オットー (靴屋)

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オットー
靴のオットー(閉店19日前)
靴のオットー(閉店19日前)
本社所在地 大阪市北区西天満6-1-5[1]
設立 1977年4月[1]
業種 小売業[1]
事業内容 靴販売
代表者 竹部淺夫(社長)[1]
従業員数 2人[1]
特記事項:2017年4月26日、破産手続きを開始[1]。同日破産手続廃止[1]
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オットーは、2016年2月20日まで、 大阪市北区西天満6丁目に存在した販売の小売店である[2][3]。「もうあかん やめます!」や「格差社会を是正せよ。身長の格差は当店で」「大阪一安いとうわさの靴店」などのユニークな垂れ幕を掲げての長きにわたる閉店セールシークレットシューズの格安販売で、大阪では「名物靴店」と言われるほどにサラリーマンらに親しまれていた[2][3][4][5][6]

概略[編集]

開業から営業終了決定まで[編集]

オットーの歴史は、もともと別の靴小売店で働いていた社長で店主の竹部淺夫が、1977年に独立し、西天満交差点の一角に開業したことにはじまる[註釈 1][5][6]。当初から2016年の閉店時と同様に、男性向けのビジネスシューズを中心に、格安販売を実施する[5]。その後、「シークレットシューズ」を発案し初めて売り出す。これが身長が高くないことに悩めるサラリーマンらの間で好評となる[5][7]

その後、バブル崩壊後の1993年頃、不況で店の経営がうまくいかず、社長の竹部がすがるような思いで、当時竹部自身の口癖となっていた「もうあかん やめます!」という垂れ幕を店のテント上部に掲げると、大阪では「おもろい店」として一躍話題となり、「大阪名物」や「名物靴店」などとしてメディアなどからも評されるほどになった[2][3][5][8]。その後も、「いや、やっぱりやります! どっちやねんセール」「格差社会を是正せよ。身長の格差は当店で。人は見た目が9割だから!」などの垂れ幕を作成し店先に掲げることで[5]、地元では「閉店商法」と言われ愛されながら[3]、2016年2月まで20年以上営業を続けた[5]

上述のように、「もうあかん やめます!」などの垂れ幕を20年以上掲げながら営業を続けていたオットーであったが、社長である竹部の体調不良により、事業継続が困難となったことから、2015年11月に2016年2月20日をもって営業を終了することを決定した[2][3][5]

営業終了[編集]

上述のように2016年2月20日、オットーは、報道陣や常連客、ボランティアが詰めかける中、閉店セレモニーを行い営業を終了した[註釈 2][2][8][9]

営業終了日である2月20日に、日本テレビの情報番組スッキリ!!阿部祐二が店頭でインタビューした客からは「(本当にやめるかどうか)いやあ、どうでしょうか。だって、前もやめると言ってやめへんかったもん」「ギャグでやってほしい。後継者出現とか」という回答が出され、営業終了について疑う人が多かったという[8]。また、同じインタビューの過程でオットーを訪れた客にJキャストニュースが調査したところ、「閉店するだろう」と回答したのが36人だったのに対し、「閉店しないのでは」が73人という結果となっていた[8]ほか、産経新聞によれば閉店後も、店舗跡地の前の通行者からは「ほんまに閉店したの?」と訝しがる声も聞かれたという[9]。また、店主の竹部が営業終了日に行われた閉店セレモニーで詰めかけた報道陣から、「本当にやめるのか」と問われるなどメディアからも半信半疑の状況であった[註釈 3][2]

営業終了後の2016年2月末、オットーはテナント契約を解除[11]。さらに、同年4月には税務署に廃業を届け出た[11]

2017年4月26日神戸地裁尼崎支部から破産開始決定を受け同日、破産手続廃止となる[1][4]

「もうあかん」の立ち上げ[編集]

