二メートルを超えてはならない[7]軽自動車税に関しては市区町村ナンバープレートが交付されないため課税対象外。自賠責保険[8]および自動車任意保険[9]の扱いについては不明。

積載制限についてはリヤカータイプの場合は120kgまで。

以上の事を満たした上で、公道での最高速度は25km/h(道路標識等の最高速度がこれ以下の場合はその速度)に制限される。また東京都の例では、金属製器具を用いず、単に頑丈な紐で縛っているような場合は、堅ろうで運行に十分耐えるとは言えないため、交通の頻繁な道路で運転してはならない。

特定二輪車、ホンダ・ジャイロ等による牽引[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 鹿児島BTR
  2. ^ Fact Sheet: Trailers Drawn By Motor Cycles (PDF)”. en:Department for Transport (2007年4月). 2009年7月10日閲覧。
  3. ^ なお、重被牽引車は道路交通法が想定していないため、オートバイでそれを牽引して公道を運転できない。
  4. ^ そもそも通常の後部荷台は引張力に耐える構造ではない
  5. ^ さもなければ「牽引違反」
  6. ^ a b なお、「道路運送車両法ではリアカー単体は軽車両となり、保安基準の対象外」と説示する向きもあるが、法令の解釈を誤っている。まず道路交通法と道路運送車両法とでは被牽引車両の扱いが異なる。『「自動車」とは、原動機により…もの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具…』『「原動機付自転車」とは、…原動機により…もの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具…』とあり、被牽引車両を含め一体として定義している。よって被牽引車両単体では軽車両である事を以て道路運送車両法(の保安基準)対象外とすることはできない。さらに道路運送車両法の保安基準において『「被けん引自動車」とは、自動車によりけん引されることを目的とし、その目的に適合した構造及び装置を有する自動車をいう。』『「付随車」とは、原動機付自転車によつてけん引されることを目的とし、その目的に適合した構造及び装置を有する道路運送車両をいう。』と明確に定義している。よって、(被牽引車両となる場合の)リアカーも付随車として道路運送車両法の保安基準の適用を受ける。
  7. ^ a b 保安基準上の原動機付自転車と同一基準
  8. ^ a b 自動車損害賠償保障法第2条により、原動機付自転車は付随車を連結した状態での運行により、同法の無過失責任が適用される。ただし、牽引側本体の原付の自賠責保険が付随車にも適用されるかは不明である(なお、250cc超の登録オートバイおよび登録トレーラーでは、それぞれ別個の自賠責保険契約となっている)。仮に付随車にも個別に自賠責保険の契約が必要であるとすると、地方税法の規定により軽自動車税およびナンバープレート交付(車台番号打刻を含む)の対象外であるため、自賠責保険の登録には困難を伴う事が想定される。(しかし、それは無過失責任を免れる理由にはならない)
  9. ^ a b おそらく付随車を連結すると不利な扱いを受ける(任意保険契約の免責等)可能性が高い

関連項目[編集]