オリビエ・ポプラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(JIS X 0212(補助漢字)に収録)が含まれています詳細

オリビエ・ポプラン (Olivier Poplin) は、銀河英雄伝説の登場人物。

概要[編集]

単座式戦闘艇「スパルタニアン」のパイロット空戦の天才であり、ハートエースの称号を持つ。OVA版では、白兵戦の折にオレンジのワンポイントのついた重装甲服を着用していた。

略歴[編集]

宇宙暦771年生まれ。誕生日は不明[1]第6次イゼルローン攻防戦の時は同僚のイワン・コーネフ、ヒューズ、シェイクリと供に第88独立空戦隊所属として参加。その後も常に戦闘に参加し、同盟軍の帝国領侵攻では第13艦隊旗艦のヒューベリオンに3人の同僚とともに配属されている[2]イゼルローン要塞では第1空戦隊長を務めた。

バーミリオン星域会戦の後、「動くシャーウッドの森」の一員としてメルカッツに同行したが、ダヤン・ハーン補給基地で再会したユリアン・ミンツについて親不孝号地球に向かい、地球教本部の調査を手伝った。オーディンを経てエル・ファシルに到着した後イゼルローン再占領作戦に参加。本来の活躍の場ではない白兵戦の連続に文句を言いながらも任務を遂行し、ユリアンのサポートと要塞の奪回に尽力した。

回廊の戦い以降はメルカッツの分艦隊に所属し、新人パイロットのカーテローゼ・フォン・クロイツェル(カリン)の面倒を見ながら戦果を重ねていった。シヴァ星域会戦ではユリアンと共にブリュンヒルトに突入し、親衛隊長のキスリング准将と格闘を演じてユリアンの前進を援護した。そして、あわやという所で停戦命令が下され、作者の思惑に反して[3]生き残る事に成功した。OVA版では、お互いに今度こそとパンチを繰り出した瞬間に停戦命令を告げるミッターマイヤーの声が艦内に響き渡ったのを聞きながらクロスカウンターで相討ちになって倒れた。その後、ユリアンにフェザーンへ同行し、ラインハルトの崩御後、自由を欲してユリアンと別れてフェザーンに残留した。

能力[編集]

同盟軍屈指の撃墜王帝国軍対イゼルローン革命軍による回廊の戦いで5機を撃墜して総撃墜数250機を超え、帝国対同盟戦における歴代撃墜王のベスト10に入った[4]。ユリアンとカリンの空戦技術の師でもあり、空戦技術の一派の創始者でもある[5]。またローゼンリッターほどではないが白兵戦にも長けており、ブリュンヒルトでは親衛隊長キスリングと互角に渡り合っている[6]。 なお、地球教本部に潜入した際、食事に混入されていたサイオキシン麻薬による禁断症状からその存在に気づく場面がある。本人曰く「女だけで苦労したわけではない」とのことである。

また新人パイロットの教育係として才能を発揮している。恋愛の相手とするのは成熟した女性のみであって少女でも少年でもないことから、親たちからは「意外に」信用を得ていたとのことである。

人柄[編集]

普段は冗談好きで明るい性格。軍服もスカーフを外に垂らすなど着崩している。イワン・コーネフやダスティ・アッテンボローワルター・フォン・シェーンコップ等と常日頃から毒舌合戦を展開するが、相手が目上・年上の場合は原則として敬語を外さない。それが逆にポプラン特有の慇懃無礼な態度となっている。ただし同僚で親友だったイワン・コーネフがバーミリオン星域会戦で戦死した時と、ヤン・ウェンリーが地球教徒に暗殺された時だけは明るさが失われ、酒に溺れて荒れた姿をさらけだしている。

アッテンボローと同様、堅物のムライ参謀長を苦手としており、イゼルローンを再奪回した後、ムライ達が合流すると聞いて口笛葬送行進曲を吹いたり、第2次ランテマリオ会戦でイゼルローンを訪れたロイエンタールの使者がムライだと気がついたときに慌てて回れ右をしたりしている。但し、決して嫌っている訳では無く、単に苦手にしているだけの様子が伺える。

ベッドの上の撃墜王としても知られ、ヤン艦隊内ではシェーンコップと勇名を競う仲。ポプラン自身が語る自分の理想の死に方は、帝国軍の美人パイロットに囲まれながら撃墜されることである。また、OVA版では帝国首都オーディンにて帝国軍人を夫に持つ女性と一夜を共にしようとしたところ夫に見つかり射殺されそうになったが、原作では簡単に触れられているだけである。

