オリコン・エンタテインメント

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オリコン・エンタテインメント株式会社(Oricon Entertainment Inc.)は、かつて存在した音楽に関する出版事業を運営する会社である。2015年10月のオリコングループ再編により、会社法人としては消滅。

概要[編集]

かつては旧株式会社オリコンとしてヒットチャート事業なども行っていたが、旧オリコン本体の株式が小池聰行の100%所有であったため、相続手続きに当たって、上場会社であるオリコン・グローバルエンタテインメントを親会社とし、会社分割により設立され関連事業の事業譲渡が行われた。

2015年10月、オリコン株式会社の完全子会社である株式会社oricon MEによる吸収合併により、事業継承されて会社法人としては消滅[1]

沿革[編集]

  • 1967年 株式会社オリジナルコンフィデンスの社名で創業。
    • 創業者小池聰行が、日本で初めてのレコード売り上げランキング誌である『総合芸能市場調査』(『総合芸能市場調査 コンフィデンス』を経て、最終的には『コンフィデンス』)を創刊。
  • 1970年 毎週出されるオリコンチャートを縮刷版にして纏めた『コンフィデンス年鑑』(現:『ORICON エンタメ・マーケット白書』)を創刊。
  • 1979年 一般向け音楽情報誌として『オリコン全国ヒット速報』(のち『オリコンウィークリー』を経て『オリ★スタ』)を創刊。
  • 1992年 株式会社オリコンに社名変更。
  • 1999年 データベース事業等をおりこんダイレクトデジタル株式会社(現:オリコン株式会社)に分離。
  • 2001年 創業者の小池が死去。オリコン・グローバルエンタテインメント(現:オリコン株式会社)の子会社になる。
  • 2002年 オリコン・エンタテインメント株式会社に社名変更。
  • 2015年 株式会社oricon MEに吸収合併され、同社の雑誌・書籍出版部門となる。

刊行雑誌[編集]

コンフィデンス[編集]

1967年に、同年の5月4日号として創刊[2]、週刊。オリコンチャート本紙。

オリ★スタ(後述)よりも詳しいチャートを掲載すると共に、音楽業界の動向を解説。2008年の『ORICON BiZ』への改称後は、音楽のみならずエンターテインメント業界の動向を広く解説していた。芸能事務所レコード会社向けで、定価が5000円(消費税別)と、日本一高価な週刊誌としても知られた。

2015年より、テレビドラマを対象とした賞・コンフィデンスアワード・ドラマ賞を主催する。

2020年3月30日号をもって休刊[3]

なお、日本初の音楽チャート誌は、『コンフィデンス』の創刊以前、1966年頃にラジオ関東のディレクターだった大谷亘の企画・東和企画の編集で短期間だけ発行された『トップ20』であり、大谷は自分が小池聰行にレコード売り上げランキング誌の創刊を提案したことが『コンフィデンス』の基になったと主張している。一方で、小池聰行は大谷との雑談をヒントにはしたものの、『コンフィデンス』そのものは自分の独創と主張していた[4]

誌名の推移(時期によってロゴ違いのバージョンがある)

  • 1967年5月 - :『総合芸能市場調査
  • 1969年3月 - :『総合芸能市場調査 コンフィデンス
  • 1992年11月 - :『オリジナルコンフィデンス
    • ロゴは『ORIGINALコンフィデンス』→『ORIGINAL CONFIDENCE』→『OC ORIGINAL CONFIDENCE』→『ORIGINAL CONFIDENCE』と変遷した。
  • 2008年7月 - :『ORICON BiZ
  • 2011年4月 - :『ORIGINAL CONFIDENCE
  • 2015年10月 - :『コンフィデンス

発行部数

  • 2018年 - 5000部[6]

オリ★スタ[編集]

『コンフィデンス』の一般版。

1979年、同年の8月6日号(表紙には「8月1週」と記載。『オリコン全国ヒット速報』の「00号」)として創刊、週刊。チャート情報だけでなく、音楽情報を広く取り扱う。創刊当時は新聞のような[7]薄い冊子で、社名「オリジナルコンフィデンス」を略し「オリコン新聞」とも呼ばれていた。2016年4月4日号をもって休刊[8][9]

誌名の推移(時期によってロゴ違いのバージョンがある)

