オートハープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
modern Autoharp

オートハープは複数のコードバーを持つ弦楽器である。コードバーには弦をミュートするためにフェルトなどがつけられており、押し下げられたときに対応する和音を構成する弦以外をミュートする。オートハープは、その名前にもかかわらず全くハープではなく、むしろツィターに属する楽器である。一般名称は「coded zither(コード化されたツィター)」である。

概要[編集]

「オートハープ」という名称は1926年に登録商標として登録され、現在、U.S. Music Corporation英語版(この会社のOscar Schmidt事業部がオートハープを製造している)によって権利が主張されている。[1]しかしながら、アメリカ特許商標庁の登録では、権利としては「Mark Drawing Code (5) WORDS, LETTERS, AND/OR NUMBERS IN STYLIZED FORM」だけをカバーしている。George Ortheyとの訴訟において、Oscar Schmidtは単語Autoharpの様式化されたレタリングの所有権の主張のみが可能で、名称自体は一般名称へ移行した。その結果として、例えば、雑誌「Autoharp Quarterly」は一般的な意味での Autoharp という単語を使用したマークを登録することができる。そして、Orthey製楽器(他の職人製楽器も)は、訴訟前の「Dulciharp」ではなく「autoharp」として売り出すことができる。[2]

オートハープは、アメリカではブルーグラスフォークの楽器として使用されてきた。おそらく、最も有名なのは カーター・ファミリーメイベル・カーター英語版サラ・カーター によって使用されたことである。オートハープはリズム楽器として演奏するのを学ぶのは比較的簡単である。しかし、メロディー楽器として弾くことも可能であり、それは、よりオートハープに打ち込んでいる演奏者に大きな報酬をもたらしている。

オートハープの起源に関してはいくつかの議論がある。Charles F.Zimmermannという名前のフィラデルフィアのドイツ移民[3]は、1882年にある楽器の設計の特許を取得した。それは、演奏中に特定の弦の音を消すためのメカニズムを含んでいた。彼は発明を「オートハープ」と命名した。後のオートハープと異なり、その楽器の形状は対称で、垂直に動く弦に対してフェルトを支えるバーが水平に動いた。 Zimmermannが今までにこの初期設計の楽器を商業的に生産したか否かは知られていない。ドイツ、マルクノイキルヒェンのKarl August Gütterは、今日演奏されているオートハープと最も類似している「Volkszither」と呼んだモデルを作った。 Gütterは1883-1884頃、彼の楽器に対するイギリス特許を取得した。 Zimmermannはドイツへの訪問から戻った後、1885年にGütter設計の生産を始めたが、彼自身の設計の特許と覚え易い名前でも生産を始めた。Gütterの楽器は非常にポピュラーになったため、Zimmermannは発明者としてしばしば間違われた。

現在のオートハープは36本または37本の弦を有している。しかし、48本もの弦を有する例もいくつかある。それらは全音階(1、2または3キーモデル)か半音階で張られている。オートハープはしばしばリズム楽器として考えられるが、近代的なプレーヤーは明確なメロディーを出す能力に非常に長けている。ダイアトニックプレーヤーは、個々の弦をとても正確にピッキングしている間にダンパーボタンを「ポンピング」するオープンコード(open-chording)テクニックを使用することによって、バイオリン曲を挑戦的な速度まで演奏することができる。

Orthey、Fladmark、Hollandsworth、D'Aigle、Baker、Daniels、およびGoose Acresなどのような現代の楽器製作者によるダイアトニックな単一キー楽器はその華麗な音で知られている。これは、個々の音に対する弦を倍にすることによって達成される。ダイアトニックスケール中にない音に対する弦はストリングベッドに必要ないので、余分なスペースは複弦用に使用され、振動を抑止された弦がより少なくなる。 2および3キーダイアトニックは、2または3キーでの演奏能力を増すため、かつシングルキーハープで演奏することができなかった変化音を含む曲を可能にするため、複弦の数を妥協する。 GDAのような5度の円(五度圏:サークル・オブ・フィフス)の3キーハープは、しばしばフェスティバルまたはキャンプファイアハープと呼ばれる。フェスティバルのキャンプファイアーの周りで、歓迎されるキーでフィドル伴奏が簡単にできる楽器だからである。

ニューポート、ペンシルベニアのマウンテンローレルオートハープギャザリング、ウィラメットバレーオートハープギャザリングとカリフォルニアオートハープギャザリングは、さらによく演奏できる最近の楽器製作者製の楽器から得られる新しい流行を賞賛する。プロの演奏者には、ブライアン・バウアーズキルビー・スノウ英語版マイク・シーガー英語版ビリーコノリー英語版ハーベイ・リード英語版ポップ・スノウマン英語版ライル・メイズケネスネリア・ベンフィールド英語版カレン・ミューラー英語版キャロル・ストーバー英語版他、多く含まれる。

ロックポップス界においては、1960年代にラヴィン・スプーンフルジョン・セバスチャン英語版が使用していたことで知られる。


日本のフォークソングでは、五つの赤い風船西岡たかしが、1968年に発売の「遠い世界に」で演奏していたことで知られている。

また、山下達郎は、世界の果てまででオートハープを使用している。

メーカー・ブランド[編集]

個人ビルダー[編集]

世に流通しているオートハープは上述のようにメーカーで量産されたものが多いが、個人製作のものも存在する。個人でオートハープを製作する職人を、「オートハープビルダー」と称することもある。

例えば日本国内においては、箕田泰生がオリジナルブランドkotokoto-harpの名を冠してオートハープの受注製作を行っている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ U.S. Patent and Trademark Office, Trademark Electronic Search System, September 7, 2006.
  2. ^ Extensive discussions with George and Mary Lou Orthey.
  3. ^ ドイツで「カールスフェルト・コンサーティーナ」を開発した演奏家兼楽器製造業者、カール・フリードリヒ・ツィンマーマンと同一人物。
  4. ^ クロマハープ取扱中止のお知らせ (Waybackmachine)”. 2021年1月20日閲覧。
  5. ^ クロマハープ/Chromaharp の販売を再開しました (Facebook)”. 2021年1月20日閲覧。

外部リンク[編集]