オリックス属
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オリックス属 | |||||||||||||||||||||||||||
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ゲムズボック Oryx gazella
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Oryx Blainville, 1816[1] | |||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | |||||||||||||||||||||||||||
Antilope oryx Pallas, 1777[1] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オリックス属[2] | |||||||||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||||||||
オリックス属(オリックスぞく、Oryx)は、偶蹄目(鯨偶蹄目)ウシ科に含まれる属。
分布
[編集]形態
[編集]頸部背面の正中線に沿って短い体毛が直立し、鬣状になる[2]。
雌雄共に直線的かサーベル状に湾曲した細長い角がある[2]。角には15 - 30本の環状の隆起がある[2]。吻端は体毛で覆われ皮膚が裸出(鼻鏡)しない[2]。第3 - 4指趾の蹄(主蹄)の間には臭腺(蹄間腺)がある[2]。
乳頭の数は4個[2]。
分類
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Hassanina et al.(2012)よりミトコンドリアDNAのシトクロムbとCOI遺伝子の塩基配列を決定し最大節約法で推定した系統図を抜粋[3] |
以下の分類・英名はMSW3(Grabb, 2005)を基に、和名は今泉(1988)に従う[1][2]。
- Oryx beisa ベイサオリックス Beisa(ゲムズボックの亜種とする説もある[2])
- Oryx callotis Fridge-eared oryx(ベイサオリックスの亜種キリマンジャロベイサとされるが、独立種とする説もある)[4]
- Oryx dammah シロオリックス Scimitar horned oryx[5]
- Oryx gazella ゲムズボック Gemsbok
- Oryx leucoryx アラビアオリックス Arabian oryx[6]
生態
[編集]砂漠や半砂漠、サバンナなどに生息する[2]。6-30頭からなる小規模な群れを形成して生活する[2]。シロオリックスは雨期に1000頭に達する大規模な群れを形成することもあった[5]。
食性は植物食で、草本、葉、果実、球根などを食べる[2]。水があれば飲むものの、水を飲まなくても長期間生活することができる[2]。
人間との関係
[編集]娯楽としての狩猟、家畜との競合などにより生息数は減少している種もいる[5]。アラビアオリックスは1972年に野生個体は絶滅し、1980年から飼育下繁殖個体を野生に戻す試みが進められている[6]。シロオリックスは1988年以降は生息報告例がなく野生個体は絶滅したとされ[7]、1997 - 1998年の調査でも生息する証拠が発見されていない[5]。
参考文献
[編集]- ^ a b c Peter Grubb, "Oryx,". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp.718-719
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 今泉吉典 「オリックス属」『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1988年、84-85頁。
- ^ Alexandre Hassanina, Frederic Delsucc, Anne Ropiquetd, Catrin Hammere, Bettine Jansen van Vuuren, Conrad Matthee, Manuel Ruiz-Garciag, Franc ois Catzeflisc, Veronika Areskough, Trung Thanh Nguyena, Arnaud Couloux, "Pattern and timing of diversification of Cetartiodactyla (Mammalia, Laurasiatheria), as revealed by a comprehensive analysis of mitochondrial genomes," Comptes Rendus Biologies, Volume. 335, Issue. 1, 2012, pp. 32-50.
- ^ Dana N. Lee, Richard W. Dolman, and David M. Leslie, Jr., "Oryx callotis (Artiodactyla: Bovidae)". Mammalian Species, No. 897, American Society of Mammalogists, 2013, pp. 1-11.
- ^ a b c d 小原秀雄 「シロオリックス」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、60-61、165頁。
- ^ a b 小原秀雄 「アラビアオリックス」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、42-43、154-155頁。
- ^ IUCN SSC Antelope Specialist Group. 2008. Oryx dammah. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T15568A4822675. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T15568A4822675.en. Downloaded on 07 October 2015.