オートガイネフィリア

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オートガイネフィリアAutogynephilia)とは、男性が自身を女性だと思うことにより性的興奮するパラフィリアの一種[1]

概要[編集]

1989年カナダ性科学レイ・ブランシャールen:Ray Blanchard)によって定義された。語源はギリシャ語αὐτός(自分), γυνή(女性), φιλία(愛)、すなわち「女性としての自分を愛する」という意味である。日本語では「自己女性化愛好症」、「自己女性化偏愛性倒錯症」などで、定訳はまだない。

議論の余地がある性転換者の行動モデルの一つで、Blanchard, Bailey, and Lawrence theoryにより非公式に分類されている。この理論はトランスウーマンTranswoman、男性から女性への性転換者)が男性だけでなく、レズビアン両性愛なトランスウーマンにまで惹かれる理由を説明するためのモデルで [2]、それによると、男性に興味のないトランスウーマン(ブランシャールによれば「性不感症の男性」[3])は女性としての自分のイメージに対する性指向を持つ。

ブランシャールはこのような現象を性別違和症候群(gender dysphoria)と称しパラフィリアと捉え性同一性障害(gender identity disorder)と称しさらに"Nonhomosexual transsexuals" 「非同性愛性転換」または"Autogynephilic transsexuals" 「自己女性愛性転換」に分類し、男性にだけ惹かれるトランスウーマンは"Androphilic" 「男性愛」、ないし"Homosexual transsexuals" 「同性愛性転換」と呼んだ。2001年8月31日付けのカナダ人権裁判所(en:Canadian Human Rights Tribunal)の記録の第18節にも「異性愛的性転換者(heterosexual transsexual)はオートガイネフィリアであり、性別適合手術後レズビアンとなり、「同性愛的性転換者」はより性同一性障害の状態が強く手術後男性に惹かれるようになる」と同裁判の判決には影響を与えなかったが、その理論が紹介された(性別適合手術の項目の外部リンク参照)。 しかしリン・コンウェイはこのような性転換症(transsexualism)を同性愛と関連付けて認識し、そして性別移行者(transsexual)を身体の錯誤ではなく精神の異常、性的倒錯とみなす彼の理論に厳しい批判を行った。

脚注[編集]

  1. ^ Blanchard R (1989). The Concept of Autogynephilia and the Typology of Male Gender Dysphoria. en:Journal of Nervous and Mental Disease, 177 (10), 616–623. Retrieved 9 January 2005
  2. ^ Blanchard, Ray (1989). The Classification and Labeling of Non-homosexual Gender Dysphorias. en:Archives of Sexual Behavior, 18 (4), 315–334
  3. ^ Blanchard R (1995). Comparison of height and weight in homosexual versus nonhomosexual male gender dysphorics. en:Archives of Sexual Behavior 1995 Oct;24(5):543-54.

関連項目[編集]