上記のように営業を終了したオットーであるが、その名物商品であるシークレットシューズを愛用する客を中心に、本当に営業を終了したことを残念がる声が多かったことから[3]、社長の竹部が体調不良で店に出られない間、竹部に代わりオットーを切り盛りしていた司法書士の小山秀司を中心とするボランティアらが、竹部の了解を得たうえで、2016年5月からインターネット通販大手の楽天市場とアマゾンに靴専門店「シューズショップ もうあかん」を出店した[3][12]。なお、この「シューズショップ もうあかん」の運営には、竹部自身もアドバイザーとして携わっている[11]。当初の取扱商品は、シークレットシューズを中心に、男性用ビジネスシューズや運動靴など約50種類程度である[3]

さらに、「オットーの心を受け継いでいきたい」として、「もうあかん」は大阪府東大阪市長堂にある衣料品店「メンズウェアMITSUYA」をはじめとするリアル店舗にも自社商品を卸しはじめる[13]

店名[編集]

オットーの店名の由来は、創業者が靴職人であったドイツの通販会社「オットー」(en)に因んでいる[6]。当店は床面積30平米の狭い場所での営業をしているが、いつかは「オットーのような大きな店になりたい」という竹部の願いから、このような店名となった[6]

脚註[編集]

註釈[編集]

  1. ^ 商店街などではなく、ビジネス街である西天満交差点の一角に店を構えた理由は、他店との差別化を図るためであったと社長の竹部は述べている[6]
  2. ^ この閉店について、タレントのはるな愛は、「私、よく通るんですよ。閉店したら寂しいですね」とコメントした[8]
  3. ^ これについて、報道によれば竹部は笑顔で、「もうあきまへん、これ以上は閻魔様に舌抜かれる。嘘はつけません。」と返したという[2][8][10]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h シューズ オットー東京商工リサーチ 2017年5月19日) 2017年5月20日確認
  2. ^ a b c d e f g もうあかんやめます 靴店大阪・天満で40年 本当に閉店毎日新聞 2016年2月21日10:42配信) 2017年5月18日確認
  3. ^ a b c d e f g h あの“閉店商法”で知られた「靴のオットー」がネットで復活!? 名物商品「シークレットシューズ」も健在 大阪産経ニュースWEST 2016年5月17日10:26配信) 配信日に閲覧 
  4. ^ a b 「「もうあかん」の靴店破産、大阪、セールで有名(ピックアップ)」 (日本経済新聞 2017年5月20日 大阪版朝刊 17頁) 2017年5月20日確認
  5. ^ a b c d e f g h 「今さら本当の身長言えない」 靴のオットー復活“上げ底”ネットで人気 (SankeiBiz 2016年8月20日17:09配信) 2017年5月20日確認 
  6. ^ a b c d e 「もうあかん やめます!」掲げ20年超、シークレットブーツも目玉商品…大阪・西天満の名物靴店が2月、ほんまに閉店産経ニュースWEST 2016年1月24日05:00配信) 2017年5月20日確認
  7. ^ 「もうあかん」20年続いた大阪「閉店セール」の靴店 「今度はホンマにやめます!」は本当なのかJ-Castニュース 2016年1月24日18:08配信) 2017年5月20日確認
  8. ^ a b c d e f 「やめます」の大阪「靴のオットー」きのう行ったら店開いてた!やっぱりウソ?J-Castテレビウォッチ 2016年2月23日15:33配信) 2017年5月20日確認
  9. ^ a b ほんまに閉店したの? 「もうあかん やめます!」掲げ続けた名物靴店「靴のオットー」閉店から一夜明け…産経ニュースWEST 2016年2月21日15:06配信) 2017年5月13日確認
  10. ^ 大阪の名物靴店「靴のオットー」本当に閉店 店主「もうウソはつけません」東京スポーツ 2016年2月20日17:18配信)2017年5月20日確認
  11. ^ a b c 閉店セール名「もうあかん」でネット開店 これは復活なのか?大阪・靴店の関係者に話を聞いたJ-Castニュース 2016年5月18日19:46配信) 2017年5月20日確認
  12. ^ もうあかんやめます 昨年閉店の名物靴店 来月復活 大阪毎日新聞 2017年5月6日10:57配信) 2017年5月10日確認
  13. ^ 靴のオットーの心引き継いだ!「ネットショップ もうあかん」 東大阪の衣料品店に〝登場〟産経ニュースWEST 2017年1月23日09:30配信) 2017年5月19日確認