  • 1979年8月6日号 - :『オリコン全国ヒット速報
  • 1981年6月 - 1994年5月2・9日号 :『オリコン・ウィークリー
  • 1994年5月16日号 - 2001年4月30日号 :『オリコン・ウィーク The Ichiban』(オリコン ウィーク ザ・一番)
    • 音楽チャートのみならず、あらゆるエンターテインメントの「一番」を取り上げる方針となる[7][10]
    • 1994年11月14日号から雑誌サイズが変更(B4判→A4ワイド判)され、休刊まで続いた。
  • 2001年5月7・14日号 - 2004年7月26日号 :『Weekly Oricon』(WO)
  • 2004年8月2日号 - 2008年10月6日号 :『oricon style
  • 2008年10月13日号[11] - 終刊:『オリ★スタ』(Only Star、誌名から「オリコン」の文字が消える)
    • 2009年7月27日号で、通巻1500号を達成[12]
    • 2015年時点のキャッチコピー・「流行モノ大好き 女の子のためのエンタメライフマガジン」で表されている通り、ジャニーズ事務所に所属する男性タレントを中心とした内容となった。

発行部数

De-View[編集]

1983年創刊、月刊。芸能界を目指す人向けのオーディション情報誌の大手。

2002年に倒産した勁文社より出版を引き継ぐ。2015年4月号をもって休刊し、ウェブによる情報提供に移行。

kids Style[編集]

2003年創刊、月刊。1996年のDe-View増刊『Kids De-View』(季刊)が母体。

親子のためのファッション誌。『Kids De-View』の中心だったオーディション情報は、現在では脇に追いやられている。

2007年12月号をもって休刊。

刊行年鑑[編集]

ORICON エンタメ・マーケット白書[編集]

1970年創刊。年刊だが、一号だけ「1972年・73年合併版」となっている。

オリコンが発表する各種の年間ランキングをはじめとして、オリコンチャートの縮刷版も掲載している。2010年の『ORICON エンタメ・マーケット白書』への改称後は、音楽のみならずエンターテインメント業界の動向を広く解説している。

号数について

発行年と表記年(号数)の関係は、『コンフィデンス年鑑』『オリコン年鑑』時代は、発行年を号数として表記していたが、『ORICON エンタメ・マーケット白書』への改称後は、掲載しているランキングの年(発行年の前年)を号数として表記するようになった。このため、『オリコン年鑑』と『ORICON エンタメ・マーケット白書』には共に「2009年版」が存在する。

誌名の推移
  • 1970年版(1970年発行) - :『コンフィデンス年鑑
  • 1980年版(1980年発行) - :『オリコン年鑑
  • 2009年版(2010年発行) - :『ORICON エンタメ・マーケット白書

脚注[編集]

  1. ^ 企業情報 グループ沿革”. オリコン株式会社公式サイト. 2017年2月10日閲覧。
  2. ^ 佐野眞一『業界紙諸君!』筑摩書房ちくま文庫)、2000年、174-175頁。ISBN 4-480-03533-8
  3. ^ オリコン、1967年創刊エンタメ業界向け雑誌『コンフィデンス』休刊を発表、ORICON NEWS、2019年11月28日。
  4. ^ 『業界紙諸君!』(ちくま文庫版)164頁。
  5. ^ 音楽チャート誌「オリコン」創刊30年 ヒット曲に歴史あり読売新聞、1997年5月24日東京夕刊、芸能面。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
  6. ^ 【掲載情報】コンフィデンス10月号「表紙インタビュー“COVER STORY”」にlute代表・五十嵐が登場!、lute blog、2018年10月22日。
  7. ^ a b c d 「人気を格付け オリコン『ザ・1番』(探見劇場 きく)」『朝日新聞』1999年4月16日付夕刊、5頁(大阪)。
  8. ^ 創刊37年『オリ★スタ』3月で休刊”. ORICON STYLE (2016年1月28日). 2016年1月28日閲覧。
  9. ^ 『オリ★スタ』休刊のお知らせ ORICON STYLE(2016年1月28日)
  10. ^ 「斜論 新オリコンにみる編集の逆説」『日本経済新聞』1994年6月4日付朝刊、32頁。
  11. ^ 『オリ★スタ』新装刊!、オリコン、2008年10月2日。 (PDF)
  12. ^ 『オリ★スタ』、本日発売号で1500号達成!、オリコン、2009年7月17日。 (PDF)
  13. ^ 週刊エンタメ誌「オリ★スタ」最新号、ほぼ丸ごとWebで無料公開、ITmedia、2010年4月23日公開。

外部リンク[編集]