彼が率いた中隊名はウイスキーウォッカラムアップルジャックシェリーコニャックドライ・ジンアブサンなどで、酒の種類に由来している[7]

直接の部下でもあるカリンに対しても女性としては対応せず、むしろ保護者的な立場で、父親のシェーンコップと仲を修復するように勧めている、なお、カリンの素性は本人から相談を持ちかけられたとされており、宇宙暦800年の1月1日にシヴァの艦橋で行われた新年パーティーでそれをユリアンに話し、「平和になったら退屈きわまるがおれは善良な青少年相手に人生相談室でも開くとしようかと思っている。人徳あらたかなせいかおれは年少者に信用があるんでね」(上記参照)と告げている。しかし、気づかない筈もないカリンの一方的に難癖をつけるかのようなユリアンに対する暴言の数々を窘める描写は何故か原作・OVA版共に皆無だった。但し、説教をして柄じゃないと自己嫌悪になることが多々あり、描かれなかっただけと思われる。

ユリアンが革命軍司令官職を継承して以降、部下の少年少女を引率する姿を見てユリアンやアッテンボローはポプランが平和な時代に生まれていたら幼稚園の先生にでもなっていたのではないかと述べている[8]

漫画版では、イゼルローン攻略戦直前に酒場でアスターテ会戦で役立たずだったとローゼンリッターの隊員を挑発し、シェーンコップと話し込んでいる内に始まった喧嘩に嬉々として参加するシーンが存在する。その際、お互いに半数を残して憲兵が来る前に逃走している。

家族[編集]

独身。幼帝エルウィン・ヨーゼフの誘拐と彼を利用した銀河正統政府樹立に旧同盟が加担した際に激昂した際の、本人の弁を信頼すれば曽祖父の時代から銀河帝国と戦って来た軍人の家系。

声優・俳優[編集]

アニメ
  • 古川登志夫
    ポプランは原作の頃から、その女性関係によってファンに「イゼルローンの諸星あたる」とあだ名されていた。このあだ名は新書版の作者の後書きでも紹介され、そのためOVA版での声優が古川登志夫(諸星あたる役)となった経緯があるが、本人は堀川りょうとラジオで対談した際、「ポプランよりラインハルトがやりたかった」とボヤいている。なお銀河英雄伝説のアニメの製作は『うる星やつら』と同じキティフィルムである。
舞台
  • 中川晃教
    「銀河英雄伝説 第二章 自由惑星同盟篇」(2012年上演)、「銀河英雄伝説 撃墜王」(2012年上演)、「銀河英雄伝説 第三章 内乱」(2013年上演)でポプラン役を演じた。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 自称15月36日生まれ。ただし宇宙暦801年6月1日の時点で「30歳になったな」とアッテンボローに言われて否定しなかったため、それより前の日であるとされている。それ以前はキラキラ星から来た異星人を自称し、29歳からは一年ずつ年が若返って女性に愛を説く使命を遂行しているなどと嘯いていた。
  2. ^ 但し、OVA版では第1話より第2艦隊所属として親友のイワン・コーネフと共に登場している。また原作の初版では、帝国領侵攻の際イワン・コーネフと中尉であったが、後の版ではヒューズとシェイクリと同じ大尉に変更されている。
  3. ^ 作者の田中芳樹は、徳間ノベルズ版第10巻巻末において「作中で死ぬ予定だった」と述べている。
  4. ^ アニメでは「自称」の様に扱われているが、原作小説では「後世の歴史家」が検証した様子がある。
  5. ^ ポプランが作中でユリアン等に指導している「3機で1機の敵にあたれ」という戦術は山本五十六が唱えた3機1個小隊を最小の編成とする空戦術である。また米軍側も、零戦、フォッケウルフといった情報不足の新鋭機と当たる時には3機以上で対抗するよう下達している。但し、現実世界における3機1組での編隊機動は、各々の搭乗員に高度の技量を要求するものではある(ロッテ戦術を参照のこと)。
  6. ^ しかし、当の本人は「地に足を着けて戦う」ことには不満を持っている。
  7. ^ 原作には「本当は女性の下着の名前をつけようと思った」などという記述がある。漫画版では実際にヘルメットを整備しながら5つ(ショーツ、ブラジャー、ペチコート、キャミソール、ガーターベルト)まで考えており、最後の一つをどうしようか考えていおり、部下に涙ながらに抗議される一幕がある。
  8. ^ 作者の田中芳樹は徳間ノベルズ版の後書きで、ポプランは北条司の漫画『シティーハンター』の主人公冴羽のような後半生を送るのではないかと述べている。

関連項目[編集]